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平行線は永遠に交わらない

 なんて小説を書こうとしてやめてしまった。平行線が交わらないなんて全く当たり前のことをわざわざフィクションで書く必要がないことに気づいたからだ。平行線は交わらない。それはギリシャ時代からの常識だし、数学だけじゃなくて人間関係においても常識であるからだ。ここに一人の男女がいたとする。彼らは時々会話をするが会話はいつも平行線で交わらない。それはお互いの価値観が違いだけでなく、お互いの立ち位置が違うからだ。男はここは男便所だと叫び、女は痴漢だ警察に訴えるという。だけど肝心のトイレは男便所なのか女便所なのかわからない。それは私が小説に書いてないからだし、それもまた平行線であるからだ。つまり私が小説を書きそちらかを決めるまで男便所と女便所は並立している。つまり私の思考の中で男便所と女便所は平行線で移動しているのだ。そして平行線で移動する男便所と女便所は決して交わらない。それはLGBT的な問題でもあるのだが、しかし今の世間の大半は男便所と女便所が交わるのを許すものは限られるのではないか。つまり全ては平行線に流れ決して交わらずに世界の果てへと落ちてゆく。最後に私がここで何を言わんとしているのかを明かすと、別に何も言うことはないのであり、つまり今書いていることもすべてデタラメであり、何も書くことがないからこうして字を埋めているからであり、平行線が交わらないなら線を曲げてしまえなんて言う気もなくだからもう止めることにする。



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