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#12「本当は、クリエイターになりたかった。」上場企業を3年でやめて踏み出した、情熱を注ぎながらも心豊かに生きる道。〜杉山万有さんのケース〜

アート思考、システム思考、認知行動療法など、学術的アプローチで「本当のやりたいこと」「人生を通して追い続けたい問い」を見つけ、深め、広げるためのプログラム「NCS(Narrative Career School)」。NCSを卒業し、自分らしい人生を歩み始めた若者たちが語る過去の私、今の私。


杉山万有です。今は専門学校で動画制作を学びながら、業務委託で動画編集・制作のお仕事をしています。

ですが、ここに至るまで様々な困難な道がありました。今日はそのお話ができればと思います。

私は新卒ではリアルとデジタル、両軸でエンタメを手掛ける会社にディレクター候補として入社しました。店長や経営企画、人事など色々な経験を積ませてもらいましたが、コロナ禍を機に今後のキャリアについて考えたいと思い、NCSに参加。そこで自分のやりたいことを見つけ、勇気を持って転職を決意しました。


3年間で、2回人生を見直した。そこに、いつもNCSがあった。

1度目は大学生の頃。2度目は社会人2年目でした。

1度目はNCSが合宿形式のときで、それがとても良かったんです。当時は私は大学生だったのですが、NCSの創設者である喜多さんのことはSNSでフォローしていて知っていて。そこで合宿のことを知り、喜多さんが呼ぶ仲間や、喜多さんに魅力を感じて集まってくる人に会ってみたいと思って参加してみました。合宿の場には、学生で起業している人や同年代でもフリーランスとして仕事している人もいて、たくさん刺激をもらいました。

そこで私はどう変わったのか。心のどこかでやりたいと思っていたけど、できていなかったことに挑戦できるようになったのです。

私は大学のサークルでミュージカルをやっていて、もっと本格的に学んでみたいと思っていたけれど勇気がなかったんです。ブロードウェイミュージカルを学んでみたかったけれど当時はそれなら留学しかないと思っていて、日本で学ぶ選択肢を知らなかったんですよね。

ですが「日本でも学べる場所はあるんじゃない?体験だけでも行ってみなよ!」と合宿でメンターに背中を押してもらって、実際に関係者の方と繋いでくれて。さらには喜多さんや仲間と話すことで、勇気が出てきて、ブロードウェイミュージカルスクールに飛び込むことができました。

(本場のミュージカルを勉強しにNYへ)
(台本がぼろぼろになるまで練習していました)

NCSへの2度めの参加は、その3年後の社会人2年目のときでした。

合宿後、当時私は新卒で就活をしていて、最初はエンタメ業界の人事を見ていました。人事をミュージカルの役者と重ね合わせて、はじめは”役に寄り添う=誰かに深く寄り添うことができる=人事の業務”と考えていたんです。それでなぜエンタメ業界を選んだかというと、ミュージカルサークルで経験した演出の仕事が楽しかったから。誰かの思い描いている世界観を形にしていくことや、役者さんを輝かせること、魅力を引き出すのが楽しくて、できればリアルのエンタメを作りたいと思いました。

決定的だったのは会社説明会の対談で、プロデューサーが仕事について語っていたのが楽しそうで、自分にもできそうだと思ったんです。

(演出を務めたオリジナルミュージカルの公演)

そうやって「人事・プロデューサー」を志し入社した志望企業でしたが、実際にやってみるとイメージとはちょっと違っていて。いざ働いてみると自分に向いていない部分もたくさんありました。

例えばプロデューサーを目指すキャリアの初期にはプロジェクト進行を担うことが多く、私も新卒2年目まではその業務を担当していました。関わる人の交渉や調整が必要で、常にプロジェクトの成功へ向けて動く中立的立場でいなければいけないのに対し、「関わる人一人一人の想いを尊重して寄り添いたい」という自分が大切にしたい信念とぶつかってしまうこともありました。大学ではそれができていたけど、社会人になると制約が色々できて、それができなくなってしまったんですよね。

具体的には、コロナ禍で事業の規模を大幅に縮小することになってしまい、お店で働いてくれていたスタッフの方も解雇しなければならなくなったときです。私にとって、その連絡をするのは本当につらかったです。

それ以降は本社業務に異動したのですが、多忙で会社にいながらキャリアチェンジをするのが難しく、本格的に仕事を離れないといけないと考えました。そこで再びNCSに参加したのです。

NCSの転職のためワークに参加する前には、事前にメンターとの面談があり、それも一つの安心材料でした。社会人になって改めてNCSへ参加するにあたり、オンラインで仲間ができるか、場になじめるか心配だったけれど、参加前にメンターと面談をして、安心して参加することができました

そこで自分を見つめ直し、別の業界、分野でどう楽しく生きていくかという考えにシフトして、時間をとって考えるために退職したのが3年目の夏のことです。

これまでは「リアルエンタメ」というキーワードだけで考えていたけど、どの職種がいいか、何が向いてるかをちゃんと考えていなくて、「なんかいいかも」というふわっとした考えで仕事をしていたので、今後世の中の情勢も変わっていく中でどういうキャリアで生きていくか、しっかりと向き合う機会になりました。


NCSに参加して:「今、ここ」を大切にしたら幸福度が上がった。もう背伸びしなくても大丈夫。

NCSのワークでは「今、ここ」を大事にできてない自分に気付きました。

私は小さい頃から周りと比べて不器用だと思っていたので、期待に応えられなかったら失望させてしまう、信頼されなくなってしまうという恐れを抱えていて。

原体験として思い当たるのは、昔、習っていたピアノを辞める前、最後に出たコンクールで賞に全く手が届かなかったことがあったんです。私の母もピアノの教師をしていて自分はピアノが得意だと思っていたので、当時教わっていた先生をがっかりさせてしまって、それがとてもショックでした。期待に応えられないと人から必要とされなくなってしまうかもしれないと思い込んでいたんですよね。

