🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2019/9/2～8］

2019年9月8日 20:50

ニュースまとめも回数を重ねる毎にボリュームが増してきていますが、それだけ各社の動きが活発になってきているのと、メディアにも取り上げられやすくなっているということで、本週は特にテレ東の記事がおススメです。

🍳定額制テイクアウトアプリ「POTLUCK」が、サービス開始から1周年。提供エリアを、六本木・赤坂へ拡大。

定額制テイクアウトアプリ「POTLUCK（ポットラック）」が、2019年9月3日(火)でサービス開始から1周年を迎える。それに合わせて、本日から提供エリアを拡大。これまでの「渋谷、恵比寿、表参道、代官山、中目黒」に加え、「六本木・赤坂」にて、約20店舗でサービス提供を開始。

まだ一周年なんですね。サービスを体感したいのですが、職場がエリア外のためまだ体験できてませんが、着実にエリアが拡大していっていますので、いつか三田・田町あたりまで拡大していくことを期待しています。
POTLUCKの良さは、料理や料金体系等いろいろあると思いますが、なんといってもあのパッケージですね。アメリカ映画でビジネスマンが食べているあのパッケージに憧れています（笑）
どうやら折り紙にインスパイアされて作られたらしいです。

🍳【モバイルオーダー】ドジャー・スタジアムも開始！選手プロデュース弁当で客単価増？

ドジャー・スタジアムがモバイルオーダー＆ペイを開始することを発表。オンデマンド・デリバリー＆ピックアップサービスのポストメイツと提携、ファンはレジ行列に並ばずビールやホットドッグを購入できるようになる。

スタジアム×キャッシュレスという文脈でいけば日本では楽天スタジアムが有名ですね。

スタジアム×デリバリーという文脈だと出前館がバスケのアリーナにデリバリーする施策を行っておりました。

スタジアムのような場所は一度腰を下ろすとなかなか買い物に席を立つのも面倒なので、店内のフードをキャッシュレスでというだけでなく、席まで運んでくれるようなサービスが早く主流になってほしいですね。

🍳市場規模9兆円、中国「出前市場」の6割を握る美団の勢い

中国のフードデリバリー市場において、Eコマースの巨人アリババは競合との戦いに苦戦、傘下の「ウーラマ（餓了麼、Ele.me）」は、この市場の主導権を握れていない。北京本拠の「美団点評(Meituan Dianping)」は市場規模840億ドル（約8.9兆円）の中国フードデリバリー市場で、65％のシェアを握り、2位のウーラマ（27.4％）を大きく引き離した。

ウーラマが百度外売を買収した2017年頃はシェア１位だったものの、数年で逆転されここまで差がついてしまったんですね。レストランデリバリーは何といっても①フードの種類と②即配がKFSなのですが、記事にもあるとおり美団は独占契約を結びながら提携レストラン数を伸ばしてきており、また、大量の配送データから配送ルートの効率化をすることで即配に繋げております。当初はクーポンばら撒き合戦で市場を広げていきましたが、ここにきて地道に本質的なサービス強化を続けてきた方に軍配が上がってきたということでしょうか。

🍳中国のハイテクAI食品配達アプリも、重慶の「独自の地形」には敵わない

重慶では戸惑うような道路と住所システムのため、アプリによるルートの推奨はあまり役に立たず、食品配達宅配業者独自の地形知識に依存している。

記事では１時間や２時間かけてようやく到着したという配達者の声も載っておりますが、どうやら丘陵地帯に作られた都市という特殊な地形が原因のようです。山の影響を受けてGPSの位置誤差が大きくなったり、縦の位置も考慮してルーティングするようアプリ自体のマッピングの改善に取り組んでいるとのことですが、それだけでなく、エレベーターの無い24階建ての建物や段差のため途中から歩いて配達に行く必要がある場所等、デリバリーの需要はとてもあるものの、特に配達に関しての罰則が大きい中国では非常に厳しいデリバリー環境であるということですね。

🍳中国の配達合戦　ラスト10メートルの攻防　フードデリバリーボックスも登場

中国の物流業界では徐々に無人化が進んでおり、デジタルの浸透によりオンラインでモノを買う人の割合は年々増え続けている。そんな中、「より速くより安く」を実現するために、配送事情も進化し続けている。

中国では物流における上流から下流まであらゆる無人化への挑戦がされていますが、特に興味を引いたのはデリバリーの受け取りBOXですね。記事にもありますが、そもそも手渡しされることがデリバリーのメリットではあるものの、オフィスや学校等"一対多"のような場合では、手渡しに時間がかかったり、食事の時間が決まっているというような場所では効率的な気がします。

実は社内でfineDineSPOTというサービスの実証実験を行っております。これはfineDineというレストランデリバリーを使って平日毎日12時頃にまとまった個数のフードをデリバリーし、社内に設置した棚に保管しながら販売をするというもので、支払いもpaypayのみと簡略化されているものの、毎日社員がこぞって買っておりなかなか好評です。

