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マイペースでは行動しないイアン・ペイス

6月29日は、ディープ・パープルのドラマー、イアン・ペイスの誕生日ですが、メンバーチェンジの激しいバンドにおいて、唯一、オリジナルメンバーとして活動しているのが、彼、イアン・ペイスです。

レコード・デビュー以降の全活動期間に在籍し、ディープ・パープル名義の楽曲、アルバムのすべてにクレジットされている唯一の人物だそうです。

そして、浮き沈みが激しいロックのショウビジネスにおいて、これだけずっと、同じチームで活動できる理由と秘訣には、いったい何があるのでしょうか。

そこで、彼のプロフィールをWikipediaで改めて確認してみたら、感動モノのエピソードが満載されていました。

イアン・ペイス(Ian Paice, 本名 Ian Anderson Paice, 1948年6月29日 - )は、イングランド出身のロックミュージシャン、ドラマー。
ハードロックバンド、ディープ・パープル唯一のオリジナル・メンバー。
1960年代からロック・シーンの第一線で活動を続け、ディープ・パープルの他にも数多くのバンドで演奏した業界の第一人者として知られる。
身長170cm。サングラスがトレードマーク。

「ローリング・ストーン」誌選出「歴史上最も偉大な100人のドラマー」9位。2016年、ディープ・パープルの一員としてロックの殿堂入りを果たした。

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身長170㎝とのことなので私とほとんど同じですね。

さて、印象に残ったエピソードを、この資料からいくつかピックアップしてみましょう。

「17歳の時、初めてプロとして加入したバンド、シンディグスでレコード・デビュー。1966年、ロッド・エヴァンスがヴォーカリストを務めるMI5改めザ・メイズ(The Maze)に加入。ザ・メイズは1967年1月からミラノに3か月間滞在して"Chips With Everything"という舞台の音楽を担当した。その際、ペイスはイタリアに向かう船の中で、当時ハンブルグに住んでいたギタリストのリッチー・ブラックモアに出会った。さらに彼はヨーロッパに滞在中、ハンブルグでブラックモアに再会してクラブで一緒に演奏し、彼のドラミングを気に入ったブラックモアから一緒に活動しようと誘われたが、ザ・メイズの仕事を優先して断わった。」

ディープ・パープルを結成する前に、既にリッチー・ブラックモアに出会っていて、すぐに彼に目を付けられていたようで、一緒にバンドをやろうぜと誘われるも、当時所属していたザ・メイズの仕事を優先して断ったというのですから、そこに、彼の義理堅さを感じる話ですね。

「1968年、ペイスは、エヴァンスがラウンドアバウトという新しいバンドのヴォーカリストのオーディションを受けるので一緒に行ったところ、またもやブラックモアに再会した。彼は、ラウンドアバウトはブラックモアがジョン・ロード(キーボード)と結成しつつあるバンドであり、ブラックモアは何とかして自分を見つけてメンバーに迎えたいと思っていたことを知った。エヴァンスはオーディションに合格してラウンドアバウトのヴォーカリストになり、ペイスも在籍していたボビー・クラーク(Bobbie Clarke)に代わってドラマーとして加入した。」

またもやリッチー・ブラックモアに再会して、彼の、自分に対する思いの深さを知った訳ですが、既にバンドに在籍していたボビー・クラークをクビにして(たぶんリッチーが要求したのでしょう)でも欲しかった人材ということでしょうね。

「現在の第一線のプロには数少ない、左利きのドラマーである。口をパクパクと動かしながら演奏する癖があるが、その理由は分かっていない。」

理由は分かっていないっていわれてますが、口でリズムを取っているに違いないと思います。

「再結成以前のディープ・パープルの時代には、米国のラディック社製のドラムセットを使用していたが、ゲイリー・ムーア・バンド在籍中から、日本のPearl社製のドラムセットを使い始め、現在に至るまで使用が確認されている。そのPearlからは自身のアーティストモデルであるスネアドラムが発売されている。」

日本のPearl社製のドラムセットを現在も使用しているとのことですが、製品の品質への信頼とともに、後述されている以下の理由もあり、これも、彼の義理堅さを物語るエピソードですね。

「パール楽器製造には旧友がおり、工場にてドラムセットができ上がるまでの工程を紹介するビデオに出演したこともある。」

以上のように、とにかく技量は抜群で性格も申し分なく、誰からも入団をオファーされる貴重な人格者ですが、私も、彼の義理堅さを痛感した、以下のライブイベントに参加したことがあります。

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イアン・ペイスは、性格的にも本当に「いい人」で、2014年には、このようなイベントにも、単独で来日して参加してくれたのでしたね。

まさに、マイペースでは行動しない、相手の気持ちに寄り添ってドラムを響かせ、心の琴線を震わせる義理堅い男が、イアン・ペイスといえるでしょう。

■Tribute to the artists fighting cancer ROCK SUMMIT 2014 featuring IAN PAICE(Deep Purple)
2014年11月29日(土)
Zepp Tokyo

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=967937056569343&id=100000591726100

