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ガンダム。俺んちに立つ。

ガンダム大好き少年だった私。

毎月のお小遣い全ツッパで、
プラモデルを購入する日々。




勿論ガンダムの造型が好き
というのもありますが、

少年少女が戦争に巻き込まれていく、
心の動きの様も魅力的で、

重厚なストーリー、背景、仕掛け、
決して子供向けではありませんでしたが、

気づけば、夢中熱中していました。


※(むちゅねっちゅう)



初スパロボ64


そして時は流れ15歳になった私。

部屋にはぎっちり並んだプラモやグッズ、本たち。
彼らはもう僕の親友でした。


※(マイメン)




そんなガンダム君にも青春が訪れます。

ひょんなことから、
自宅に女の子が来ることになりました。





意中の子だったために、
居ても立ってもいられない私。




そして心のどこかで、
こう言われたいと思っていました。






「ガンダムかっこいいね!」






「ガンダムの話しよっ!」







妄想は膨らむばかり。

とにかく自慢の友達(ガンダム)を
紹介したくてたまりません。




そして、
来る日に備えて部屋掃除をしていたある日。




パリピの姉がちらっと僕の部屋を
のぞくや否や、吐き捨てるように一言。







「うっわwwきんもwww」




あっちを向いてもう一言。





「捨てな?www」








えっ?


きもいの?



女の人からみてガンダムってきもいの?…




目の前が真っ暗になる私。






突然の価値観崩壊。


その場でしばらく固まってしまいました。




ガンダムとの思い出が走馬灯のように流れます。





ガンダムのレンタルVHSを、
外側のケースごとレジに持って行って
嫌な顔をされた私。




キックボードで往復4時間のおもちゃ屋に
ガンダム買いに来たのに、
消費税分足りなくて帰った私。




母親が干した布団をひっかけて、
プラモ、ドミノ倒し。飛び散る四肢。
ギャン泣きの私。





図工でちょうちんにガンダム描いたら、
本番引火して、跡形もなくなった
あの日。





私はガンダムをゆっくり見上げて、
彼らの目をまじまじと見ました。




ガンダムはこう言っていました。







「大人になる時が来たのかもな。」








はっとしました。







そうだよな。





寂しくなるな…





虚しさと決意が混在する、
不思議な気持ち。





私は一つ一つ丁寧に箱にしまい、
廃棄していきました。





暫くして空っぽになった部屋。



女の子はキレイな部屋だね
と言って帰っていきました。



その晩の私




そして数か月が過ぎ、
ガンダムの喪失感が和らいできた頃。




その女の子が帰り際に、
「うちの部屋遊びに来ても良いよ」と
誘ってくれました。





おいおいおいおい…






(女の子の部屋ってどんな感じなん?)







(どんな感じなん!?)






ガンダムショックから一変。

急に丹田に力が湧いてきます。







ドキドキしながら、
お宅へお邪魔し、
二階の部屋に通させてもらいました。





ガチャリ…







ピンク色の部屋。





甘だるい匂い。






そして


四方壁一面にアイドルのポスター。






グッズ。うちわ。写真集。CD。DVD。
生写真。雑誌。
ぎっちぎち。






「…」









「俺のガンダムわい!!!!」





完。






あとがき

少年少女時代、
それぞれ夢中になるものありますよね。

いつの時代も、流行り廃り廻るものですが、
私は今でもガンダム好きです。

大人になることは諦めました。笑


それでは!


勝利の栄光を君に!


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