つまりラスト0.1マイル（受け取り手がいる建物から受け取り手の手元まで）の埋め方は、タイミングや場所によってもそれぞれ最適解があるということですね。

🍳超人気ドリンク専門店の「喜茶 HEYTEA」無人化で大行列を解消

WeChatのミニプログラム「喜茶GO」を通じて注文や決済を行う「HEYTEA GO」初の接客なし・受取専用ロッカー付き店舗が深圳に誕生。オンラインで注文したドリンクの用意ができたら、顧客に通知が送られ、そのメッセージに従って受取専用ロッカーから客自身がドリンクをピックアップするという仕組み。

話題のチーズティーもロッカーで受け取る時代なんですね。すでにミニプログラム経由の注文は全体の35％～40％にまで増えているようで、利便性を究極に追及していくための第一ステップとして注文の部分をミニプログラムに、続いて第二ステップとして受け取りの部分をロッカーに、という風に進化していく過程ということですね。

🍳無人移動スーパーにロボットレストラン...世界のAI＆ロボット大特集：未来世紀ジパング

驚きの進化を見せる世界のAI（人口知能）やロボットを取り上げる。最先端のアメリカや中国で、すでに使われている最新技術を紹介し、テクノロジーの進歩がもたらす世界の近未来像を考える。

この回はとても面白く、テレビとしての映像力もさることながら、まだまだ知らないサービスも紹介されていました。
登場する企業・サービスはこちら↓

①全自動出前ロボット「kiwi（キウイ）」［アメリカ・サンフランシスコ］→市内20のレストランが登録しており、30分程度で到着（１日の最高配達件数555件）、2023年までに100万台の稼働を目指す。
②移動式スーパー「robomart（ロボマート）」［アメリカ］
→自動運転・商品に電子タグ。
③レジ無し店舗「ZIPPIN（ジッピン）」［アメリカ・サンフランシスコ］
→７台のカメラと100のセンサーで感知。
④自動運転・生体（静脈）認証バス［中国・天津市］
→静脈認証で乗車（静脈登録は社内でできる）、社内に設置された自販機で飲み物も買うことができる。
⑤ロボットレストラン「海底撈（ハイディラオ）」［中国・北京］
→タブレットで注文、キッチンから配膳までロボット化。（パナソニックとの共同開発）
⑥全自動片付けロボット「Preferred Networks（プリファードネットワークス）」
→トヨタのロボット技術を使って５年以内の実用化を目指す。
⑦朝食調理ロボット「ロレイン　コネクテッドロボティクス」
→インターンの学生チームが約30万の費用で開発。
⑧フェイク動画制作（シンセシア）［イギリス・ロンドン］
⑨AI視覚支援デバイス「オーカムマイアイ2」
→眼鏡装着デバイスで文字読み上げ・顔認識・色認識・ジェスチャー認識等。

自動運転、認証、ロボット、色々な分野でAIの技術が使われていますが、特に出前ロボットは各社実証実験をしており、取り上げられている「kiwi」というロボットは映像を見る限り想像以上に精度が良さそうです。
見逃した方は↓から視聴できますが、無料で視聴できるのは9月11日（水）22:53までなのでお見逃しなく！

🍳ホール作業はおまかせの配膳ロボ「Penny（ペニー）」開発元、Bear Roboticsが3,500万ドル調達へ

配膳ロボット「Penny」を開発・提供するロボティクス・スタートアップ「Bear Robotics」が複数の投資家らから3,580万ドルの資金調達を実施予定。現時点で既に1,020万ドルほどの調達を終えている模様で、近日中にも同ラウンドが終了する見通し。

同社の開発する配膳ロボットは、レストラン・カフェ・フードコート・大学・カジノ・病院・ケータリングなど、様々な場所で採用されている、ということですが、日本でもQ CAFEやCafé & Deli GGCo.等で実験を行っておりました。
上記のテレビ番組でも中国の海底撈（ハイディラオ）という火鍋屋の事例が出ておりますが、この分野もレストランテックという文脈で各国取り組んでいる印象です。
こういったニュースを見るたびに、私が以前行った中国のレストランにある配膳ロボットのクオリティに改めて驚かされます（笑）

🍳「Amazonより早い」南米の宅配アプリが「世界で大人気」のワケ

コロンビア人女性がカルタヘナ空港からカルタヘナ市内にUberで向かう道中、スマホの宅配アプリ「Rappi（ラッピ）」でアロエクリームを購入。宿泊する予定だった友人宅に配送先を指定。彼女は30分ほどで友人宅に到着するとなんと、すでにその友人宅にアロエクリームが到着していた。

またすごいサービスを知ってしまいました。コロンビアの都市でも２年前までは見かけなかったもののここ１年であっという間に普及し、今ではいたるところに「Rappi」の配達員を見かけるそう。公式サイトを見るとアルゼンチンやブラジル等複数の国で展開していますね。フードデリバリーだけでなく様々なサービスを展開しているとのことで、記事から読み取れたものを以下に記載いたします。