2014年11月29日 ·
このところ、ジャジーな日々が続いていたので、久し振りにロックスピリットを注入しに、お台場方面のZeppTokyoに出掛けました。
ジャズがスイングだとすれば、ロックは疾走感と音圧の音楽であるといえましょう。

今回は、スペシャルゲストに、私の最も好きなハードロックバンド、ディープ・パープルのドラマーであるイアン・ペイスが出るとともに、長年にわたって日本のロックシーンを支えてきた故・樋口宗孝さんのトリビュートコンサートでもありました。

これだけのロック系ドラマーが集結することはなかなかないでしょうから、大変貴重なライブでした。

最後は、スペシャルゲストのイアン・ペイスに敬意を表して、ディープ・パープルのレパートリーをいくつも演奏してもらい、大満足の一夜でした。

DPセッションのセットリストは以下のとおり。
Burn
Black Night
Lazy
Highway Star
Smoke on the Water

現在のディープ・パープルが、マーク2(第2期)のヴォーカリストを務めたイアン・ギランがフロントマンとして君臨している限り望むべくもない、マーク3(第3期)の代表曲「Burn」 や、先日の来日公演では何故か封印された「Highway Star」など、日本のファンの飢餓感を的確に満たす選曲になっていました。

私は、イアン・ペイスの特に偉大なところは、正確なドラミングや手数の多いオカズはもちろんのこと、それまでのドラマーが、正確にビートを刻んでいればよいとされた“リズム隊”に対する固定観念を見事に打ち破った、まるで太鼓の響きがそのまま歌メロに寄り添ったかのようなスティック裁きにあると思います。

彼はまさに、ドラムで歌メロを叩いた先駆者といえるでしょう。

それが一番わかるのは、カラオケの演奏を歌なしでそのまま流してみた時です。

Deep Purple Burn Backing Track for Karaoke No Voice

なんと、彼のドラミングはヴォーカルの歌メロだけでなく、ギターやオルガンのソロ演奏までの全てをフォローしているのでした!

歌メロ入りヴァージョンは、コチラ


ディープ・パープルは、結成から約45年の長きにわたり音楽シーンに大きな影響を与えてきましたが、その間に多くのプレイヤーがこのバンドに出入りした歴史の中、正式なメンバーとしてはただ一人、ドラムのポジションを死守している男がイアン・ペイスなのです。

まさしく、リトル・バット・グレート・イアンといえるでしょうね。


https://www.interfm.co.jp/news/detail.php?id=768
Tribute to the artists fighting cancer ROCK SUMMIT 2014
featuring IAN PAICE(Deep Purple)
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http://cc.eplus.jp/c/tl?i=O2Xwy3Q2inBntFh6
〜がんと闘った多くのアーティストへ追悼の意を込めて Deep Purple のドラマー IAN PAICE が立ち上がる!急遽来日決定。〜
まだ記憶に新しい、衝撃的な訃報からはや4年、あのRonnie James Dio がこの世を去り、奇しくも今年11月30日に7回忌を迎える樋口 宗孝、Frank Zappa、Ian Wallace(King Crimson,)等をはじめとして、 日本のみならず、世界の数多くのロックアーティスト達ががんと闘い、 そして、その尊い命を失ってきました。
その偉大なるアーティスト達の偉業を後世に継承する目的とともに、深く追悼の意をこめ、今もなおがんと闘っているアーティスト達へエールを送るべく、このイベントを通じて少しでも 力になれればと、思いました。
この企画に賛同頂いた多くのアーティストの方 を招き、豪華メンバーによるまさにドリームセッションを実現したく考えております。
先日の来日公演では果たせなかったDEEP PURPLEの名曲ラインナップセッションや、錚々たるメンバーによるドラムセッション、樋口宗孝氏が最後にプロデュースしたバンドとなったギルドのパフォーマンスにも乞うご期待ください。
開催日・会場:
11/29(土) 18:00 開演 Zepp Tokyo(東京都)
出演:
SPECIAL GUEST:IAN PAICE (Deep Purple)
岡垣“JILL”正志 (ex TERRAROSA/Jill's Project,Aphrodite)
島 紀史 (Concerto Moon)
shuji (Janne Da Arc)
ギルド
菅沼孝三
小林香織
Kenneth Andrew (CASINO DRIVE)
角田美喜(SHOW-YA)
HIMAWARI (DUSTAR-3/ex SEX MACHINEGUNS)
本間 大嗣 (ex ANTHEM/ex LOUDNESS/ex E・Z・O)
MAKOTO TACHIWANA
MASACHIKA HASHIMOTO
満園庄太郎 (WILD FLAG/BOW WOW/flow-war)
LEVIN (La'cryma Christi)
山田直子
RE-ARISE
GEORGE MURASAKI(紫)
今西健人
寺沢功一(BLIZARD / SLY / RIDER CHIPS)
浪岡真太郎(QUORUM)
山本恭司 (BOWWOW/VOW WOW/WILD FLAG)


誕生日を祝して、こんな太っ腹な投稿も。
竹田裕子さんより
>ペイスの誕生日を祝して❣️
マシン ヘッド全曲収録💿️🎶
https://www.facebook.com/groups/1050157999162279/posts/1409112599933482/



#創作大賞2023

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