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全てが崩れる
自分の全てがこうして崩れて行く。こんなにあっさりと崩れていくなんて自分はなんて脆い存在だったのだろう。こんなに弱い私はここまで生きて来たなんて全くの奇跡だ。今まで私は無菌状態で生きてきたんだ。サランラップで守られてぬくぬくと安眠を貪っていたんだ。だけど世間の壁がこんなに厚くて厳しいものだとは思わなかった。もう終わりだ。さよなら私、さよなら世界、いま身ごと箸で割られて……。
「いやあ、新鮮な豆腐は見事にサックリと切れるなあ。さて醤油をつけて食べるか」
私は天国に昇る途中、自分の体が人間たちによって無残にも解体されてゆくのを涙を流しながら見ていた。
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