🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/6/8～14］

2020年6月15日 08:04

今週は買収のトップニュースが２つ！

🤩今週のトップニュース

🤩欧州のJust Eat Takeawayが米フードデリバリーのGrubhubを7800億円で買収、Uberは独禁法懸念で交渉打ち切り

今年の4月に規制当局より78億ドルの合併が許可されたばかりのヨーロッパ企業であるJust Eat Takeawayが、73億ドル（約7800億円）の評価額で米国のフードデリバリー企業のGrubhub（グラブハブ）を買収する合意に達したことを正式に発表した。

Uberが交渉に入っているというニュースが出たのが5月の中旬、そして6月初旬にはJust Eat TakeawayとDelivery Heroが名乗りを上げたニュースが出ましたが、ついにJust Eat Takeawayが買収という結末になりました。

こちらは４月までのシェア率で、各社コロナ影響により３，４月で大きく売上を伸ばしています。
まさにこの青色が今後Just Eat Takeawayになるということで、ブランド名はどうするのか、どんな展開をしていくのか、今後も注目です。

出典：https://secondmeasure.com/datapoints/food-delivery-services-grubhub-uber-eats-doordash-postmates/

当該ニュースが影響しているのかは不明ですが、少なくともコロナ影響による追い風によって、DoorDashやInstacartがそれぞれ資金調達を行っています。

まだまだ米国における群雄割拠の状態は続きそうですね。

🤩ダスキン、宅配ピザ「ナポリの窯」の事業買収

「ミスタードーナツ」を展開するダスキンは、いちごホールディングスなどから宅配ピザ事業を買収すると発表。買収額は非公表。ダスキンは7月に宅配事業を手掛ける子会社を設立する予定。新型コロナウイルスの感染拡大でデリバリー需要が伸びていることなどから買収を決めた。事業の譲渡は11月1日を予定する。

買収ニュース２つ目で、個人的にはこちらのほうが驚きましたが、こちらの記事を見る限り、「もともとダスキンは2016年にストロベリーコーンズと業務提携し、ストロベリーコーンズの商品をミスタードーナツ13店舗で販売してきた。」ということで、以前から関りはあったみたいですね。
買収したデリバリーの知見をどう生かしていくのか。ドーナツもあるピザ屋・ピザもあるドーナツ屋というのも面白そうです。

📰プレスリリース

📰SARAHテイクアウト検索機能を強化！外部テイクアウトサービスと提携で全国で10,000越えのメニューが検索対象に

グルメコミュニティアプリ「SARAH（サラ）」を運営する株式会社SARAHは、アプリ内のテイクアウト検索強化を目的に外部のテイクアウトサービスとの提携を実施、その第一弾として株式会社DIRIGIOが提供するテイクアウトメニュー掲載数国内最大級モバイルオーダー＆ペイアプリ「Picks」と連携した。今回の提携により、SARAHアプリ内で10,000以上のテイクアウトメニューを検索できるようになった。

以前のnoteで紹介しましたが、Picksはヒトサラ（USEN Media）とも連携しています。
フードを探す（上流）→手に入れる（下流）でうまく連携されていますね。

📰お店の「いま」の混雑状況がわかるマップ「VACAN」関東エリアでの一般公開を開始

AI×IoTを活用してあらゆる空き情報を配信するスタートアップ、株式会社バカンは、お店のリアルタイムの空き・混雑がマップ上でわかるWebサービス「VACAN」の関東エリアでの一般公開を開始。関東、九州エリアに続き、今後関西エリア、北海道エリアと、全国での公開を予定。

QUIPPAを運営している会社ですね。
混雑状況を知る仕組みの１つに「カメラで取得した店内状況のデータから自動判定」というのが面白そうです。店員が逐次状況をボタンでタップするのは、飲食店のオペレーション上、なかなか定常化しなさそうですし…。

