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ウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブが語るトレード・デッドライン、タックス、スティーヴ・カーとの契約延長交渉など

ゴールデンステート・ウォリアーズは現在27勝26敗でウェスタン・カンファレンスの10位。ジャズがスターターやロールプレーヤーをトレードしたため、プレーイン進出争いが少し楽になってきています。しかし、ウォリアーズはただの普通なチームではありません。サラリーはリーグ最高の$204.9Mで、予想されるタックスはNBA史上最高額の$172.8M以上になる見込みの超高級チームです。このレベルの金のかけ方なら優勝争いをしなくてはいけませんが、サラリー+タックスで377.7Mのチームがプレーオフに行けないという悪夢のシナリオも考えられます。

現在ESPNのBPI予想では、ウォリアーズはシーズンをウェスト8位で終え、プレーオフには59%の確率で進出できる予想が出ていますが(2/19時点)、ステフ・カリーがケガでもしたらその確率にも大きく減ってしまうでしょう。

オースルター前にカリーはインタビューでも、成績の観点からもチームは普通で、普通のチームはこのリーグでは何も成し遂げられない的な事を言っていましたが、トレード・デッドラインではコリー・ジョセフをサラリーダンプしただけに留まり、戦力強化には動きませんでした。

ところが、そんな切羽詰まっているウォリアーズがレブロン・ジェームズのトレードを模索していたとのレポートが入って来ました。しかもオーナー同士が話をしたという事です。レブロン級のプレーヤーのトレードをするなら、GM同士の話し合いでは物事が進まないと考えての事だと思いますが、ウォリアーズの本気度が伝わって来ます。

そんなウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブがThe Athleticのティム・カワカミのポッドキャストやESPNのバクスター・ホームズのインタビューでトレード・デッドラインやタックスについて話していたので紹介します。一体オーナーは微妙なポジションにいるチームをどう考えているのでしょうか。

レブロンのトレードについて

レイコブ:「あなたは私を知っているだろう。私たちのファンも私と私たちの事を知っていると願っている。私たちにはとてもアグレッシブなカルチャーがある。私たちは常にアグレッシブでいようとしている。それには大金がかかり、私たちは投資をするつもりがある。みんながその事を知っている。私たちはそれらを間違った時ではなく正しい時にやりたい。そして私たちはすべてを精査する。何年も前に私たちがケヴィン・デュラントを獲得した時、とてもアグレッシブに動いた。それを達成するためにロスターの半分を出したと思う。私たちはとても良いチームだったが、私たちはもっと良くなれると感じてそうしたんだ。私たちはNBAファイナルズに3回行った。3回すべてで勝つべきだったが2つ勝った」

「それらには転換点があり、時として選手が出されるかもしれない時がある。それを考えた事がなかったとしても、検討する必要がある。私のあなたへの質問の答えは、私はいつも、私たちはいつも全てを見ていると言う事だ。私はいつもマイク(GM)とカーク(息子)や全員に、検討の対象から外れないものは何もないと言っている。そんなものはない。だから私たちはすべての選択肢を考える。そのトレードが正しければ、タイミングが正しくて、普通は内部でのコンセンサスがあれば、それをやる事を検討しなければいけない。レポートに関してだが、私は特定の選手や何かについては何も言わない。私はただ、私たちはアグレッシブで、私たちはいつもすべてを見ていると言いたい」

「私たちはただ勝ちたいんだ。私たちはベストになりたくて、そこにたどり着くまでにあらゆる戦術を試す…私たちはここにただのチームになるためにいるのではない。私たちはそれはしない。私たちは失敗するかもしれない。みんなが失敗する。私たちも時々失敗するが、試す事なき失敗はない」

レブロンはオールスターゲームで、「私はレイカーでハッピーだ。この6年レイカーでいてとてもハッピーで、このままでいれたらいい。でも私にはそれがどれくらい長くなるのか、どのユニフォームを着る事になるのかの答えはない。それがレイカーズであればいい。素晴らしい球団で、とても多くの偉大な選手たちがいた。でもどうなるか様子を見てみよう」と言っていました。含みを持たせているのがレブロンらしいですね。

