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県外の大学に進学する我が子の旅立つ前日に雪柳の花吹雪。

まだまだ一緒に暮らすだろうと思っていた我が子が、県外の大学に進学が決まった。ほとんど包丁もにぎらせたことのない我が子が、いきなり一人暮らしを始めることになった。今まで親として出来る限りのことをしてきた。これからもそれは変わらない。

小学1年の頃からずっと一緒だった犬達ともお別れだ。犬と別れるのが辛いと言う。まるで兄弟のように育ってきた犬達だ。一緒にお医者さんごっこをしたり、ビーズで作った冠をかぶせたり…。

庭でピンク色の雪柳が見事に咲いている。いつの日だったか、カタログで苗木を購入し植えたものだ。日頃、庭の手入れなどほとんどしないが、丈夫なのか立派に大きくなった。

旅立つ前日の昼下がりの縁側で、我が子が犬達とひなたぼっこをしている。別れを惜しんでいる様子だ。犬達も目を細めて撫でられている。

その背後では、ピンクの雪柳がまるでこれからの我が子の生活を応援するかのように、やさしく盛大に舞い散っている。次々と。落ちた花びらは地面に重なっていく。なんてきれいな光景だろう。

甘酸っぱい感情が私の胸に押し寄せる。大切な我が子の選んだ道を、親としては、さみしいけど、応援するしかない。旅立ちは明日だ​。



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