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結婚します!

私、この人と結婚します! と私は連れてきた彼と一緒に頭を下げて言った。だけど両親はそんな私たちに向かってとんでもないこと言ったの。

「ハハ、何を言うかと思えばまた訳の分からないこと言って。そんなものさっさと捨てて、まともな男性を捕まえなさい」

信じられない! 娘の結婚を喜ぶどころか、さっさと捨てろとかわけのわからないこと言って嘲笑して! 別に猿と結婚するなんて言ってるわけじゃない! 彼はちゃんとした人間なのよ! まさかパパとママは排外主義者なの? 外人なんかと結婚したら血が汚れるとか言ってるの? 私が怒りを押さえられなくてパパとママを睨みつけていたら、パパがまた私に言ってきたの。

「だいだいお前は昔からそうだった。現実と妄想の区別がつかなくてアニメのイケメンと結婚するとか言ってテレビ局に電話までかけて! あれでパパとママがどれだけ恥をかいたかわかってるのか! いいかげんにしろ! やっとまともになったと思ったらそんなフィギュアなんか持ってきて!」

「また彼をいぢめて! 確かに彼はフィギュアよ! でも彼は二次元のアニメじゃなくて三次元のフィギュアじゃない! 彼は触れるし、下半身を作り変えればエッチだって出来るのよ! 私結婚する! 誰に男と言われようと結婚してやるわ!」

「お前が結婚するっていうのは勝手だけどな。そのフィギュア、いやそのフィギュアのキャラの原作者に許可もらわないと結婚なんて世間に認めてもらえないぞ! お前が勝手にそのフィギュア片手に『この人と結婚します!』って言ってもな、作者がそれを認めなきゃ結婚だなんて出来ないんだよ! さあどうするんだ。作者に結婚でも認めてもらうのか? そんな馬鹿なこといくらお前でも出来るわけがない、ってお前何作者のTwitterにお願いしてんだよ! やめろなにフィギュアを裸にしてるんだ! おい、お前も脱ぐな! ああ! そんな写真Twitterにアップするな!」

「しょうがないじゃない! こうでもしないとみんな私と彼の結婚を認めてもらえないんだから! ああ!作者さん、お願いだから次回は私と彼の結婚の事を描いて! 突然現れた新キャラクターの私と彼が結ばれるまでをちゃんとありのまま描いて! 今から私と彼が愛し合っている画像送るから!」

「やめろーーー!!」

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