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技術屋が友達に安く買いたたかれる件。

自分のスキルで稼いでる皆様、友達に安く買い叩かれたり、なんなら無料で頼まれたことないですか?
PTAで広報を引き受けてプロ並みのチラシを一度作ってしまったら、所属もしていないサッカークラブチームのチラシも無料ベースで頼まれてしまった(いいとこランチ一回、とか)とかママ友トラブルでもよく聞きますよね。分かりやすく材料費がかかってないものって、無料で作れるような気がしてしまうのかもしれません。でも、材料費=コスト、ではないんですよ。人件費、時間、そしてその技術を取得するに要した年数、全てがまるっとコストなんですよね。

実は最近仕事関連(の、無報酬なので趣味案件)モヤっとしました。かつて馴染みの歌い手さんが久々に歌ってみたをリリースすることになり、私が楽曲、イラストの構図、動画関係の全てをプロデュースさせてもらえるということで、動画代は無料で引き受けました。それは、私がやりたくて声をかけた側面もあるし、その名の通り自由にやらせてもらったので満足しています。イラストレーターさんにはちゃんと報酬を出して発注しました。ここまでは良い。
でも歌ってみたにはもうひとつ大事な要素があります。それはミキシング。お歌の音量と音程を整え、全体を混ぜて聴きやすくする(超ざっくりな説明)私は動画担なのでミックスはからっきしです。でも私の投げた企画だったので
「動画と等価交換でミックスしてくれる人がいればやるよ」
と言いました。例えば相手がミックス師ではなく歌い手やボカロPだった場合は動画を作る需要があるはずなので。そしたら彼女は
「歌い手やってた時の後輩で上手い人がいるんだけど、たぶん無料でやってくれる」
と言いました。
正直まじか、と思いましたが、まあ関係値もあって、お金よりも彼女の歌のファンだからやってくれる技術屋もいるのかと思って、それ以上口出ししませんでした。

案の定、その後輩には断られたそうです。というか、50%以下の金額を提示されたそうです。後輩さんとしては精いっぱいの譲歩だったのでしょう。だって、彼女が歌い手を引退している間もずっとミックス師として技術を磨き続けてきたわけです。片や歌い手を引退して今や数字も持っていない彼女に対して、
「先輩だから」
という理由ひとつで無料奉仕しなければいけない理由がありません。
確かにかつて歌い手界隈では、歌い手はもちろんクリエイター陣全員が報酬なしで作品を作っていました。それは彼らの趣味であり、また商用利用しないというボカロPとの確約でもあった。でもだからこそクリエイター陣は手を貸す歌い手を選ぶことができたはずなのに、実際は歌い手に頼まれて断れずやりたくない作業までてんこ盛り、ということがよくありました。
やっと最近その文化がなくなりつつあり、技術に対してそれ相応の報酬を払うのが当たり前、という流れになりつつありますが、古き歌い手時代の文化を引きずってる人、というのは今でもよく拝見します。
驚くべきは、彼女は歌い手を引退したものの、界隈の紹介業務でちゃんとマージンをもらって活動してるらしいのです。その界隈でお金をもらってるならちゃんと払えよ!と思ったお話でした。

私がさっきの等価交換でミックス師を連れてくることは可能ですが、彼女は音にこだわりがあり(私の連れてくるミックス師だってすごい人達ばかりですよ!ただ好みが出るので)その上お金を払いたくないので、結局その企画は暗礁に乗り上げ投稿できていません。私の作った動画ももとより、公開していない以上イラストレーターさんの実績にならないので大変申し訳ない……!

ほんと。材料費がかかってなくても。誰かに何かを頼んだら、成功報酬を払うのは当たり前です。それがお金なのか代わりの何かなのかはご本人次第ですがお互いに納得した上で話を進めてください。ほんとに、安く買い叩くのやめよう。関係値、絶対悪くなるから。

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