#3 かかりつけの個人クリニックではなく総合病院へ電話する

翌朝、早朝に目が覚め、横になったまま時間が経つのをひたすら待つ。8時半か9時頃に、隣駅にある病院に電話しようと考えていた。

この症状で行くべきところは、風邪やアレルギー症状、気管支喘息などでお世話になっている個人クリニックではなく、総合病院(S病院)だと思った。
隣駅にあるS病院は、過去に喘息発作や鎖骨骨折など、何れも救急搬送でお世話になっていたが、通常は紹介状が必要な病院だ。


このときお腹の痛みは、ロキソニンで6割ほどは治まっていたように思う。

昨日もロキソニンである程度お腹の痛みを抑えることができていたのに、大好きなテニスをキャンセルする判断に至ったのには理由があった。
全体の鈍い腹痛はロキソニンで抑えることができていたが、それとは別に、例えばボールペンの先でグッと内臓を突き刺されるような痛みが時々あり、それをロキソニンで抑えることはできていなかったからだ。


ベッドに横になったままスマホを見つめて時間が経つのを待っていたら、いつの間にか寝てしまった。
次に目が覚めると、9時少し前だった。

S病院に電話をする。
「紹介状ありません。お腹がものすごく痛いのでそちらで診てもらいたいんですけど、、、」
相談窓口のようなところに電話をまわされ、いつからどのような症状なのか、今回の症状では過去に通院してないことなど、いくつかヒアリングされたあと、とても快い返答をしてくれた。
「わかりました。初診扱いになります。紹介状なしとのことですので5500円多くかかりますけど、よろしければすぐいらしてください」。

電話口で礼を伝え、次に、よく利用するタクシー会社へ電話する。
10分程でタクシー会社から到着を知らせる電話を受け、外に出ると空は青く、今日も暑くなりそうと感じながらタクシーに乗り込む。


S病院の正面玄関へはタクシーで10分かからずに到着した。「お大事に」という運転手さんの声を背に、右手で下腹部を支えるようにしてタクシーからゆっくり降りる。
お腹の中に大きくて柔らかい異物が入っているような、そんな感覚。それを手で支えていないと、痛みというか異物感があって上手く歩けない気がしていた。


2022/8/31 朝

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