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IPOスタートアップの資本政策解剖 Sansan編〜SmartRound Academia〜を開催しました

こんにちは!NEXTユニコーン経営サロンです。

先日SmartRound Academia【IPOスタートアップの資本政策解剖~Sansan編~】を開催いたしました。

【登壇者】
・ Sansan株式会社 / 取締役CFO 橋本宗之さん
・ SmartRound COO 冨田阿里さん
・ DIプライベートキャピタルG共同創業者 松井克成


華やかな面が語られがちな大型の資金調達や大型IPOですが、たった一度のミスが事業運営において大きな障害となるケースも少なくありません。未上場であった2018年に約30億円の大型資金調達を上場株投資で著名な海外機関投資家などから実施し、2019年6月に大型IPOしたSansan株式会社 取締役CFO 橋本さんにご登壇いただき、Sansanがどのようなシナリオを描いていたのか、各ファイナンスの舞台裏をお話いただきました。

下記は後半の対談セッションでドリームインキュベータ(DI)プライベートキャピタルG松井が使用したスライド中心のサマリになりますので、ぜひご覧ください。

1) 創業から12年。IPOまでの歴史

Sansan株式会社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションに掲げ、クラウド名刺管理サービス「Sansan」、名刺アプリ「Eight」、クラウド請求書受領サービス「Bill One」を提供しています。

「Sansan」では企業が抱える様々な課題、「Eight」ではビジネスパーソンや企業が抱える課題、「Bill One」では企業が抱えるアナログに起因する課題を解決しています。

資本政策については、2007年の創業から上場までの12年間、シード2回、シリーズAからEまでの5回、合計7回の資金調達を大型IPO前に実施しました。IPO前のラスト・ラウンドとなったシリーズEではバリュエーション1千億円以上のユニコーン規模となり、上場時にはそれを上回る1,425億円という企業価値評価を得ることができました。(2020年12月末の時点で企業価値評価は2,117億円)

以下、後半の対談セッションでDI松井氏が客観的な視点で纏めた資本政策のポイントです。

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2) 上場後の展開

上場後は既存の事業に加え、第三の柱としてイベントテックでビジネスイベントの運営に関わる各種ソリューションを提供していくといいます。上場前後の各種インタビューやIRでも、出資・M&Aを積極的に検討するコメントをされていました。

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実際、有言実行されていて、以下のスライドにあるように、2020年にはイベントテック事業分野で事業を行うログミー株式会社をM&Aにより子会社化したほか、公表ベースで7社に出資されてきました。

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上記を踏まえて、客観的な視点でSansan社の公表ベースの出資・M&A実績の特徴を纏めると以下のスライドのとおりです。

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出資やM&Aにおいては、事業戦略に沿って次の「柱」となる分野やその周辺に集中させている点も参考になります。

3) イベント終了後のDI松井の考察

イベント後半の質疑応答において、大型IPOありき、というよりは、スタートアップとして事業創造を最速かつ最大限に実現できるなら大型IPOもM&Aもいずれも検討しうる、という考えを持ちつつ、結果的に大型IPOが最善の策だった、というSansan橋本さんのコメントも印象的でした。

確かに、上場前に時価総額1千億円を超えたSansanに大型M&Aを仕掛けて更に事業を加速させるようなビジョンと企業文化、大きな事業シナジー、そして大きな資金力が全て揃った会社はSansan上場前の市場環境において稀有なため、Sansanのケースでは大型IPOが最善だったというのも納得できます。

これらを踏まえると、スタートアップは、Sansanなどの事例を参考にしながら大型IPOを目指す選択肢がありつつ、Sansanのような大型IPOを既に実現した会社にスタートアップM&Aでグループ入りをすることで事業創造を最速かつ最大限に実現する、という選択肢もありうる、ということでもあります。

常に変化する市場環境を踏まえながら、スタートアップ起業家は、自分達の事業創造にとって何が最適か、先行企業の事例も参考にしながら、また、客観的な視点で自社を見れる立場の人にも相談しながら、判断していくことが大切ですね。

NEXTユニコーン経営サロンでは、Smartround Academiaさんをはじめ、今後も様々な方と一緒に、大型IPOに向けた資本政策やスタートアップM&Aについて、イベントやインタビュー記事の発信などを行って参ります!



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私どもは、主にシリーズB以降等のNEXTユニコーン起業家のファイナンスの相談(大型IPO向け資金調達やスタートアップM&A)に応えるべく、2020年1月に、戦略コンサルティングやベンチャーインキュベーションを推進するビジネスプロデューシングカンパニーのドリームインキュベータ(以下、DI)と公認会計士の集合知とテクノロジーを活用した経営管理支援サービスを展開するブリッジコンサルティンググループが共同で立ち上げたサロンです。

NEXTユニコーン経営サロンでは、今回のようなピッチ・イベントを、社会的課題の解決に向け1千億円超の事業創造に挑戦する起業家・VC投資家・大企業のコミュニティ形成を目的として開催しております。様々な起業家の中から、ほぼ毎月、シード期からレイター期まで様々な成長ステージの起業家3名前後にご登壇頂き、毎回10社前後のVC投資家や大企業・CVC等にご参加頂く形で運営する予定です。

その他にも、コミュニティ参加者に有益な情報提供を目的とし、定期的にイベントや交流会、情報発信を行ってまいります。今後のイベントに関しては公式Twitterで随時お伝えしますので、是非フォローをお願いいたします!


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