【第四話】一緒に死ぬことはできない。
——まだ、自己が未熟な小学生の頃、自分のことに関する作文をたくさん書かされたことを私は覚えている。自分の好きなもの、様々な思い出、頑張っていること、経験から得たもの、そして将来の夢。私は特に将来の夢にあたる「大きくなったらなりたいもの」という題の作文についての記憶が鮮明にある。しかし、覚えているのは書いた内容ではない。題に対して子供ながらに感じた違和感だ。「大きくなったらなりたいもの」の「大きくなったら」という部分。幼い私は漠然としていて広義なその言葉に惑わされ、クラスとい