【3分で読める超短編】プレアー
「辛いのは、あなただけじゃないからね」
この言葉は、わたしの心をギュウッとひねるように締め付ける。
苦しい。
ただひたすらに苦しい。
「そんなことをいちいち気にしていたら、この先やっていけないよ」
そうかもしれない。あなたがそう言うんだったら、きっとそうなんだろうね。
でも「この先やっていけない」って、一体どういう意味だろう。
この先、何か言われるたびに傷付いて、落ち込んで、たくさん泣いて、それの何がいけないんだろう。
「死ね」
「ブス」
「近寄んなゴミ」
「なんで生きてんの」
「触んなよ、菌が移る」
「その胸の傷、ゾンビみたい」
「悲劇のヒロインぶってんなよ、キモ」
今日も、心が殴られる。
わたしはまた、傷付いて、落ち込んで、たくさん泣く。
どうしたって気にしてしまう。
まるでサンドバッグのように、理不尽に、ボコボコに殴られて、どうして気にしないでいられると思うのだろう。
わたしは、あなたみたいにはなれなかった。
わたしは、あなたみたいに強くなれなかった。
わたしは、あなたみたいに強くなりたかった。
わたしは、弱くて臆病で泣き虫で、
いつだってあなたの顔色ばかり伺ってきた。
わたしは、そんなわたしを許せなかった。
わたしには、もう祈ることしか出来なかった。
神様、いつか
どうか、いつか
殴られても殴り返せなかった弱い自分を
殴られても殴り返さなかった強い自分だと
心からそう思える日が、来ますように。
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