こちら⇓は夜8時頃の新宿あたりの様子。

「空きあり」をタップして店舗詳細へ。

🗾日本のニュース

🗾マックが「パーク＆ゴー」　モバイル注文し駐車場で受け取り

日本マクドナルドは、スマートフォンの専用アプリを使って来店前に注文と決済を完了する「モバイルオーダー」の取り組みを拡大し、車での来店者が専用駐車場に停車したまま商品を受け取る「パーク＆ゴー」を本格展開すると発表。すでに33都道府県約250店で利用可能で、年内300店の導入達成を目指す。

特にアメリカのマックではドライブスルー比率がかなり高いようですが、日本でも特に車社会の地方では昨今のコロナ影響もあり、活況なようです。

とはいえ、ドライブスルーならではの課題もあるようで、今回の「パーク＆ゴー」はその課題を解決するための施策になりそうです。

最大の課題は「混雑」でしょうか。少しtwitterを見るだけでも、混雑に関する多くのツイートを見ることができます。

今朝の朝マックツイートについて一応報告ですが、マック(ドライブスルー)激混みで食べれませんでした。
— 坂井亮介🎷~R.Sakai~ (@rs9315sax) June 14, 2020

こんな時間なのにマックのドライブスルー列できてて笑った( '-' )
最近常に列できてるな...マック...
— ぐーやん (@Gu_yan1341) June 14, 2020

あまりの混みように、ドライブスルーに並ぶよりかは、アプリで事前注文し、テイクアウトした方が早いというツイートも見かけます。

ドライブスルーという機能上、列を複数用意するのは難しいですし、慣れていないと手間取るということもありそうで、結果的に列が長くなってしまいます。

また、ドライブスルーならではの天候問題も。（注文に手間取れば手間取るほど車内が大変なことになりそう…。）

久しぶりの朝マックだぁぁ😆

雨が酷すぎて、ドライブスルーのマイクに喋ってるだけで運転席がびしょ濡れ。。💦笑

私は朝マックドリンクは断然ミルク派です❤ pic.twitter.com/3ge1wXGNI3
— いちごみるく (@15369_sougo1328) June 13, 2020

ということで、このようなドライブスルーにおける課題を解決するための施策として、（店員のオペレーションが煩雑になってしまいますが）ウォルマートが先行しているカーブサイド・ピックアップのようなイメージで、なかなか期待できると思いますし、そもそもアメリカのマックではすでに導入されているみたいです。

ちなみにドライブスルーって車じゃないとダメなんですね。（バイクや自転車でもNGというツイートがありました。）

🗾ドミノ・ピザ／全商品「お持ち帰り半額」開始、単身者の利用促進

ドミノ・ピザジャパンは、持ち帰りなら何枚でも、どのピザでも全て半額となる新サービス「お持ち帰り半額」を開始。1枚でも持ち帰りを半額とすることで、単身者の普段食としてのピザの利用を促進する施策。2012年から業界に先行して導入・展開していた「お持ち帰り2枚目無料」は終了する。

５月中旬より最低注文金額を撤廃と同様に、さらなる「日常化」を目指した結果の施策ですね。
一人前メニューのピザサンド（450～650円）も半額になるのは、ランチには強い味方になりそうです。

ここまで徹底的に利便性やお得感の部分で日常化を図ってきましたが、あとはどう商品の部分で日常化を図れるよう単体ブランドの壁を突破できるか、だと思います。

🗾虎ノ門ヒルズの虎ノ門横丁、LINE活用のモバイルオーダー・順番待ちシステムを導入へ

虎ノ門ヒルズビジネスタワーにオープンする「虎ノ門横丁」において、ブレイブテクノロジーとセイコーソリューションズの共同開発による、LINEを利用した順番待ち・注文・決済・呼出通知ができるサービスが導入される。

特に専用アプリが不要というのが使いやすそうです。
さらにテイクアウトのオーダーまでできちゃうということで、今後のフードモール型サービスでは是非導入してもらいたいサービスだと思います。

また、こちらは虎ノ門横丁の公式サイトですが、持ち帰りはもとより、「角打ち」「はしごカウンター」「寄合席」等、イートインをの派生形として体験に軸足をシフトさせた食の多様な楽しみ方を提案しています。