また、ESPNのブライアン・ウィンドホーストによると、レブロンはこの夏にレイカーズと今の契約よりも高い複数年の$100M単位の契約をしようとしているそうです。という事は、レブロンは来季の$51.4Mのプレーヤー・オプションを行使せずに、レイカーズと3年$160Mの契約か、2年$102.8Mの契約でサインする事になります。レブロンなら40歳を超えても活躍できそうなのと、レイカーズのオーナーのジニー・バスは自分のところのスター達にはハッピーでいて欲しいと思っているようなので、2年契約が現実的です。もしそれが1+1ならノートレード条項も付きます。

そうなるとサラリーマッチの観点からもウォリアーズがレブロンを獲得するのは限りなく不可能になります。

ただ、レブロンが他のチームに行くとハッキリと全否定していないので、レブロンとウォリアーズの話題はこれで終わりではなさそうです。パリ五輪については健康次第ではありますが、チームUSAにコミットする発言をしています。そうなると、ステフ・カリーとチームUSAのヘッドコーチを務めるスティーヴ・カーとも一緒になります。ドラフトでウォリアーズがレブロンの長男のブロニーを指名するかもしれません(現在ESPNのモックドラフトでは60位圏外)。トレードでレイカーズが3番目のスター獲得に失敗するかもしれません。どうなるのかがわからないのがNBAの面白いところでもあります。レブロンとウォリアーズの話題がまたあがってきても不思議ではありません。

トレード・デッドライン

レイコブ:「まずはじめに、私たちにとって後退は選択肢にはない。そうあるべきだと言う人もいるのはわかっているが、このような状況で大きな売り手になる事はないと思う。でも、私たちが来年より良くなるためにできる事があったのなら、そうする事もできていたかもしれない」

「しかし、私はチームは何かを見つけたと思っている。私はコーチングスタッフが何かを見つけたと思っている。私は自分が見ていることをとても高く評価している。この11試合や12試合で、私たち全員がそう思うべきだろう。ドレイモンドが復帰して全てを変えた。ドレイモンドがセンターで、アンドリューは調子をあげてきていて、もちろんJKもだ。それにステフとクレイ、またはステフとポジェムスキのラインアップは実際に良く見える。私たちはとても速く、素晴らしくボールを動かし、得点し、ディフェンスも良くなっている。それもトレード・デッドラインに影響を与えた」

ウォリアーズの補強も悩ましく、対ウルブスやナゲッツやレイカーズ戦に必要と言われているようなビッグをトレードで獲得したとしてもヘッドコーチのスティーヴ・カーが使ってくれるとは限りません。また、獲得した選手がチームの独特なシステムに合わずに全く使われない可能性もあります。使われるかわからない選手のために、指名権やまだ安くシステムに理解のあるモーゼス・ムーディーやベテランのケヴォン・ルーニーを出してしまうかと言ったら出さないでしょう。噂になっていたケリー・オリニクやアレックス・カルーソはチームのコンセプトにフィットしそうですが、10~15分の少ないプレー時間になりそうな上に、チームを優勝候補まで引き上げてくれる力はなさそうなので、相手の高い要求に応えなかったのだと思います。

また、パスカル・シアカムの噂が出ていたように、ウォリアーズはカリーの負担を減らす事ができる2番手のポイントゲッターも狙っていたと思います。ウォリアーズのフロントオフィスがレブロンの砂時計の投稿を見てレイカーズに連絡をした気持ちは理解できます。

タックスについて

「できる事にすごく大きな影響が出るため、このような帳簿を未来に持つ事はできない。私たちはすでにこの夏に良いポジションにつけられるところにいる。正直、このトレード・デッドラインでもその機会があった。私たちは最終的に$80Mを削れるトレードが本当にできた。もし財務的な動機があるのであれば、それは無視する事ができない程に大きなものだ。誰も$400Mを払って5割のチームでいたくはない。私もそうなりたくはないのは確かだ」

「私たちのプラン1、または1Aは、タックスから抜け出す事で、ただセカンド・エプロンを回避するだけではなく、私はそれをやる方法があると思っている。なぜそれが大事なのか言おう。なぜなら、私たちは次の4年で2年はタックスを回避する必要があるからだ。このリピーターをキャップから取り除くためだ。私たちはリピーターにはなりたくない。それはとても高額だ。もしやらなければいけなければ、やらないとは言わないが、それをやるマイナス面も見なければいけない」

