春見夏生(はるみなつき)

感情を言語化する練習中です🌻|23歳フリーター🫠|お話を考えるのが好き🧚🏻‍♀️|

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内気なガリ勉少年が、キラキラアイドルに憧れる話③

前回のお話はこちらです!⇧ 「おーい!ユウ!部活行くぞ!」 「うん!」 立花悠(たちばな ゆう)、 県立〇〇中学校2年生、ダンス部所属。 中学受験失敗の挫折から一年経ち、 地元の公立中学校に入学。 そして本日、始業式。 悠は学年主席で2年生に進級した。 相変わらず勉強への努力は惜しまないが、 周りの環境が小学生の頃と大きく変わった。 一つ目は、生まれてはじめて ''推し''という存在ができたこと。 何を隠そう、悠に初めて アイドルという存在を認識させた張本人、

    • 内気なガリ勉少年が、キラキラアイドルに憧れる話②

      前回のお話はこちらです! 悠が中学受験に失敗してから2週間。 相変わらず登下校以外で 家から出ることはない。 朝、適当に食パン1枚を食べて 身支度を整え登校。 帰ったらすぐ風呂に入り、 部屋に引きこもって勉強、 そのまま寝落ちして朝を迎える生活。 受験は終わってしまったけれど、 今まで勉強しかしてこなかった悠は 何もしたいことがなく、 何をすればいいかも分からず 中学の予習に勤しむ毎日なのだ。 今度こそ、失敗は許されない。 高校受験では、なにがなんでも 母さんの

      • 内気なガリ勉少年が、キラキラアイドルに憧れる話①

        小学6年生の冬。 立花 悠(たちばな ゆう)は、 生まれて初めての挫折を味わった。 「まさか…まさかユウが……… 春見中まで落ちるだなんて……………」 ガクリとうなだれながら、 ボソボソ小言を呟く母親の隣で、 悠は居た堪れない気持ちでいっぱいだった。 中学受験すると決めてから3年間、 ほぼ毎日塾に通い、友達と遊ぶ時間や、 学校のクラブ活動などを犠牲にしてきた。 授業の間にある5分休みすら、 単語帳を開いて暗記に勤しむ日々。 「ユウくん、放課後、みんなで駄菓子屋行く

        • 【3分で読める超短編】プロローグ

          ひんやりとした夜半の嵐が、サァっとわたしの頬を撫でていく。 辺りを見回すと、どこまでも常闇の世界。 それが酷く孤独で、甘美で、穏やかで。 真夜中のマンションの屋上は、まるで暗澹としたわたしの気持ちを表しているようだった。 やっと、楽になれる。 何も考えなくていい場所に、 誰からも干渉されなくて済む場所に、 もうすぐ行ける。 一歩一歩、静かに踏み出す。 まるで身体が宙に浮いているかのように軽やかで、フワフワ、フワフワ、フワフワ、 ああ、はやく、はやく飛びたい。

        内気なガリ勉少年が、キラキラアイドルに憧れる話③

          【3分で読める超短編】プレアー

          「辛いのは、あなただけじゃないからね」 この言葉は、わたしの心をギュウッとひねるように締め付ける。 苦しい。 ただひたすらに苦しい。 「そんなことをいちいち気にしていたら、この先やっていけないよ」 そうかもしれない。あなたがそう言うんだったら、きっとそうなんだろうね。 でも「この先やっていけない」って、一体どういう意味だろう。 この先、何か言われるたびに傷付いて、落ち込んで、たくさん泣いて、それの何がいけないんだろう。 「死ね」 「ブス」 「近寄んなゴミ」

          【3分で読める超短編】プレアー

          あなたにとっての優しさが、わたしの傷になっていく

          あなたは、ある時突然、なんの前触れもなく、涙が止まらなくなったことはありますか? わたしはあります。今です。 今、泣きながら、この文章を書いています。 去年のちょうどこの時期、初めてメンタルクリニックを受診した。躁うつ、強迫性障害との診断を受けた。親には話せなかったので、自分のバイト代で通院していたが、処方された薬のおかげで少し気持ちが落ち着いてくると、決して大きい額じゃないバイト代が勿体ないと感じ、半年ほどで通うのをやめてしまった。 そして現在。多分だけど、去年より

          あなたにとっての優しさが、わたしの傷になっていく

          「子供は好き?」の最適解ってなんですか

          「あなたは子供が好き?」という質問が苦手である。誰しも、生きてきた中で一度は聞かれたことのある質問ランキング第2位くらいにランクインするのではないか。しないか。 とにかく、私はこの質問が苦手だ。なんとなく違和感を感じる。そして、いつも答え方が分からず、結局「ん〜、好きか嫌いかって言われたら、好きかな」なんて、心にもない回答をしてしまう。 だってさ、そんな質問してくる人達に、逆に問いたい。 「あなたは大人が好きですか?」って聞かれたことある? その質問ムズない?だって大

          「子供は好き?」の最適解ってなんですか

          ヘルシーに生きたいから、今日の夕飯はカツカレーうどんにした

          「ヘルシー」という言葉から、あなたは真っ先に何を連想するだろうか。私は、「ダイエット」「低カロリー」「野菜」「スムージー」という4つのワードだった。 実際、私の中で「ヘルシーな料理」というと、低カロリーで、野菜やら果物やらがふんだんに使われていて、動物性の食材があんまり入ってなくて、''素材の味が活きてます!''なんて謳い文句を掲げた薄味のごはん…なんて凝り固まったイメージだった。 だから、 healthy(ヘルシー)=健康な、健康的なって本来の意味を初めて知ったときは

