NBAレポーター

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NBA得点減少化現象についてのまとめ

3月1日ごろの話になりますが、NBAメディア界隈でオールスター休暇後に得点が全体的に下がっていて何かおかしいという話が出てきました。その後、3/8~12にかけてニックスが対戦相手を3試合連続で80点ゲームに抑えてから、審判が笛を吹かなくなってきていると言われ始めました。 それまではリーグ全体で史上最高のオフェンスのパフォーマンスを見せていて、去年リーグ史上最高オフェンスだったキングスの118.6よりもオフェンシブ・レイティングが高いチームは6つもありました(セルティクス、ペ

    • セルティクスのマズーラボール

      今シーズンのザ・アソーシエーションはセルティクス抜きには語れません。セルティクスはすでに57勝14敗と2位のナゲッツに7ゲームをつけてザ・アソーシエーション独走中で、早くもプレーオフ進出を決めています。(*以下の数字すべて3月上旬時点) そのネット・レイティングは11.9と2016-17シーズンのウォリアーズの11.4を上回り、プラスマイナスもダイナスティーを築いた1996-97シーズンのブルズの10.8、2016-17シーズンのウォリアーズの11.6をも超えるか同等の圧倒

      • クリッパーズのリブランディング

        LA・クリッパーズがシーズン中にリブランディングを発表しました。リブランディングは通常シーズン終了後にドラフトなどのタイミングに合わせて発表されるものなので、このタイミングでの発表は異例のことです。なぜシーズン終了まで待たなかったかと言うと、来シーズンからクリッパーズの新たなホームになるインテュイット・ドームが公開されつつあり、そこで新しいロゴなどが公になってしまう可能性があったためだそうです。リーク的に知られてしまう前に発表すべきという判断だったのでしょう。 最近のNBA

        • ウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブが語るトレード・デッドライン、タックス、スティーヴ・カーとの契約延長交渉など

          ゴールデンステート・ウォリアーズは現在27勝26敗でウェスタン・カンファレンスの10位。ジャズがスターターやロールプレーヤーをトレードしたため、プレーイン進出争いが少し楽になってきています。しかし、ウォリアーズはただの普通なチームではありません。サラリーはリーグ最高の$204.9Mで、予想されるタックスはNBA史上最高額の$172.8M以上になる見込みの超高級チームです。このレベルの金のかけ方なら優勝争いをしなくてはいけませんが、サラリー+タックスで377.7Mのチームがプレ

        NBA得点減少化現象についてのまとめ

          2023-24シーズンのトレード・デッドラインを振り返って

          今年のトレード・デッドラインはもの静かで、ケヴィン・デュラントやラッセル・ウェストブルック等のブロックバスターがあった去年と比べたらもの足りないと感じたかもしれません。それもそのはずで、今年はオールスター級の選手のトレードはなく、大きなトレードと言えば、サラリーが$20M以上のトレードがふたつあっただけでした(ゴードン・ヘイワードとボーヤン・ボグダノヴィッチのトレード)。1巡目指名権のトレードも去年の7つから4つに減り、トレードされた2巡目指名権は去年の36から20にまで5割

          2023-24シーズンのトレード・デッドラインを振り返って

          テリー・ロジアーのトレードについて

          オフシーズンからブラッドリー・ビールやデミアン・リラードのトップレベルのガードたちからの移籍希望先になっていたマイアミ・ヒートがテリー・ロジアーをトレードしました。ビールやリラードのネームバリューと比べると見劣りますが、オフェンスEPMではトレード市場に出されているデジョンテ・マレーやザック・ラヴィーン、タイラー・ヒーロー、ビールよりも良い数字(+2.0)を出しているので、それほど悪くないように見えます。 しかし、キャップシートを見てみると、このトレードのポイントはヒートと

          テリー・ロジアーのトレードについて

          バックスのヘッドコーチ交代:エイドリアン・グリフィンからドック・リヴァースへ

          優勝候補チームのシーズン中でのヘッドコーチ解雇は珍しいため、我がNBAレポーターもこれを取り上げない訳にはいきません。そんおチームの勝率がでリーグ2位タイであれば尚更です!しかもルーキー・ヘッドコーチで43試合目の出来事です。この異例づくしの解雇の裏でバックスにいったい何が起きていたのでしょうか。 その前にこの解雇がどれだけ珍しいかの数字を調べてみたのでご覧ください。 ・過去の解雇時のチームの勝率トップ3 1位は2015-16シーズンのキャヴァリアーズ/デヴィット・ブラ

          バックスのヘッドコーチ交代:エイドリアン・グリフィンからドック・リヴァースへ

          パスカル・シアカムのトレードまとめ

          トレード・デッドラインまで20日もある中、シアカムのトレードが成立しました。トレード直後は指名権含めてかなりの情報が錯綜し、なかなか全体像を把握できなかったと思いますが、次第に情報も出揃って落ち着いてきたので一度まとめてみたいと思います。 このシアカムのペイサーズへのトレードは2段階に分かれています。 PART 1. ペイサーズとペリカンズのトレードラプターズとペイサーズのトレードの前に、ペイサーズとペリカンズのトレードがありました。これはラプターズに送るサラリーマッチ要