「プラン1Bもある。1Bは、私たちはこれよりももっと進んで、大きな変更をする事もできるだろう。もしやらなければいけないとしたらだ。もしこのチームがシーズン終わりに下まで滑って良くやれていないなら、大きく変えて行くのはわかるだろう?でももし本当に良ければ、私たちは逆の方向に行くと決めるかもしれない。だから全ての選択肢はオープンで、私たちは柔軟に対応しなければいけない。絶対にロッタリーチームが目標ではないと言える。目標は競争力を持って勝つ事で、可能であれば優勝か優勝争いをする事だ」

優勝ができるロスターだと思うか

「わかっている。今年は全体的にそれほど良いプレーはしていない。スティーヴもそう言うだろう。私たちの選手もそう言うだろう。マイクもそう言うだろう。でも私は、ちょっと妄想的かもしれないが、このロスターと、選手たちとコーチング・スタッフたちは、これから進撃ができると信じている。トレード・デッドライン前にそれが魔法のように起きた。いくつかの事が起きたからだ。ドレイモンドの出場停止処分、彼が他の日に言っていたように、皮肉にも奇妙な形で長期的に私たちを良くしてくれた。なぜならJKの解き放たれてプレーできるようになった。彼はファンタスティックだ。彼はとてつもなく素晴らしい。彼はモンスターだ。もし彼がこのようにプレーし続けたら、私はそうなると思っているが、21歳で上手くなり続けたら、彼の未来には限界がない。それにこのラインアップでアンドリュー・ウィギンスが解き放たれたのを加える。私は彼がこのままのプレーをし続けるとは思っていない。そして私たちのふたりのルーキーも本当に素晴らしい。私はスカウト全員とマイクとカークとそのほかの人たちとケント(息子)を称えたい、私たちはこのドラフトを成功させた」

カーがクミンガを使わなかった事について

1/4のナゲッツ戦で、クミンガは19分の出場で16得点してにも関わらず、カーはクミンガを最後の18分ベンチに下げたままでした。試合は130対127で負けています。

試合後にレイコブが珍しくカーの記者会見を記者達の後ろで聞いていたそうです。カーの采配に疑問があったのでしょうか。もちろんクミンガはそれに不満だったようで、The Athleticのシャムズとアンソニー・スレイターは、クミンガはカーは自分のポテンシャルをフルに引き出してくれないと信じていて、カーへの信用を失ったとレポートしていました。

レイコブ:「多くの懸念があったのはわかっている。なぜJKはもっとプレーしないんだと、私たちのコーチングスタッフが彼を押させつけているのかと。私たちはそれら全ての議論ができる。でももっと大局的に見てみれば、彼は21歳だ。彼は大学でバスケットボールをしていない。歴史的に見ても選手が飛躍するかしないかは3年目で決まる…ルーキーの時にインパクトを出せるのはとても稀だ、特に良いチームでは」

「私はJKにとっては厳しい時間だったと思う。スティーヴは彼に厳しかったが、最終的に彼はもっと良い選手になるかもしれないし、長期的にスティーブがスマートに見えるようになるかもしれない。その可能性もあると言いたいだけだ。そうなる可能性があるのは確かだ。3年目だと思う。私は彼は飛躍し、私たちは彼を必要としていた。ただ正しい時に機会があった」

ドレイモンドとの約束について

レイコブは昨年の夏にドレイモンド・グリーンとの再契約(とそれに派生するタックス)を許可する前に、グリーンと人間的成長と若い選手をメンタリングするなどの口約束をしていたそうです。しかし、グリーンは12試合目にしてウルブスのルーディー・ゴベアーにチョークホールドして5試合の出場停止処分を受け、23試合目にはサンズのユスフ・ナーキッチの顔を殴って無期限出場停止処分を受けてしまいました。

