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  • ウルブスの買収記事

    ウルブスの買収に関する記事をまとめました。今回の『ウルブス売却中止まとめ』記事の前日譚のような位置付けになります。 ・A-Rodのウルブス買収はうまくいくか? ・ 続・ウルブスの買収はうまく行くか?

最近の記事

エプロン時代の幕開け:そのフリーエージェンシーの影響やそれから見えてくるもの

オリンピックというかなり濃厚なイベントがあったためか、いろいろあったこの夏のNBAフリーエージェンシーの記憶が薄れてきました。完全に忘れてしまう前に、この辺りで今年のフリーエージェンシーを振り返ってみたいと思います。そこから今シーズンのリーグやチームの方向性も見えてくるかもしれません。 セカンドエプロンの影響まずはこの夏から本格的に導入されたセカンドエプロンについて見ていきましょう。その影響はどのようなものだったのでしょうか。 セカンドエプロンの復習 セカンドエプロンは

    • なぜトンプソンは自ら築き上げたダイナスティーを後にしたのか

      まさかクレイ・トンプソンが自ら移籍を望むとは思っていませんでした。 シーズンが終わってからウォリアーズとクレイ・トンプソンの交渉がうまく進んでいないというレポートは出ていましたが、心のどこかで勝手にウォリアーズとトンプソンは両者が納得できるような落とし所を見つけると勘ぐってしまっていました。 というのも、タックスを回避したがってたウォリアーズがトンプソンに払えるサラリーはトンプソンの希望金額には届かない$18Mくらいでしたが、彼らはダイナスティーの立役者の主要メンバーのひ

      • クリッパーズとポール・ジョージの契約交渉から見えてくるクリッパーズの狙いについて

        5年前の衝撃的なトレードでクリッパーズに移籍したポール・ジョージが、カワイ・レナードとクリッパーズに別れを告げ、フィラデルフィア・セヴンティーシクサーズに加入する事になりました。クリッパーズは優勝を狙うためにジョージをキープすると見られていただけにかなりショッキングなニュースでした。 クリッパーズのオーナーのスティーヴ・バルマーは球団の新しい本拠地になるインテュイット・ドーム建設にかかる$2Bをプライベートでファイナンスした程の大富豪で、お金の心配はありません。しかも、指名

        • ミケル・ブリッジスのニックスへのトレードについて

          ネッツがミケル・ブリッジスをトレードしてに再建に舵を切りました。ケヴィン・デュラント時代が終わってからはじめての昨シーズンは32勝50敗とプレーイン争いをしていたチームだったので、このままプレーイン争いの沼にハマり続けるのか、または再建するかミケルを中心としたチームづくりをしてプレーオフを目指すのかのハッキリとした方向性が必要でした。しかし、肝心のミケルはナンバー1プレーヤーとしてはパっとせず、EMPは+1.2とリーグ50位以内(最低65試合出場/25分以上プレー)にも入りま

        エプロン時代の幕開け:そのフリーエージェンシーの影響やそれから見えてくるもの

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        • ウルブスの買収記事
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        記事

          NBAフリーエージェンシー:フライトリスク・ガイド

          2024 NBAのフリーエージェンシーでは、フリーエージェントの多くが所属していたチームと再契約すると見られていますが、中には彼らをキャップスペースがあるチームに取られてしまうリスクに直面しているチームもあります。そのフリーエージェントに出ていかれてしまえば補強するためにMLEなどのエクセプションしか使えなくなるため、その代わりを務められる選手を獲得するのができなくなり、戦力が落ちてしまいます。このようにフリーエージェンシーで選手に逃げられてしまうリスクの事をフライトリスクと

          NBAフリーエージェンシー:フライトリスク・ガイド

          2024 NBAドラフト:ロッタリー候補たちの評価まとめ

          NBAの未来を変えるかもしれないドラフトの日が近づいて来ています。今年のNBAドラフトは2回に分けて行われる事になっており、1巡目指名が6/26の夜8時(ET)、2巡目指名が6/27の夕方4時(ET)に予定されていて、6/27の夜にはバイデン大統領対トランプの公開討論番組という大イベントがあるので、ESPNが2巡目の放送を夕方に前倒したと言われています。 今年のドラフトで良く耳にするのは、未来のスター選手ではなく素晴らしいロールプレーヤーがたくさんいるという事です。そのため

          2024 NBAドラフト:ロッタリー候補たちの評価まとめ

          レイカーズのコーチング・サーチ:これまでのまとめ

          プレーオフのファーストラウンドでナゲッツに敗退した直後、選手たちはハムの戦術や起用法への疑問点などがありヘッドコーチへの信頼を失っていた等の記事が多く出て、ハム解雇のフラグがあがっていました。「ヘッドコーチがロッカールームを失った」的な記事が出るのはまちがいなく解雇路線です。予想通りレイカーズはハムを2シーズンで解雇しました。 しかし、問題はNBAで最大規模のマーケットとブランドを誇るレイカーズに相応しいコーチが市場に残っていない事です。ヘッドコーチの経験があるのは、マイク

          レイカーズのコーチング・サーチ:これまでのまとめ

          ブロニー・ジェームズの本当の評価はどうなのか?

