愛を受け取るには余裕のある受け皿が必要だった
過去を振り返るお話。
なかなか新しい恋ができなくて、昔の恋人のことを思い出していた。
10数年前に別れた人。数年間付き合って、同棲もしていた。
学生時代ではあったけれど結婚することも視野に入れていた。
別れたきっかけはなんだったか。
わたしが先に短大を卒業し、仕事を始めた。彼は大学に通い続けていた。
同棲中で、生活リズムが合わなくなってしまった。
社会人1~2年目はとにかく一生懸命に働くしかなかった。
家に帰ったらクタクタだった。
彼との生活がわたしにとっては重しになっていた。
本当に好きだった。きっと愛していたと思うし、愛されていたと思う。
今でも大切な人だと自信を持って言える。
でも、関係を続けることがどうしてもしんどくなってしまい、別れる決断をしてしまった。
悲惨な別れだった。わたしは普段から自分の思いを素直に表現できず、顔色をうかがってばかりだったから、別れを告げられた彼は本当に驚いたと思う。
どんな話をしたかはもう覚えていないけれど、泣きながら話し合ったこともあった。私の気持ちはどうにも収まらなくて、突き放すように別れてしまった。
ずっと後悔はしていなかった。
愛されていなかった、大切にされていなかったと怒りすら感じていた。
でも最近気づいた。
別れ話をした後、わたしのしんどさを知って、彼は変わろうとしてくれていた。彼は確かに、歩み寄ろうとしてくれていた。
あの時、私はちゃんと愛されていたんじゃないかと。
わたしが愛を受け取れていなかっただけかもしれない。
別れると決断したことに意地を張るのではなく、私からも歩み寄れればよかった。でもそれはできなかった。
仕事でストレスにさらされ、睡眠時間はろくに取れず、ほかに安心できる場所も逃げる場所もなかった。
振り返ると、まあまあズタボロだったと思う。
自分の生活費を稼ぐこと、社会の中で生きていくことで必死な状態だった。
わたしの心はいっぱいいっぱいだったのだ。
そんな状況で、彼からの好意や愛を受け取れるわけがなかった。
生きることにいっぱいいっぱいだったので愛を受け取ることができなかったという教訓。
人と愛し合い、支え合って生きていくには、ある程度余裕のある生活が必要だと思います。
こんなに世知辛い毎日では結婚の難易度もあがるわけですね。
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