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短編

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#ショートストーリー

続・札幌でサッポロ一番を食べる ~彼女と過ごした奇跡の三日間

一日目  こうして僕はまた北海道に帰ってきた。勿論また札幌でサッポロ一番を食べるためだ。…

秋(空き)時間
8か月前
135

偽りの自伝

 花巻健は今自伝を書いていた。しかしその伝記は花巻自身のリアルな半生ではなく、彼がこうな…

秋(空き)時間
2か月前
16

おいしい時間

 妻は料理が下手だった。味は云々としてまともに食材を切ってないその料理は見るだけで人をげ…

秋(空き)時間
3か月前
34

先輩

 私は高校の後輩と結婚した。彼は私が二年の時私が所属していた映画研究部に新人として入って…

秋(空き)時間
4か月前
14

十五少年青春漂流記 ボーイズラブを見つめて

 今女性たちに非常に人気のスマホゲームに『十五少年青春漂流記』というのがある。このゲーム…

16

涙のニュースキャスター

 ニュースキャスターキャロライン・ハーヴェイはその美貌とクールな佇まいで人気を博していた…

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行列ができるとんかつ屋

 東京のとある繁華街に古ぼけたとんかつ屋がある。その店の外観はありふれたとんかつ屋であるが、夕方の開店前になると決まって行列が出来ていた。店も近所に気を遣っているのか、店の戸や壁の至る所に行列のマナーの注意書きを貼っていた。ここまで読んだ方はこのとんかつ屋が超有名、あるいは隠れた名店的なものだと思うだろう。しかしこのとんかつ屋は一度もテレビや雑誌で紹介された事はなく、人からこの店のとんかつがうまいという話を一度も聞いた事はないのである。そんなとんかつ屋にどうして毎日人が詰めか

株主総会

 日本を代表する企業〇〇商事は今必死で来月の株主総会の作成していた。今回の株主総会は取締…

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名は人を表す

 昔の小説は登場人物にその人物の特徴に相応しい名前をつけることがあった。流石に現代ではあ…

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笑おうとしたのに…

 終わらないジョーク。まるでモリッシーのジョーク・イズ・ファニー・エニモア。もう冗談なん…

16

人は善悪では語れない

 とある就業間近のオフィスで今上司が部下を罵倒していた。 「何これ?お前一日かけてこんだ…

14

戦うことをやめる

戦うことはもうやめた。戦い続けても虚しいだけだ。人は一体なんで戦うんだろう。  戦って勝…

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複数名義

 小説家の中には複数のペンネームで活動している人間がいる。それはジャンル毎に名義を分けて…

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トレンディドラマリターンズ

「今も髪伸ばしているんだ」 「そうさ、ロングヘアーにロングコートなんてトレンディドラマじゃあるまいし今更って人は言うけど辞める気はないね。君もずっとワンレンボディコンで生きているんだろ?」 「そうよ。私もワンレンボディコンで生きて来たわ。だけど年には勝てないわね。結局あの頃が一番輝いてたわ。どんなにボディコンを貫こうがあの頃の栄光は二度と戻ってこないのよ」 「違うよ、トレンディは過去なんかじゃない。今もずっと続いているんだ。東京タワーが今も僕らを照らしているように」