          ドラフトが近づくにつれ、メディアでブロニー・ジェームズが取り上げられる事が多くなりました。良くても2巡目指名だと言われていた選手にしてはものすごい露出量です。さすがはレブロンの息子ですね。 これほどメディアに取り上げられると、ブロニーは実は凄い逸材なんじゃないかと思い始めてしまいますが、本当に指名されるような実力を持っているのでしょうか? 今回はそんなブロニー・ジェームズの評価をまとめてみました。なるべく客観的な判断をするために大手メディア所属の著名ドラフト専門家や識者た

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          選手の匿名投票:2023-24シーズン

          毎年恒例のThe Athleticの「選手の匿名投票」の結果が発表されました。この匿名投票では、リーグのほぼ1/3にあたる142人の選手が「MVP」や「最も過大評価されている選手」などの質問に答えていて、匿名なので選手たちの本音が結果に反映されたものとになっています。 とは言うものの、142人の全員が全ての答えに回答している訳ではありません。特に、「自分のコーチではなく現職のコーチの中でいちばんプレーしたくないコーチは誰だ?」という質問には毎年答えてくれない選手が多い傾向に

          選手の匿名投票:2023-24シーズン

          「ウルブス売却中止騒動」まとめ

          なんとアレックス・ロドリゲスとマーク・ロリーのウルブス買収が失敗になりそうです。 3/29に球団オーナーのグレン・テイラーが声明を出し、「ティンバーウルブスとリンクスはもう売りに出していない」と発表したのです。 テイラーは売却を中止にした理由に、ロドリゲスとロリーが買収期限の2024年3/27までに買収条件を満たさなかったことをあげています。 この数日前にはロドリゲスとロリーは買収金を確保してNBAに申請を出したとレポートがあり、買収に向けて順調に進んでいたように見えて

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          「ウルブス売却中止騒動」まとめ

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          NBA得点減少化現象についてのまとめ

          3月1日ごろの話になりますが、NBAメディア界隈でオールスター休暇後に得点が全体的に下がっていて何かおかしいという話が出てきました。その後、3/8~12にかけてニックスが対戦相手を3試合連続で80点ゲームに抑えてから、審判が笛を吹かなくなってきていると言われ始めました。 それまではリーグ全体で史上最高のオフェンスのパフォーマンスを見せていて、去年リーグ史上最高オフェンスだったキングスの118.6よりもオフェンシブ・レイティングが高いチームは6つもありました(セルティクス、ペ

          NBA得点減少化現象についてのまとめ

          セルティクスのマズーラボール

          今シーズンのザ・アソーシエーションはセルティクス抜きには語れません。セルティクスはすでに57勝14敗と2位のナゲッツに7ゲームをつけてザ・アソーシエーション独走中で、早くもプレーオフ進出を決めています。(*以下の数字すべて3月上旬時点) そのネット・レイティングは11.9と2016-17シーズンのウォリアーズの11.4を上回り、プラスマイナスもダイナスティーを築いた1996-97シーズンのブルズの10.8、2016-17シーズンのウォリアーズの11.6をも超えるか同等の圧倒

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          クリッパーズのリブランディング

          LA・クリッパーズがシーズン中にリブランディングを発表しました。リブランディングは通常シーズン終了後にドラフトなどのタイミングに合わせて発表されるものなので、このタイミングでの発表は異例のことです。なぜシーズン終了まで待たなかったかと言うと、来シーズンからクリッパーズの新たなホームになるインテュイット・ドームが公開されつつあり、そこで新しいロゴなどが公になってしまう可能性があったためだそうです。リーク的に知られてしまう前に発表すべきという判断だったのでしょう。 最近のNBA

          クリッパーズのリブランディング

          ウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブが語るトレード・デッドライン、タックス、スティーヴ・カーとの契約延長交渉など

          ゴールデンステート・ウォリアーズは現在27勝26敗でウェスタン・カンファレンスの10位。ジャズがスターターやロールプレーヤーをトレードしたため、プレーイン進出争いが少し楽になってきています。しかし、ウォリアーズはただの普通なチームではありません。サラリーはリーグ最高の$204.9Mで、予想されるタックスはNBA史上最高額の$172.8M以上になる見込みの超高級チームです。このレベルの金のかけ方なら優勝争いをしなくてはいけませんが、サラリー+タックスで377.7Mのチームがプレ

          ウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブが語るトレード・デッドライン、タックス、スティーヴ・カーとの契約延長交渉など

          2023-24シーズンのトレード・デッドラインを振り返って

          今年のトレード・デッドラインはもの静かで、ケヴィン・デュラントやラッセル・ウェストブルック等のブロックバスターがあった去年と比べたらもの足りないと感じたかもしれません。それもそのはずで、今年はオールスター級の選手のトレードはなく、大きなトレードと言えば、サラリーが$20M以上のトレードがふたつあっただけでした(ゴードン・ヘイワードとボーヤン・ボグダノヴィッチのトレード)。1巡目指名権のトレードも去年の7つから4つに減り、トレードされた2巡目指名権は去年の36から20にまで5割

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          テリー・ロジアーのトレードについて

          オフシーズンからブラッドリー・ビールやデミアン・リラードのトップレベルのガードたちからの移籍希望先になっていたマイアミ・ヒートがテリー・ロジアーをトレードしました。ビールやリラードのネームバリューと比べると見劣りますが、オフェンスEPMではトレード市場に出されているデジョンテ・マレーやザック・ラヴィーン、タイラー・ヒーロー、ビールよりも良い数字(+2.0)を出しているので、それほど悪くないように見えます。 しかし、キャップシートを見てみると、このトレードのポイントはヒートと

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