レイコブ:「私はそれを言った。『私はあなたと大きな契約を結ぶから、あなたは私を失望させてはいけない』と。だからそれは全部本当だ。そして、そうだ、彼は私は失望させた。彼はたくさんの人を失望させた。彼はそれをわかっている…私は2回目の出場停止処分の原因になった事件の後、彼に電話をした。彼は私に折り返し電話してこなかった。私はそれ(グリーンが約束を破った事)について本当に怒っていた。あれ(グリーンが言っていた事)は本当だ。最近彼がその話をした時、私は彼のところに行って、『その通りだ。私は本当にあなたに怒っていた』と言った。私たちはそれについて笑った」

「私はドレイモンド・グリーンが大好きだ。今言っておく。彼が多くの事をしてきたのはわかっている。ファンも、もちろんリーグ中の人たちも、そしてリーグも間違いなく彼に怒り、失望するような理由がある。彼もまたそれをわかっている。でも結局のところ、彼は私にとって別の母親との兄弟のようなものなんだ。ただ彼を愛している。私はいつもそう感じている。彼には今の契約があるのでウォリアーとして引退するだろう。彼は私たちの選手だ。彼の事が好きではない人もいるかもしれない。彼は時として悪いヤツかもしれないが、彼は私たちの悪いヤツだ。彼はとてつもない勝者で、とても多くの方法でゲームにインパクトを与える。彼はバスケットボールの達人だ。彼は天才だ。彼は時々自分自身をコントロールできなくなることもある。彼が残りシーズンそれをコントロールしてくれる事を願う。彼もそれは分かっている。私はそれにもかかわらず彼を愛しているし、私は彼をサポートするだけだ」

プールを殴った後、ドレイモンドを動かす事を考えたか?

「私たちはすべてを検討する。彼を出すとかの考えが頭によぎらなかったとは言えない。でもそれほどではなかった。真実は、私全員が勝利に彼がどれだけ大切なのかを理解している。私たちは、彼のステフとの関係と、彼がステフと一緒にプレーする事に関して彼がどれだけ重要なのかを理解している。ちなみにステフは35歳で、これから36歳になるのにすごいレベルでプレーしていてファンタスティックだ。彼らはただ一緒にうまく機能する。私たちはそれが機能しなくなるまでそれに乗り続けるだけだ。正直、それはナノ秒考えたかもしれないが、ドレイモンドを本当に動かす事は考えなかった」

クレイについて

「正直、私がそれについて感じるのは、彼を私の息子のように愛しているという事だ。彼は本当に厳しい時間を過ごしている。彼はひどいケガをして、それから復帰してから本当に良いプレーをしていた。昨年のプレーオフまでは。それが彼の輝ける瞬間ではなかったのは明らかだった。そして今年彼には好不調の波がある。ジャズ戦の時のように素晴らしい試合をした時もあるし、それほど素晴らしくない試合もしている。彼がそれを気にしているのは確かだろう。でも最終的に私はクレイを信じている。彼はインパクトを出せる選手だと思う。彼はここでまた調子を取り戻せばクラッチで助けてくれると思っている。私はクレイ・トンプソンもサポートする。彼の契約が切れるのもわかっている。それはチームの自由度の問題でもある。私は彼にウォリアーとして引退して欲しい。それが肝心だ」

ウォリアーズが超ビッグマーケットのニックスレイカーズを抜いてリーグで最も市場価値が高い球団になれたのもカリーの超スターダムのおかげです。そのため、ウォリアーズはチームづくりに関しては全てカリーの了承を得ていると思われます。カリーもオールスターでのインタビューで「(クレイとドレイモンドと3人ずっと一緒にいる事だ)私たちのモチベーターだ。それを正しく終えたい。私たちは私たちが誰であるのかというアイデンティティーを私たちのベストをつくして守らなければいけない」と言っていたので、ウォリアーズはクレイとドレイモンドはなんとかこの先もキープするでしょう。

そうなると、タックスを避けたいウォリアーズはフリーエージェントになるクレイにいくら払えるのでしょうか?計算してみました。

2024-25シーズンのキャップの計算を、①2巡目指名権あり、②クリス・ポールを歩かせる、③オーナーのタックス回避発言のためMLEを使う、と仮定してしてみると、現状クレイ抜きの13人で$11Mしか残っていません。これはMLEの$12.8Mよりも少ない金額なので、③のMLEをタックスペイヤーMLEよりも若干多い$8Mにして計算し直します。すると残りは$15.9Mになります。MLEをミニマムレベルに抑えれば、クレイのために$21M捻出できます。