          パスカル・シアカムのトレードまとめ

          NBAのトレンド:オフェンシブ・リバウンド

          前回のNBAトレンド紹介では、ミドルレンジの契約延長というチームづくりのトレンドを取り上げましたが、今回はプレースタイルの新たなトレンドを紹介したいと思います。 私が聞いている今シーズンのトレンドは以下のようなものがあります。 ビッグ同士のPnRの増加 スリップの増加 ガードのスクリーン増加 アクションがリムから遠くなっている オフェンスの速さ 2-for-1を狙いに行く頻度の減少 OTのラインアップをレギュレーションのクロージング・ラインアップから変更する

          NBAのトレンド:オフェンシブ・リバウンド

          ニックスとラプターズのトレードについて

          12/30に訴訟でもめているニックスとラプターズがO.G.・アヌノビーを中心としたトレードをしました。しかも、トレード・デッドラインまであと6週間近くもあり、ラプターズは引き手数多であるはずのOG・アヌノビーのトレード交渉でまだまだ良いアセットを引き出せる可能性がありました。なぜこのタイミングでトレードが成立したのでしょうか。詳しく見ていきたいと思います。 トレード内容: ニックス獲得: OG・アヌノビー($18.6M) プレシャス・アチウワ($4.3M) マラカイ

          ニックスとラプターズのトレードについて

          ドレイモンド・グリーンの無期限出場停止処分について

          グリーンが12/12(米時間)のサンズ戦で、ナーキッチに振り向き様に払いのけるフリをしたパンチをくらわせてNBAから無期限出場停止処分を受けました。そのおよそ1ヶ月前の11/15にウルブスのルーディー・ゴベアーにチョークホールドをキメて5試合の出場停止処分を受けたばかりでしたが、今回もナーキッチへのパンチに対しては意図的ではないとして謝罪はしましたが、「私は自分が完全に360°回転してパンチを正確に当てられる程のパンチャーだとは思わない。それは不運だった。私はファウルを取ろう

          ドレイモンド・グリーンの無期限出場停止処分について

          CBAほぼ完全ガイド

          NBAとNBPAが新CBAにサインしたのがフリーエージェンシーの3日前の6/28でした。内容が676ページと膨大なので、各チームともフリーエージェンシーに向けて時間のない中でリーグオフィスに確認したりと大変だっと思います。 今回はその新CBAの重要な変更ポイントをNBAがメディア用にリリースした9ページの簡易バージョン(NBA Collective Bargaining Agreement – Key Deal Points)をベースにしてまとめました。「キャップの父」と呼

          CBAほぼ完全ガイド

          記事「ジャ・モラントの18ヶ月間の転落」まとめ

          ESPNのバクスター・ホームズがインスタで銃のようなものを振り回して25試合出場停止処分を受けたジャ・モラントの素行を追った記事を出しました。これまでワシントンポストやニューヨークポストのモラントの一連の暴行事件容疑や銃を記事を取り上げて来た弊サイトとしても、これを見逃すわけにはいきません。モラント復帰直前に暗い話で申し訳ありませんが、興味のある方はご覧ください。 チームソースは「彼は最初のオールスターゲームに行った。そしてそれから強欲が彼を支配した」と言った。 グリズリ

          記事「ジャ・モラントの18ヶ月間の転落」まとめ

          ジャ・モラントの法廷証言

          メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントが、自宅でのピックアップゲームで当時高校生だった少年を殴った事件の裁判で証言に立ち、事件について話しました。モラントが公に事件について話すのは初めてになります。 まず公聴会について。公聴会は月曜から水曜にかけて行われ、モラントと一緒にモラントの父のティーも証言しました。親友のデヴォンテ・パックも火曜に証言する予定だそうです(この記事を書いている月曜の時点で)。 これまでモラントの弁護士は、モラントが原告である当時10代だったジョシュ

          ジャ・モラントの法廷証言

          ジェームズ・ハーデンのインタビュー:ダリル・モリーからのマックスオファーやロケッツへの復帰への噂等

          ジェームズ・ハーデンが、The Athleticのサム・エイミックのインタビューで、ダリル・モリーからのマックスオファーや、ロケッツへの復帰への噂について話しました。以下そのインタビューの内容です。 エイミック:このクリッパーズのグループでの全体的なこれまでの考えはなんだ?何が好きで、何が嫌いだ?バイブ(雰囲気)はどんな感じだ? ハーデン:全体的に言うのはむずかしいが、私にとって勝つ事、家族のまわりにいれる事、バスケットボール的に成し遂げたいゴールをまだ追いかける機会を持

          ジェームズ・ハーデンのインタビュー:ダリル・モリーからのマックスオファーやロケッツへの復帰への噂等

          NBAのトレンド:契約延長

          シーズン開幕前の話になりますが、これからのNBAに影響が出そうなさまざまな契約延長が出てきました。今回はこれらの契約延長について解説していきます。 ルーキースケール契約延長 NBAシーズン開幕の前日に、これからのNBAのトレンドになりそうな事が起こりました。それは「ミドルクラス」のルーキースケール契約延長です。 これまでルーキースケール契約延長は、アンソニー・エドワーズやラメロ・ボールのような明らかにスターになれる可能性がある選手や、去年のジョーダン・プールやタイラー・

          NBAのトレンド:契約延長