これは行ってみたい。

🗾味の素、料理でつながるSNS「アラターブル」公開　在宅ニーズに対応

味の素は、料理写真を通じてユーザー同士がつながるSNSアプリ「アラターブル」のβ版をApp Storeで公開した。作った料理の写真を投稿したり、他のユーザーが投稿した料理写真に「LIKE」を押したりして楽しめる。ユーザー2人が互いの投稿にLIKEを押すとマッチングが行われ、相手とチャットできるようになる仕組み。

私はiPhoneを使っていないので試すことができませんが、料理特化のSNSというのも面白そうですね。
インスタやtwitterの料理アカからの誘導をどれだけ図れるかですが、「正式版ではAIを活用したレコメンド機能を追加するほか、オンライン／オフラインを問わずユーザー同士で交流できる場を提供する予定。」このあたりの機能が差別化ポイントになってきそうです。

🗾ライブコマースプラットフォーム「ONPAMALL」に株式会社オージーフーズ直営店舗「DELISH　MARCHE」をオープン

株式会社オージーフーズは、ライブコマースプラットフォーム「ONPAMALL」に、直営店舗「DELISH MARCHE」をオープン。食品専門の通信販売に特化してきた実績を活かしながら、全国及び世界の美味しい食品を順次紹介していく。

前回のnoteでクックパッドのライブコマースを紹介しましたが、売り方というか販促の仕方の１つとして、フードの分野においてもライブコマースの流れはどんどん来ると思います。

以前、6curryのインスタライブ配信でレトルトカレーを紹介していた際、やはりその場の雰囲気や参加者のポジティブなコメントの力もあって、購入意欲は非常に醸成されやすい、という印象があります。（思わず買っちゃいましたし。）

🗾モンテローザ、テイクアウト利用で「ZOOM」2時間使用権、「オンライン飲み会プラン」キャンペーン、鶏のジョージ・豊後高田どり酒場などで開催

モンテローザは、同社が展開する居酒屋の対象店舗で、テイクアウト商品を合計で税込2,000円以上購入した人を対象に、オンラインミーティングアプリ「ZOOM」のミーティングを使用する権利(2時間分)を提供する「オンライン飲み会プラン」キャンペーンを実施する。

こちらはあくまでもキャンペーンですが、zoomの使用権をプレゼントという内容が面白かったので取り上げてみました。
（zoomの規約的に大丈夫なのか不安はありますが）フードのテイクアウトのみならず、その後の体験の場までを提供していく方法は（オンライン/オフライン問わず）今後増えていきそうです。

🌎海外のニュース

🌎アリババ傘下フードデリバリープラットフォーム、大手薬局チェーンと提携　24時間快速で薬の配送サービスも

アリババ系列のフードデリバリーサービス「餓了麼（Ele.me）」と、薬局チェーンの「国大薬房（GuoDa Drugstore）」が、戦略的パートナーシップの締結を発表。国大薬房が中国全土で展開する5000店舗が、餓了麼を通じて薬品をオンラインで販売する。

やはりオンデマンドで今すぐに欲しいものというのは、フードの次は日用品、そして薬ですね。

🌎米スタバ、持ち帰り・デリバリーへのシフト加速　「コロナ後」見据え

米スターバックスはテイクアウトやデリバリーに対応した店舗を増やす。新型コロナウイルスのパンデミックによる小売り環境の変化を受けて、手軽さによってデジタルな顧客体験を高める方向へのシフトを加速させる。

具体的には、「ドライブスルー、アプリで注文した商品を車に乗ったまま受け取れるカーブサイド・ピックアップ、デリバリーに対応した店を増やす。」とのこと。

「第3四半期の売上高が最大32億ドル（約3400億円）減り、米国とカナダの合計で最大400店を閉鎖か改装、もしくは移転することになる。」という最中でも、積極的に次世代型に移行させるスピードはすごいですね。

以上。

============================
この記事があるマガジンはこちら（毎週更新）

============================
こちらも是非。
様々な体験をまとめたマガジンはこちら
 販促考察のマガジンはこちら
 雑記のマガジンはこちら

============================
twitterはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？