ただし、その問題はふたつあり、(A)ロスターを単にロールオーバーしただけなので、課題であるカリーに次ぐセカンド・スコアラーも、サイズがありスペースを広げられるビッグもいない状態です。これでは今シーズンと同じ事の繰り返しで、優勝は狙えないでしょう。また、(B)クレイに$21Mも払ってしまうと、2025-26シーズンもタックスに入ってしまいます。

では2025-26シーズンもタックスを回避するにはどうすればいいのでしょうか。

次の条件でキャップを計算してみました。①$14.1MのMLEの1部の$10Mを使うと仮定、②1巡目指名権を15位レベルの$4.5Mで計算、③ルーニーを歩かせる、④サラリーキャップは$155.1Mで計算。

これで$51Mが残ります。この$51Mをクレイ、クミンガ、ムーディー、ゲーリー・ペイトンIIの4人が奪い合う事になります。

このシーズンはクミンガとムーディーがRFAなのですが、その前に契約延長をすると仮定しましょう。クミンガのサラリーを、ウルブスと5年$131Mの契約延長をしたジェイデン・マクダニエルズのサラリーよりも$5M多い$27.5Mにすると、残りは$24Mになります。ムーディーにMLEレベルの$15Mを払うと残りは$9Mです。MLEを$5Mに削ったとしても、クレイとGP2で$14Mにしなければいけません。

来シーズン、このままいけばクレイはガードではカリー、ポジェムスキ、GP2、ムーディーが飛躍すればの5番手になり、フォワードとしてもクミンガ、ウィギンスに次ぐ3番手になります。キャップや現実的に考えても、このレベルの選手に$20M払うのはきついです。

こうしてみると、もしクレイが来シーズンにMLEよりも若干多い2年$15Mで契約してもらえると、2025-26シーズンにGP2に$3M払えばタックスを払わずに収まる方法も出て来ます。

ただすべては流動的です。クミンガはドレイモンドからチームでオフェンスのNo.2だと言われ、$27.5Mでは足りない可能性もあります。ムーディーも来年飛躍してマクダニエルレベルのディフェンスができれば$20Mの領域に入るでしょう。それらを考えるともうちょっとバッファーが欲しい気もします。その時はよろこんでタックスを払うかもしれません。

まとめると、クレイと契約しつつもタックスを回避するためには、①クレイとは$15M+16.2Mの2年契約(カリーの契約に合わせる)をする、②ポールは歩かせる、③2025-26シーズンにルーニーを歩かせる、④2025-26シーズンにクミンガに$27.5M、ムーディーに$15M、GP2に$3M、⑤MLEは使わない、⑥課題である2番手にはクミンガの成長にかける&ビッグはミニマムかドラフトでまかなう、という感じになります。

もちろんウィギンスをトレードしたりできますが、サラリーを受け取らなくてはならないので、そこまで節約はできません。また、ルーニーをトレードして未来のトレードのサラリーマッチのためにサラリー金額をキープする事も出来ますが、それはタックス覚悟でしょう。

マーク・スタインによると、シューターを欲しているマジックがFAでクレイを狙っているという噂がリーグ内で出回っているそうです。マジックは$45Mまでキャップスペースを空ける事もでき、クレイにとってお金が大切であればマジックの選択肢もあがってきます。マジックのガード陣とビッグならクレイのディフェンスもカバーでき、クレイにとっても4でプレーすることなくクレイらしいプレーができるようになる可能性もあります。スタイル的には良いフィットだと思いますが、どうなるのでしょうか。

いずれにしてもクレイにいくら払うかで、来シーズン以降のチームの方向性が見えてきます。

スティーヴ・カーについて

契約が今年までのスティーヴ・カーがウォリアーズと2年$35Mの契約延長に合意したそうです。カーは若い選手をプレーさせないと批判されていたり、チームの成績もプレーインレベルなので、この$9.5Mから$17.5Mへの大きな昇給には驚きましたが、その前にレイコブがカーについて話していたので紹介します。

