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【史】蒸気機関で動くコンピュータ/IT全史を読む(12)

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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年7月2日配信の書き起こしです。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ

読書と編集の千葉直樹です。

このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。

今回のタイトルは、

蒸気機関で動くコンピューター

IT全史を読むシリーズの12 回目です。

通信の進化のゆくえ

前回までは、 IT の重要な要素としての通信の進化の話をしてきました。

1 対 1 のかなり汎用的な通信が行える腕木通信から、ケーブルを使った電信、電波を使った電信、ケーブルに音声を載せた電話、そして電波に音声を載せて多数の人に情報を伝える放送がラジオテレビと発展していきました。

ここまでで 1 対多数の情報伝達ができるようになりましたが、その次には多数対多数の情報伝達への展開が予想できると思います。

このような情報伝達はこれまでの伝送路だけの通信技術だけでは実現できません。

情報を表現する手段を体系化し、それらを記憶したり、加工したりする技術が必要です。

そういう文脈で見た時、現在のコンピューターのような装置が必要になります。

では、コンピューターはどのように発展してきたのでしょうか?

コンピュータのはじまりを探る

computerの語源であるcomputeはラテン語で「計算する」という意味だそうです。

そこから英語のComputerは「計算する人」を表すようになったようです。

ドリームという映画があります。

NASA の有人宇宙飛行計画であるマーキュリー計画の時代のお話です。

この中に計算手という職種が出てきます。

当時はロケットに必要なあらゆる数値計算を人の手で行っていました。

大量の計算を人の手で行うのはその速度に限界があります。

ロケットを精密に制御するためには、高速に、正確に数値計算できる機械が必要でした。

そのために発展してきたのがコンピューターだったわけですね。

今でも電子計算機なんて言葉が残っているくらいです。

このような数値計算を行う自動機械で現在のコンピューターの原型となる概念を含んだシステムは、 19 世紀の半ばにイギリス人の数学者、チャールズ・バベッジが設計した解析機関というものが最初ではないかと言われています。

設計はされたものの、実際に完成することはなかったこの機械は、当時の先端技術である蒸気機関によって動作するはずでした。

複雑な歯車の動作によって計算を行うのです。

簡単にイメージしやすいもので表現すると、オルゴールの超複雑版という感じでしょうか。

もちろんオルゴールには計算はできませんが、アイデアとして面白いものがあります。

ピンが配置されたドラムを取り替えると、別の曲が演奏できますよね。

オルゴール全体の仕組みは変えずに別の曲が演奏できるわけですね。

このドラムのピンをもっと複雑にしたものがプログラムやデータを表すもので、音の代わりに計算された数値をプリントするとしたら計算機ってことになりますよね?

「オルゴールが計算機」

「ちょっと何を言ってるかわからない」

という人もいると思いますが、このようなアイデアは後のコンピューターに結構大きな影響を与えています。

解析機関の入力となるのは、プログラムとデータに相当する 2 種類の穴あきカードでした。

穴の位置で情報を表すカードです。

このアイデアはすでに存在していた織物の自動機械で使われていたものです。

そして、初期の電子計算機も入力にはパンチカードとかテープが使われました。

計算の過程で必要となる値を一時的に記憶する部分も持っていました。

プログラムとデータを入力として、データを出力する部分にはプリンターを使うというアイデアは現在のコンピューターでも使われています。

解析機関は現在のコンピューターの祖先かどうかは議論が分かれていますが、蒸気機関で動くメカニカルな計算機械に今でもロマンを感じる人がいるようで、実際に作ってみるプロジェクトもあるようです。

動くところを見てみたいと思いませんか?

バベッジの解析機関に関連して、世界初のコンピュータープログラマーと呼ばれている人がいます。

数学者の伯爵夫人です。

次回はその話をしてみたいと思います。

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おわりに

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今日もワクワクする日でありますように。

千葉直樹でした。

ではまた。

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