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意識の高い女の一週間 月曜日

月曜日は日曜日はまるで違う世界だ。目覚めた瞬間日曜日は昨日どころではなく、別の世界へと去ってしまった事に気づく。しかし過ぎ去った昨日を懐かしんでもしょうがない。私たちは夢から覚めて有象無象が蔓延する現実へと向かわなければ。
そんなわけで私は今通勤電車に乗っている。全くつまらない事だけどこれも日常だ。私はつり革には決して触らずに立っていたが、電車の揺れに負けてフラッと倒れてしまった。そんな私に向かって親父たちが笑みを浮かべて手を差し出す。だけど私には彼らの目的は分かっている。彼らは私をか弱い女子と見て、そんな女子を助けようとする、男性にありがちな、自分の卑小な自尊心を満足させたがっているのだ。もしかしたら彼らは私に性的な関心を持って、これをきっかけにお友達、さらに進んで肉体関係までいきたいなぁとでも思ってるのかもしれない。だけどごあいにく様。私にはちゃんとしたパートナーがいるんですからね。私を手を振って彼らを退けると、服をパサっと払い、鮮やかに身を翻してドアに向かった。その時誰か危ないと注意を促したけどもう遅かった。私はドアに思いっきりぶつかり鼻血を出してその場に倒れ込んだのだ。そんな私に男達の一人が生意気にもこう注意してきたのだ。

「あの、電車の走行中はやたらに動いたら危ないですよ。注意してくださいね」

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