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エッセイ、その他

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2023年7月の記事一覧

『想像を越えた日常』

『想像を越えた日常』

 日常が「フィクション」化しているように思える。ここ数年を経て、フィクション化された日常を過ごしている--つくり話が当たり前になりつつあるのだ。

 具体的には何か--。

 例えば、想像すらしていなかった、殺人事件。想像を越えたの世界が現実となっているのだ。それが当たり前になりつつある。

 日常とフィクション、想像世界の線引きが曖昧になっている。

 --想像の世界で起こり得る悪いことは、特に

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『前向きな死について』

『前向きな死について』

 いつか迎える「死」を、ぼくは前向きに受け入れるだろう。今は「生」に感謝をしていない。

 --厳密には、出来ていない、する余裕がないのかもしれない。死に向き合う時だろう、「命」のありがたみが分かるのは。

 今ある生ーー。自分は惰性で生きていると思っている。楽観的でもなく、悲観的でもない「惰性」だ。

 ただただ、今を生きる。

 時間を意識せず、雑音に囲まれることもなく、目前のことをこなしてい

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『鱒を詠(よ)む』

『鱒を詠(よ)む』



ビート世代の文学運動
ーーR・ブローティガン前夜

アメリカにおけるビート・ジェネレーションに、流行したものごとの一つに文学が挙げられる。ビートーー定義はさまざまだが、1940年代〜60年代後半とされるーーの後半から終わりにかけて、活躍したものの埋もれている、名作家を紹介したい。

 リチャード・ブローティガン(1935年ー1984年)という作家を取り上げる前に事前知識として、ビート文学とはな

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