なので、今の自分じゃだめだとか、もっとこうなりたいと未来のことばかり考えていました。「周りの期待に応えなきゃ」と、マネジメントや進行役など自分に向いてないことも頑張ろうとして、周りの人が良い人だったので何とか頑張って成果を出したいと背伸びしている自分がいました。

そんな背伸びをしている自分に気づけたのは、NCSで「こんな人になりたいな」と思えるたくさんの素敵な人、ロールモデルに出会えたからでした。

NCSでは一人一人にメンターがついてくれるのですが、ロールモデルの1人が私のメンターです。彼女はいつも肩の力が抜けているような感じで、すごく自然体。仕事に取り組む姿勢が「ついついやってしまう」というような感じなのに対して、私は「努力して一生懸命、血眼になって仕事に取り組む」みたいな感じで。

そこで初めて、自分はめちゃくちゃ肩に力入ってるな、と気づけました。自分も彼女みたいに自然体で生きていきたいな、そうなるにはどうしたらいいんだろう?私との違いはなんだろう?と考え始めたところから、この気づきが生まれた気がします。

忙しい時期は何日も徹夜したり、夜ごはんを食べた後も仕事をしていたり、結果的に関わってくれている人や自分の健康状態など目の前のことが疎かになって、家での生活もめちゃくちゃで、、、あの頃はメンターとの定期面談で本当に救われていました。


内面的な変化としては、幸福度が増したなと感じます。具体的に変わったのは、目の前のことを大事にできるようになったこと。たとえば友人に連絡を返すのが早くなるとか、大事にしたい人とのやり取りを大事にできるようになったし、逆にそうでないものを手放していきました。

栄養バランスに気を付けた食事を摂り、夜はすっと寝て朝気持ちよく起きられるようになり、忙殺されても最低限の生活リズムを整えることが大事だと自覚しました。多少忙しくても、買い物に行って自分でご飯を作ることも心の豊かさにつながるんだなと。自分が幸せに生きられる衣食住環境を整えることで暮らしが整って、心も豊かになりました。

それによってクライアントさんに誠実に向き合うことができ、今できることを一生懸命やることでぽろっと新しいお仕事に繋がることもあります。

今自分が熱量高くできることに向き合っていれば、必死に背伸びしなくても大丈夫。そう思えるようになりました。

好きなことで、ほめてもらえる。試行錯誤して行き着いた「動画制作」の世界

ワークに取り組んでからは、自分で手を動かして作るのが好きかもしれないということが見えてきました。これまで自分で手を動かしてプロダクトは作ってこなかったけれど、手を動かすのが向いてるんだろうなと思って色々試してみたんです。

会社を辞めてからは、ライターやwebデザイン、コピーライター、動画制作など幅広く挑戦しました。スクールに通ったり知り合いの人から仕事を紹介してもらったりする中で行きついたのが動画制作でした。webデザインをやる中で、母がピアノ教師をしていたり、私自身もピアノやミュージカルをやってきたりと、昔から音楽に触れてきたこともあって、音に合わせて作るのが好きだから動画にしようと思いました。

嬉しかったのが、動画のスクールの先生から褒めてもらったこと。0.01秒単位での動きにこだわって作った動画で、「細かいところにこだわれる、ある意味変態的な人は向いてるよ。動画作るのが本当に好きなんだね」と先生に言ってもらえて、向いてるかもと思えたんです。動画制作は夜中3時くらいまでやっていたり、気付いたら3〜4時間作業していたりと、長時間やっていても苦じゃなかったんですよね。先生に褒めてもらった動画は3秒の短いものですが、かけた時間は10時間ほど。1週間かけてブラッシュアップしながら完成させました。

今後やりたいこと:目の前の人に誠実に向き合いながら、動画を作り続けたい

今のところは、動画を作り続けたいと思っています。色んなクライアントさんとお仕事をしていきたいし、ただただ目の前の人に誠実に向き合うことを大切にしていきたいです。
それだけなんですが、10年後くらいには舞台の後ろに使う動画やプロジェクションマッピングに関われたら幸せだなと。やっぱり私は舞台が好きなので。

動画のジャンルで言うとアニメーションや細かい動きを作るのが楽しいので、アニメーションづくりやモーショングラフィックス(動きを加えたイラストや、実写やテキストを組み合わせた映像のこと)の分野で実績を積めたらいいなと思っています。

メッセージ:思いもよらない選択肢に気付けるかもしれません

私は喜多さんやNCSのメンター、仲間に出会って、刺激をもらったし背中を押してもらえました。
他のキャリアコミュニティやスクールにもいくつか入りましたが、その中でもNCSは自分の人生に真剣に向き合っている人が多いです。見ず知らずの人にも熱量高く向き合ってくれるし、中にいると自分も引っ張り上げられるような感覚です。他人だからこそ新しい視点で言ってもらえたり「これってこういうことじゃない?」っていう誰かの一言で、思いもよらないところから道が開けたりして。距離が近すぎないからこそ、みんな”良い意味で無責任”というか。それがとてもありがたかったですね。

NCSはこのままじゃつまらない、変わりたいなーと思っている人にとって、選択肢が増やせる場になるはずです。

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4時間で「本当にやりたいことを見つける」ワークショップの詳細はこちら↓

インタビュアー:伊佐間梨華
ライター:mika ( https://note.com/mika316/n/n72b4c3dbe18e )

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