レイコブ:「スティーヴ・カーは私たちと10年いる。私たちのビジネスについて私が気に入っているものがあるとすれば、それは継続性だ。毎年ビッグスリーを獲得し続けるチームが勝っていないのを見れば、継続性が大切なのがわかる。スティーヴはここに10年いるし、彼はNBAでこれまでコーチしてきた人の中でも最も偉大なコーチのひとりだ。私は彼とうまく交渉できると思っている。彼はとてもフェアな人間だ。私たちは決して払い渋ったりはしない。私たちは常に良い金を払ってきた。私たちはフェアだ。私たちはビジネスにとって全体的に良いことをしなければいけない。私は彼がこの先もコーチでいたがっていると思っている。そして私たちは彼にここにいて欲しいと思っている。ハッキリしておくが、私たちは彼を素晴らしいコーチだと思っている」

「みんながスティーヴをプレーヤー・デベロップメントで批判するのはわかっている。『彼は選手たちを成長させない』とか言うようなものだ。もしかしたら、それには過去に本当の部分もあったかもしれない。今年はそんな事は言えない。理由がなんであれ、私たちの多くの才能がとても良いパフォーマンスをしている。私たちにはとても良いパフォーマンスをしているベンチがある。それはスティーヴの功績だ…」

「もうすぐスティーヴとの契約を終わらせると思う。彼はとても忙しい。彼はこのチームをコーチしていて、私たちには問題があって、彼はそれに集中しなければいけない。私たち全員がそれを理解している。彼はとても名誉ある男で、私は彼をすごくリスペクトしている。私たちは彼がハッピーになれて、私たちもハッピーになれる契約を結ぼうとしている。それについて心配はしていない。スティーヴ・カーをコーチとしてもつチームは出てこないと思う」

NBAヘッドコーチの来季の平均サラリーランキング:

  • 1位 ウォリアーズのスティーヴ・カー:$17.5M(2年$35M)

  • 2位 スパーズのポップ:$16M(5年$80M)

  • 3位 ヒートのエリック・スポールストラ:$15M(8年$120M) 来年から

  • 4位 ピストンズのモンティー・ウィリアムズ:$13M(6年$78.5M)

  • 5位 バックスのドック・リヴァース:$10M (4年$40M)

  • 6位 シクサーズのニック・ナース:$8M

  • 6位 マーヴェリックスのジェイソン・キッド:$8M

これにクリッパーズのタイ・ルーの再契約が入ってきそうです。

*ポップはプレジデントとしてのサラリーももらっているので、年棒ではカーよりも上だそうです。

カーの契約で特徴的なのは短期の契約です。普通コーチはいつ首になるかわからないので、より多くの保証を欲しがるのですが、カーの契約はたったの2年になっています。それにカリーはもう他のコーチのためにはプレーしたくないと言っていますし、レイコブもカーには信頼をおいていそうなので、カーが希望すれば4年$60M前後の契約もできたと思うのですが、一体どうしたのでしょうか。

カーの2年契約はカリーの残りの契約と同じに揃えられているので、カーやチームがカリーの様子を伺っていると考えられます。カリーは契約が切れる時に38歳になっていて、いつまでオールNBAレベルのプレーがが続くかわかりません。優勝を狙うなら若返りは必須ですが、カーも若返ったチームでコーチし続けたいのかどうかまだわかっていないのではないでしょうか。同時に、チームもカーが若いチームをコーチできるか様子を見たい様子が伺えます。今少しくらいカーに多めに払っても、3年目に解雇してお金を損するよりはいいと踏んだのかもしれません。お互いに選択肢をオープンにしたがっているのではないでしょうか。

レイコブは「すべてがずっとうまくいく事はない。それを予想する方法もない。しかし、私たちは何もせずに平凡を受け入れたりはしない。私たちは何もせずにそうなるような事はしない」と言っていますが、現状ロッタリー圏内のチームです。来シーズンも同じロスターにミニマム選手が足されるチームなら優勝候補にはなれなそうですが、タックスやビッグ3キープなどの縛りがある中でどう動くのでしょうか。

いずれにしても、ラスト・ダンスは後2年続きそうです。

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