          ヘルシーに生きたいから、今日の夕飯はカツカレーうどんにした

          それでも、ポロイチのスープは必要なんです-西加奈子「ごはんぐるり」を読んで

          本を読むのが好きだ。作家、なのでもちろんだが、特に小説を読む際、私が必ず立ち止まってしまうところがある。食べ物が出てくる場面である。                     「ごはんぐるり」-西加奈子 p.26 このページを読んだ瞬間、「もしかしてこの人、私と似てるかも…」なんておこがましい考えが、 直感的にスンッと私の脳裏をよぎった。そもそも自分、小説家でも何でもないくせに。 これは、小説家・エッセイストである西加奈子さんの、「ごはん」にまつわる様々なエピソードが収録さ

          それでも、ポロイチのスープは必要なんです-西加奈子「ごはんぐるり」を読んで

          今日も飯が美味いからダイエットやめるわ

          今年に入り、日本のみならず世界を震撼させた、新型コロナウイルス。 そして突如訪れた自粛期間。身近な所で言うと、学校やアルバイト先、通っていたエステなど、様々な業種・業態の営業停止が相次いだ。 「不要不急の外出は禁止」というワードが日本中を飛び交い、誰もが神経質になる。週末や休みの日は基本的に何も予定を入れず、ずっと部屋でゴロゴロしているインドア人間の私ですら、少し息苦しくなるくらいのピリピリ感。 特にその時期、ちょうど父の入院予定日と重なっていたり(少し延期されたが、結

          今日も飯が美味いからダイエットやめるわ

          夢を追う者には負うべき責任があるらしい

          先日、半年振りに会った友達にこんなことを言われた。 「夢があってそれに向かって努力してる人って、側から見たら格好良く見えるけどさ、当の本人は必死すぎて全然そんな風に思えないよね。」 お、おう。急にどうした。 もちろん、久し振りの再会で開口一番にそれを言われたわけではない。 昼過ぎに集合し、お互い大好きな韓国料理屋さんでランチを食べ、ふらふらとショッピングをしつつ、休憩のために入ったカフェでタピオカミルクティーをズコズコ飲みながら、これからの進路について話していたときの

          夢を追う者には負うべき責任があるらしい

          トラウマになった元バイト先のカフェで、初めてモーニングを食べてみたら意外と美味しかった話②

          こちらの記事の続きになっております〜 一度辞めると決めてからは、もう早かった。 「バイト 辞め方」「バイト 辞める 建前」「バイト 辞める理由」「バイト 大事な話 切り出すタイミング」などの検索履歴が、私のスマホに入ってるYahoo! JAPANを侵食していく。そしてそれらを読み込んでは、一人で何度もシミュレーションを行っていた。(なんのだよ) 母親に辞めると話したときは、さすがに少し驚かれた。娘のバイトへのモチベーションが低下していることは薄々気付いていたらしいけど、

          トラウマになった元バイト先のカフェで、初めてモーニングを食べてみたら意外と美味しかった話②

          トラウマになった元バイト先のカフェで、初めてモーニングを食べてみたら意外と美味しかった話①

          いや長い長い。タイトルが長い。 どういう事かと言いますと 話は2年前に遡ります。 ほろ苦いトラウマと、2年越しにやっと立ち直れたわたしのアルバイトの話。 私のバイトデビューは、高3の頃に始めた某チェーン店のカフェだった。 大学受験に失敗し、このまま卒業式を迎えるのは後味が悪すぎる……なにか、なにか新しいことをしたい!と思ったのがきっかけである。 だから、初めてのバイトの面接で一発合格したときは、受験で悔しい想いをした分、もう心からの大号泣。その姿は、もはやオリンピッ

          トラウマになった元バイト先のカフェで、初めてモーニングを食べてみたら意外と美味しかった話①

          焼肉屋で焼肉を食べない女の話

          何を隠そう、私の話ですね。 というのも、最近の焼肉屋さんって、サイドメニューがめちゃくちゃ充実してません? もともと肉が嫌いな訳ではないんだけど、肉より魚よりスイーツより、断然''炭水化物過激派''の私からしたら、ビビンバ・ラーメン・冷麺・クッパ辺りがメニューに揃い踏みだった場合、必然的にそこから食べたいものを厳選していく形に。 で、一度の食事で食べる量がそんなに多くない私は、その時点で肉をほぼ食べないことが決定する。 そうなると、「焼肉屋で肉を食べない邪道女」として

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          自分のセクシュアリティをぼんやり自認し始めたきっかけの話③

          こちらの記事の続きになっております〜 高校は、都内にある私立の女子校に進学した。 立地が立地ということもあり、千葉・埼玉・茨城など、生徒は様々な都道府県から通っていた。 中学でうまく馴染めず、すっかり内向的な性格になっていた私は、生まれも育ちも違う人たちと果たして無事に学校生活を送れるのか…という不安でいっぱい。 結果的に、3年間の高校生活は間違いなく今までの人生の中で最も充実した日々になり、心から大好きな生涯の友ができた。私の甘酸っぱ(くはな)い青春。 そんなキラ

          自分のセクシュアリティをぼんやり自認し始めたきっかけの話③

          自分のセクシュアリティをぼんやり自認し始めたきっかけの話②

          こちらの記事の続きになっております〜 点呼も終わり、先生たちも部屋に戻ったところで、いよいよ''魔の消灯時間''が始まった。 女子と男子、それぞれが3〜4部屋に割り当てられ、一部屋が大体4〜5人用くらいの広さ。だから、一部屋にクラスの女子全員(20人いかないくらい)が集まるって、なかなかの密度なんすよね。今じゃ絶対許されないディスタンスだわ…(遠い目) そんなギュウギュウの状態で、なんならちょっと廊下にはみ出してる人もいる中で、ついに恐れていた事態は起きた。 「それじ

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