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「ほとんど業務量が増えずに新たなサービス提供ができるのがメリットと考えています」 NML利用者の声 - 立川市図書館・スタッフ編

池田朋之さん(立川市中央図書館・館長)
小林浩さん(立川市中央図書館・サービス係長)


膨大なクラシック音楽の音源を収録し、楽曲に関連するデータも豊富に登録している「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」(以下、NML)は、今や図書館サービスには不可欠な存在となっており、全国の公共図書館でも導入館が増えつつありますが、公共図書館の導入館の中で、2023年度の利用数がトップクラスであったのが、東京都の立川市図書館でした。

本インタビューは、その立川市図書館のサービスの導入の経緯や、導入後の利用状況等について、図書館のスタッフの方にお話をお伺いしたものです。
(ご利用者編はこちら
  
 
■立川市図書館はどのような図書館でしょうか?

立川市は、人口18万5千人、多摩地域の中央に位置し、交通、経済、行政、文化等の拠点として発展を続けてきました。図書館は中央図書館と地区図書館8館を運営しています。まず地域の図書館から設置をはじめ、最後に中心館を作りました。地区図書館は地域に密着したサービスを提供し、中央図書館がその利用をサポートしています。中央図書館はビジネス商業地区にあり在勤の利用者が多く、駅にペデストリアンデッキでつながっているので市内全域からの利用者や通学、近隣市からの利用者も多いのが特徴です。

■ NMLはどのようなきっかけで導入いただきましたか?

2019年(平成31年)1月から導入しましたが、定額聞き放題で導入できるのと、NMLは導入当時でCD数にして12万6千点以上、曲数にして190万曲以上を聴くことができましたが、これは立川市図書館のCD蔵書数46,043点の2.7倍もあることが魅力でした。クラッシック分野が大きくカバーでき、その分他の分野のCDの充実ができています。
また、導入に熱心な職員がいたことと、スマートフォン対応は都内初というのも魅力でした。

■図書館ではどのような形でNMLをご提供されていますか?

IDパスワード方式を利用し各図書館カウンターで発行しています。スマートフォン対応版を契約しています。開始時は来館しての発行のみでしたが、コロナ禍の臨時休館から電話でのIDパスワード発行も開始しています。(※現在は電子図書館認証後、NMLのリファラー認証に提供方法を変更しています。)
今年(2024年)は図書館システム更新の年で長めの臨時休館をさせていただいたのですが、電子図書館と音楽配信は休館中も利用できるサービスとして24時間365日利用していただいています。

小林浩さん

■従来のCD貸出等と比較して、NMLを導入したことで生まれた図書館業務上のメリットがあればお聞かせください。

NMLは、IDパスワードの発行だけで、ほとんど業務量が増えずに新たなサービス提供ができるのがメリットと考えています。CDのように延滞、紛失、破損がないことと、クラッシックの専門的な曲もカバーできます。NMLのサポート窓口を紹介するだけで利用方法の問い合わせ対応が必要ないのも助かっています。 

■市内には中央図書館の他、分館がいくつかありますが、それらの分館とはどのように連携しながら、NMLをご提供されておりますでしょうか。前年度末に新年度用IDパスワードを印刷し配布するのが中央図書館の業務としてありますが、連携というほどの業務はありません。利用者側から見てであれば地区図書館でも中央図書館と同じサービスが受けられるということでしょうか。CDを所蔵していない図書館もあるのでNMLの利用で図書館間のサービスの違いも補完できています。

池田朋之さん

■ご利用者の方から、NMLに関して寄せられているご評価やご感想などがありましたらお聞かせください。

導入当初は同時アクセス数を超過して繋がらないとのお叱りが多かったですが、利用が一巡した頃から落ち着いたのか、ほぼクレーム対応はありません。ヘビーユーザーが多く利用しているらしく利用時間が多くなっています。


■ 図書館のスタッフ様としての立場から、NMLでよく活用いただいている機能、便利とお感じいただいている機能はありますか?

管理者画面から利用時間や、アクセス数オーバーで利用できなかった利用数がわかるので、毎月利用状況を確認しています。利用者への案内ではスマホ対応しているのが興味を持たれているようです。

 ■NMLのサービス全体についてご要望がありましたら教えてください。

ナクソスといえば、クラッシックに特化したサービスと認識していますが、できるなら洋楽等にも分野を広げていただけるとより多くの利用を期待できます。  
 
 ■最後に館長さんから何かお伝えしたいことはありますか?

はい、立川市図書館の特筆すべき点はまだありまして、たちかわ電子図書館の電子書籍の閲覧実績が全国トップクラスな点です。特徴として2つあり、1つ目は学校との連携、2つ目は民間企業との連携があります。その中に「立飛ホールディングス」という企業からご支援いただいており、文化・芸術・スポーツ事業を通じて、立川を世界に愛される都市変えていきたいと取り組まれております。
オペラ界にも造詣が深く、2024年3月1日から電子図書館内にリファラー認証でありますが、5アクセス分増えることととなり、これをご支援いだくこととなりました。これで同時アクセス超過が少し解消されるものと感謝しております。

どうもありがとうございました。

(2024年1月取材。所属・肩書はインタビュー実施時点のものです)