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『全裸の王子様』

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2022年11月の記事一覧

全裸の王子様 #10

全裸の王子様 #10

10話 『甘々上等ッ!』

一つの死闘に決着がついた時、また、一つの死闘に結末は訪れようとしていた。

天凱:ぬぅぅうん!!

五十代後半とは思えないほど、天凱と呼ばれる初老の男は、豪快に、かつ正確に、史緒里を切り刻まんと、太刀を大きく振るう。

しかし手応えはない。

史緒里は、大きな構えを見せる天凱の必死の一撃を難なく躱す。

史緒里:おぉ〜っ!今のは惜しかったかもね〜

本人は何の気無しに行

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全裸の王子様 #11

全裸の王子様 #11

11話 『鉄の剣、石と鎌』

仲間達は自身と同種の人間を討ち、残された美月は、交戦しながらも焦りを感じ始めた。

美月:あちゃー、美波と史緒里…私より先に決着ついてんじゃん…

剣と鎌が鍔迫り合う中、集中力が途切れ始めたのか、美月は目前の敵よりも仲間達の死闘の幕引きに意識が向いた。

ファジル:私との戦闘中に…余所見…ですか!
 
よそ見をする美月にファジルは大きく鎌を振り下ろす。しかし美月もそれ

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全裸の王子様 #12

全裸の王子様 #12

12話 『美人に対するマナー』

自身が雇った傭兵達の敗北報告に、腹を立たせながら、三兄弟の長男であるブロックは、〇〇と対峙していた。

長男:ちっ!使えないクソどもがぁ!!

〇〇:お前の雇った傭兵達…どうやらやられちゃったみたいだな…

安堵の笑みだろうか。敵陣営の情報部隊が持ってきた、雇った傭兵二人の敗北報告、あるいは史緒里と美波の勝利報告を聞き、〇〇はそう口にした。

〇〇:なぁ、やばいん

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全裸の王子様 #13

全裸の王子様 #13

13話 『戦争のその後…』

国王:なぁ、岩本家の王子様よ、貴様は一体この事態をどう責任とるつもりなのだ?

グラドビース国、中心部。現国王が住まう王宮の一室。真っ暗で奇妙な部屋。

そこに、一人の老人の声が響く。

国王:バーナー家は、貴様ら廃れた王族とは違い、下級王族と言えども、グラドビース諸国内の南区域を任せた王族代表じゃ

国王:そんな国を代表とする王族とたった一人の"奴隷"を巡って戦争を

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全裸の王子様 #14

全裸の王子様 #14

14話 『破滅と忘却の実行』

美波:〇〇様…エヘヘ…〇〇…様…?ハッ!!

感触がない。まだ頭の片隅に残る〇〇との甘い、存在しない記憶、すなわち妄想に浸りながらも、深い眠りから目を覚ます。

深い眠りの中に意識を落としていたはずの美波は、隣で眠っていたはずの〇〇が、いなくなっている事に気がつき、目を覚ます。

美波:〇〇様…?

窓から漏れた朝日の光に照らされたベッドの上には、美波一人だけだった

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全裸の王子様 #15

全裸の王子様 #15

15話 『時の流れの変化』

快晴と呼べるほどの晴れた日の空模様は、まるで岩本家の家主全員の心を映しているようだった。

祐希:ほら!!起きてくださいっ!朝ですよ!!

そんな、晴れやかで心地の良いある日の朝一番の事、岩本家屋敷には、新入りメイドの大声と、甲高いフライパンを叩くような音が響く。

祐希:〇〇様!!朝ですよ!起〜き〜てっ!!

普段、目覚めの良いはずの〇〇は、珍しく目を開く事なく、深

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