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操作や作業をする人が迷子にならないマニュアルづくり

最近、めちゃくちゃマニュアル作成に関わっています。
ご支援先の業務フローやマニュアルと、弊社クラウド人事評価のクラウド・シップのマニュアル、人事評価制度の運用マニュアル・・・などです。

結構、マニュアル作成とか標準化は得意な方だと自分では思っています。
マニュアルのポイントは、正しいことはさることながら、「見ている途中にオペレーションにあたる人が迷子にならない」というのが一番大事だと思っています。
各マニュアルを作る前に「迷子にならない」全体の見せ方を描くことが重要で、個人的にはこれが固まれば7割~8割くらいは終わった感じになります。

なので・・・マニュアルを作り始めた途端、作業感が半端なく、もう途中から飽きてきます。いろんなレポートの作成時もそうですが、全体像とゴール、そして最も伝えたい事が描けたら、もう8割で来た気になり、文章や作図の挿入など作業が面倒になっちゃいます。得意ですが、向いてないのかな?

今回はここ1ヶ月くらいで取り組んだマニュアルから、皆さんにも参考になればと思い見る人が迷子にならないマニュアルづくりのコツをお伝えいたします。

1.開始から終了まで、全体のイメージを持たせる

マニュアルは非常に味気なく、同じようなテイストの文書や図が続くので、作る方も見る/読む方も大変です。
本のように全部読むものではなく、必要な時に、必要な箇所を都度、読むのがマニュアルなので、

 ① 全体像のなかで
 ② 現在地を特定し
 ③ 見るべきポイント

短時間で理解できることが重要かなと思っています。

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例えば、操作メニュー名に合わせた全体の手順フローを表示し、次に対応する目次ページを表示するなど。どの操作で止まっているから、何ページを見ればよいと、アタリをつけやすくなります。

補足:スライド選びも大事

システムや機材など操作系のマニュアルは、パワーポイントで1つの操作に数枚で、スライドの中に写真や画面のキャプチャーを多用すると思います。その際は、どのようなスライドのフォーマットを使うかも大事です。

私の場合、見て頂いて分かるようにタイトルの下に赤いバー、欄外も設けられるよう下部にもバーがあるスライドをよく使います。

次の「2.共通言語化する」の画面キャプチャーのように、本来はタイトル欄ですが、全体フローを示し、説明している箇所をブルー、対象外のフローはグレーと、当該マニュアル箇所を際立たせ、欄外のバーの下に操作上の注意点や、用語説明などを配置できるので、上下にバーがあるスライドを結構、使いまわします。

2.共通言語化する

次に、マニュアルは専門用語が多くなりがちで、用語がわからなくなると、途中でマニュアル迷子になりやすくなります。

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最初にマニュアルの見方や、よく使う用語の共通認識を作ることを心がけています。

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普段使いなれない用語や、専門用語は欄外で説明すると、分かりやすいです。また用語集を挿入するのも一つです。

あと、業務フローであれば、よくシステム会社さんやISO導入企業が使う、ネットワーク図は使いません。見る方々が知らないケースが多く、業務フローやマニュアル自体、頻繁に見るものではないので、覚えられないというケースが多いからです。

フロー上の作業項目1つひとつを、横は10文字以内、縦は2~3行の枠内に、「ですます」を書かず、体言止めのシンプルな表現の付箋を貼っていくイメージでフローを作るようにしています。最上部に関係者を表示することで、主語も省けるので、簡素化できます。

タイムラインを入れることで、時間差が生じている箇所が見える化され、そんなに手間や時間が必要か?そんなに承認段階が必要か?などの議論が進みやすくなります。

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業務フローの大事なポイントは、正しく理解することに加え、業務の当事者たちが自分たちで問題と原因に気づき、改善意識が芽生えることだと思います。

もう一つ大事なことは、マニュアルに落とすときに、業務の目的を明確にすることです。マニュアルは手続きを標準化することに加え、仕事の目的を正しく伝える絶好のチャンスであるとも考えます。

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あるマニュアルの一部ですが、目的が明確になると、担当者に漫然と作業をさせるのではなく、上記の場合、間違いがない事、当日中にやる事と、目的意識をもって日常の仕事にも取り組んでもらうことができると思います。
また、指導に慣れていない新任の役職者も、これを活用することで、明確に部下に伝えることができるのもメリットです。
指導者の性格による、指導のバラツキを少なくすることも重要です。

3.(フロー×関係者)をシンプルに伝えるコツ

操作がシステム等のメニューに従って、担当者の判断で進められるものは、キャプチャーのようにフローで現在地を知ってもらえればシンプルです。

厄介なのは、担当者だけではなくその他の関係者が絡んでくると、一気に複雑かつ、同じような画面ばかりが並び、説明が困難になります。

そんな時は、横軸にフローを、縦軸に関係者を簡素化した図にして、常に表示しておくのも一つです。
例えば、クラウド上の人事評価で、個人の目標を設定をするのに、社員が設定して、評価者が承認や差し戻す場合を例にとると、こんな感じです。

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縦軸の関係者同士の繋がりを、各作業に関わる人だけアイコンやフローの矢印を色付けして際立たせ、マニュアルを見る立ち位置(現在地)と立場(関係性)によって、集中して見てもらうようにすると、マニュアル=面倒というイメージを払拭できるのではないでしょうか?

4.パーツを共通化する

マニュアルはテイストを合わせることで、作る側の効率と、見る側の分かりやすさに繋がると思っています。
なので図のように、スライドを作成する際には、共通パーツを欄外に貼り付け、常に同じテイストを保てるように工夫しています。
(パワポの挿入メニューに登録とか、いいやり方、知らないだけかも)

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いかがでしょうか?参考になると幸いです。

5.【ちょいネタ】没頭する環境づくり

職場でマニュアルづくりに集中するために、イヤフォンをつけて没頭することもありますが、ある同僚からバロックは音楽の起伏が少なく、楽器もチェンバロやフルートなど比較的耳に心地が良いと聞き、それをAmazon Prime musicで検索して使っていました。

ただ、同時に眠たくなる!

J-POPだと歌詞が気になる、ドラムやベースが気になる…洋楽は歌詞は気にならないが、そもそもあまり洋楽は聞いてこなかったので、どのアーティストを再生すればよいやら・・・

行きついたのは「70年代 歌謡曲」「80年代 歌謡曲」!

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幼き頃に親が聞いていたり、10代のころに何となく耳にした曲たち。なんで資料作りに没頭できたのか、自分なりに分析してみました。

そこまで思い入れがないので歌詞が頭に入ってきづらく気にならない!
70年代の歌謡曲はジャカジャカうるさくなく、ゆったりとしており、意外と80年代の電子音は耳障りがいい!
徳永英明のカバーソングは、声や曲調に起伏が少ないため(ファンの方いたらすみません。ディスってはいないです)、静かで聞きやすかったですね。

個人的な感想なので、合わない方もいるかも知れませんが、作業曲に悩んでいる方、試してみてはいかがでしょうか?


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