①レストランデリバリー
②ドラッグストア・スーパー等のリテール類（ドラッグストアは24時間宅配可能）（ドラッグストアは24時間宅配可能）
③家電の配達
④現金の配達［宅配員が顧客の代わりにATMで出金し、その現金を届ける「CajeroATM」という機能で最大で40万ペソ（約1万5000円）まで］
⑤出張脱毛サービス車の清掃、エアコンの修理などのサービス
⑥”お遣い”代行の「RappiFavor」（犬の散歩を頼んだり、銀行での公共料金の支払いを頼んだり、お店に行って商品を代行購入したり。）
⑦シェアリング電動キックボード「Grin」（システムそのものはメキシコの企業が開発）
⑧決済の「RappiPay」（クレジットカード、デビットカードでRappiにお金をチャージする。Rappi上での商品・サービスの決済にそのお金を使えるほか、Rappiを使用している人の間でお金を送ったり受け取ったりできる。）

そもそも宅配員が代わりにATMで出金して届けるなんてどんな仕組みになっているのかさっぱりわかりませんが（汗、サービスの種類がとても多く、美団やGrab、Go-jekのようにすでに生活アプリという地位を獲得しているようですね。また、コロンビアにはUberEatsもあるようですが、【レストラン数多い→配達員多い→即配→手数料を高めに設定→インセンティブとして顧客に還元→顧客が増える→レストラン数が増える→（以下ループ）】のような強者の原理がうまく働いているようです。今年の３月にソフトバンクが1,000億もの額を投資したということで国内外含めて非常に期待されているサービスですね。

🍳インドのSwiggyには、ほぼすべての物をデリバリーする新しいサービスがある

インド最大の食品配達スタートアップの1つであるSwiggyは、消費者や企業が洗濯物、忘れられた鍵、文書など、市内のあらゆるものを即座に配送できるサービス「Swiggy Go」を開始した。

もうどこもかしこも何でも配達ですね。一番即時性が必要なフードデリバリーから参入し、そこで物流網を確立→その他商品へ横展開という流れが鉄板なのですが、ここから難易度が上がります（通常と比べて安価ではないデリバリーをしてまで即時性を求める商品がどれだけあるのか？）。とはいえ、新興国であればあるほど、出稼ぎ等で人材は豊富＆配達手数料や人件費が安価なので、成功しやすいというのはありますね（買いに行ってもそんなに値段が変わらないので）。日本でもローソンがUberEatsと組んで実証実験を発表しましたが、どこまで成功するのかとても楽しみです。

🍳【スターバックス】、新業態は第三の場所（サードプレイス）がない！受け取りのみの店？

コーヒーチェーン大手のスターバックスは今秋、ニューヨーク・マンハッタンにピックアップをメインにした店をオープンする。スターバックス・ピックアップ・オンリーストアはビジネスマンなど忙しい顧客をターゲットにした業態となる。

２週前のまとめでも取り上げましたが、マックもロンドンで「マクドナルドトゥゴー」というテイクアウトサービスを立ち上げるので、昨今はチェーン店と言えどもエリアによって最適な店舗作り＝顧客体験価値の最大化が求められている、ということですね。

🍳3DプリントステーキのNovameatが新たな資金調達

肉市場で代替タンパクの開発を推進するスペインのスタートアップNovameat（ノバミート）が、大手フードテック投資会社のNew Crop Capitalから新しい資金を得て、その動きを加速する。

8月に実施されたSKSJ2019でも代替肉は１つのトレンドとして取り上げられていますが、その目的（食糧危機・健康志向）やアプローチ（植物性食品・培養）も様々です。

その中でもノバミートは一般的な挽き肉のようなものではなく、ビーフステーキ、鶏むね肉、魚の切り身といった、繊維質の肉の質感、外観、栄養、感覚特性を模倣するための、3Dプリントによる新しい基本技術を開発したということで、ついに一枚肉まで作ることができるとは昨今のフード技術の進歩には驚かされるばかりです。

🍳売上高で世界最大の10の食料品チェーン

電子商取引の洞察企業であるEdge by Ascentialは、食料品ビジネスに関する2019年7月のレポートの一部として、最近、純売上高で最大のチェーンをランク付け。ウォルマートは首位を勝ち取ったが、米国以外に拠点を置く複数の食料品会社もランキングに参入した。

日本からはイオンとセブンがランクインしておりますが、特にアメリカを拠点とするチェーンはオンラインで店内売上の5～10%程度売上を上げていることですね。今後はさらにオンライン/オフラインの境目（どちらの売上に付けるか）は曖昧になっていきますが、こういった数字を見るだけでも日本のリテール分野におけるデジタル化が遅れていることがわかります。

以上。

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