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ハイジの黒パンと土窯の断熱層

私の長年の夢は窯でパンを焼くこと。パン大国ドイツで酸っぱい雑穀パンの洗礼を受け、パン作りにどっぷりハマり、年々電気オーブンの限界に歯痒さを感じておりました。酸っぱい雑穀パンとは、まさにハイジが食べていたあの黒っぽいパン、あれでございます。黒いパンは、穀物の味がしっかりして食べ応えがあり、乳酸発酵により消化も良いです。給食の真っ白なコッペパンを飲みたくない牛乳で流し込み、ヤマザキパンの白い小皿に漬物が並ぶ、そんな昭和期に育った私に、黒いパンとチーズという組み合わせは衝撃でございました。(山の上で食べるとまた格別。)しかし現在、ハイジの故郷であるスイスでは真っ白なパンが主流。ハイジのアニメに洗脳されている私は、黒いパンにトロトロのチーズかけるんちゃうんかい、といつもスイスで突っ込みたくなります。一方隣国ドイツは、黒いパンが健在で、マイパン種でパンを焼く人も未だ多く、マイ製粉機が台所に鎮座している家庭も多くございます。

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写真は友人から頂いた40歳のパン種。家庭によりパンの味も違います。

さてさて、土窯制作の続きですが、パン窯となりますとピザ窯より断熱をしっかりせねばならないとのこと。土窯底面と土台間の断熱層を作らねばなりません。つまり、熱をできるだけ放散させないことが大事らしいのです。内心『めんどくさい…』と思いつつ、バイブルに従って、土台上部、つまり土窯の底面に空き瓶を敷く作戦を決行することにしました。

今回は助っ人のザラが現れ、女子二人で土いじり。彼女は大学病院の精神科に勤める若きテラピスト。日々患者さんたちを癒す立場にいるため、時々エネルギー不足になる様です。そんな彼女の自分を癒したいオーラは半端なく、ホイホイ喜んで靴を脱ぎ捨て、塗りたて赤いペディキュアもなんのその、裸足で土にダイブ、『土は癒し』を体を張って表現してくれました。どうか冬が来てもその勢いで手伝ってくれ、とまた心の中で祈る私。

とにかく土台構造からしてオリジナリティに溢れ、正統派土台とかけ離れておりますので、本の指示通りににはいきません。私の18番、『想像で適当に仕事』を進めます。なんとなくこのぐらいの厚さかしらと練り上げた土を載せ、その上にこの辺が窯の中心かしらと瓶を並べていきます。

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何を隠そう、私の売りは超がつくアバウトさ。非常に図太く、計算に弱いため、繊細な仕事に向きません。これが後でアダと出るかは完成するまでわかりませんが、とにかく『てやー!』っと勢いで、なんちゃって断熱層の出来上がり。

この瓶たちも、畑仲間がご近所ネットワークサイトでかき集めてきたものです。畑では収穫した野菜や果物を瓶詰めにしますので、大量の小瓶が必要になります。購入することもありますが、再利用することも多いです。

日本で言えば、区に当たる範囲間で意見交換や物々交換、情報交換などができますので、この様なプラットフォームが本当に便利です。(ウムラウトが文字化けしてるけど。とほほ。)『猫がいなくなった』とか、『梯子貸してください』、とか気楽になんでも書き込めますし、私もよく利用します。しかし都会では広告やビジネス目的の投稿が多く、うまく機能しないと友人が申しておりました。日本にもこの様な回覧板的サイトなるものがあるのでしょうか?

さてさて、そのかき集められた瓶たちがしっかり断熱効果を果たしてくれることを祈りつつ、いよいよ次回から本体を作る作業に入ります!

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ただいま乾燥中。

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