【史】IT全史を読んで考えたこと/IT全史を読む(27終)
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年10月15日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
IT全史を読んで考えたこと/IT全史を読む(27終)
ITの歴史を辿る27回
とうとう最終回になりました。
IT の歴史は、広くとらえると大昔の狼煙による情報伝達も含まれるものです。
それは情報を伝えるという観点の歴史だからです。
他方、今起きているコンピューターの技術革新に着目すると、それは高々数十年の出来事です。
今ではコンピューターが通信と融合しているのは自然に見えますが、 4,50年前は一般的には計算することと通信することとは別に考えられていたのですね。
その名残は今現在使っているコンピューターシステムにも残っています。
DX という言葉がもてはやされているのはそのような見方のひとつです。
IT化の遅れの原因
記録は紙で、通信は FAX で、という数十年前からある仕組みを例えば電子メールにしてみたとしても、それは紙を無理やりデータ化して、それをインターネットという通信手段に載せているだけで、構造そのものは FAX と変わっていないのです。
日本でクラウド活用が遅れているのは、 IT システムを作っている人々の間でもこのような状況が続いているからです。
なぜそうなっているのかと言うと、人々の意識が紙から離れられないからではないかと思っています。
IT全史では情報技術の長い歴史を使っていますが、後半のコンピューターが生まれてからの歴史は、僕自身が経験してきたことと重なっています。
たった 40 年ほどのことですから、技術の変化は大きくても人々の意識までを変えるのには十分長いとは言えないのだな、と痛感します。
教育はボトムアップのアプローチ
スマホのように IT 技術を手軽に使えるデバイスを誰もが持つようになっても、保守的な考え方が変化を阻害しているように思えてなりません。
技術主導で便利さを追求するようなトップダウンの動きも大切ですが、一般の人々の意識を変えるボトムアップのアプローチがなければ、本当の便利さの恩恵を受け取ることはできないのです。
IT のほとんどは軍事から生まれましたが、その時代時代に存在するアマチュアの技術オタクによって民主化され一般化されてきました。
IT全史では、このような動きが何度も繰り返されていることを見ることができます。
アマチュアの技術オタクが生まれる素地は新しいリテラシーが広がる世界にありました。
そして、そのためには教育が重要であったのだと思います。
今、インターネットという誰もがつながれるネットワークを通して、新しい学びの世界が始まっています。
学び続ける姿勢を
勉強するのは学校でおしまいという古い常識は捨てなければなりません。
なぜなら、読み書きのような基本的なリテラシーがより新しい技術の上に成り立つようになってきたからです。
わざわざ IT リテラシーなんて言ってるうちは特別扱いされているわけで、本質的には IT という冠を取り去る必要があると僕は考えています。
そのためにジタバタしているのが読書と編集なのです。
今、僕たちはどの段階にいるのかということを考えるために、 IT全史は格好の教材です。たくさんの人に読んでみてほしいと思います。
IT全史を読んでいくシリーズはこれでひとまず終えることにします。
この本を著してくれた中野明さんに感謝するとともに、変化し続ける生きた歴史の世界を僕も語り続けていきたいと思っています。
お付き合いいただいた皆さんありがとうございました。
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今後配信の中で参考にしていきたいと思います。
おわりに
読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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