古びた椅子を買い取って新しく蘇らせたら、思わぬ効果も生み出した

結論として伝えたいことは、新たな命を吹き込む作業で自分の心も凄く満たされたということです。いつでも何処でも手ごろに買えることが当たり前の中、古くなったものや既存の商品を自分好みに合わせてリメイクするということに注目が集まっています。古着や古い家具をリメイクして新たな商品として販売したり、サイズが合わない思い出の服を手直ししてもらうショップなどなど。

私は去年、家を引っ越したことで新たなソファを追加する予定でしたが、結果としてリクライニングチェアをリメイクすることになりました。

＞新しい物好きだけど、なにか味があるものが欲しい

ショッピングが大好きな私。毎週買い物に出かけます。特に欲しいものが無くてもショップウィンドウを眺めたりして、常にトレンドをチェックします。新しい物には目がないし、流行りものにも付いていきたい。だけど個性的でありたい。そんな自分の個性を尊重して今回の家具選びに時間をかけて、毎週末いろんなショップへ足を運びアイディアを膨らませました。

でも、なんとなく、本当に好きなものが見つからないことに疲れたな。と

＞じゃあ作ってみる？

うちの近所にはセカンドショップがあります。個人で不要になった物をドネーションして、新たに欲しい人のために安値で売るというシステムのショップです。

新しい物は好きだけど、古い物にも抵抗は無かったので、ちょこちょこ足を運んでいたショップの一つでした。

通常のショップ店頭でよく見る商品は、買い替えを念頭に置いているのか寿命が短いうえに、見た目が似てます。それに比べてセカンドショップで売られているものは、一枚板で一つ一つ丁寧に作られているし、オンリーワンのような雰囲気をもっていて、かつ重厚感のある家具が結構あります。

IKEAとかニトリで買うのもいいけど、今回は違う雰囲気を出したヤツを買おうかな。それにうまくアレンジできれば自分好みの最高なアイテムが作れるかも！と、当初欲しかったソファではなく椅子を購入しました。

そして解体作業、布をはいで、コーティングされた塗料もやすりで落とす。
それから生地をビスで止めて、塗料を施しました。

買った椅子はリクライニングが出来るように背もたれが鉄の棒で調整出来て、足置きも付いてます。足置きは蝶番で中に閉まうことも可能です。

解体作業中はこちら。

＞リメイクする意義ってなんだろう？

1.クリエイティビティーな時間
リメイクをするのはこれが初めて。そしてこの椅子は5000円程で購入しました。こんな家具改造みたいな経験無いし、安く買えたので失敗してもいいや、くらいの気持ちでいました。

が！やっぱり後悔したくなくて慎重に布と塗料を選びました。どんな仕上がりにしたいのか、想像に想像を重ねて、また何年も使えるような飽きの来ないデザインってなんだろう、と。

考えてる間、あーもうわかんなくなってきた！と発狂しそうになりましたが、自分の思い描く理想の椅子に近づけたくて一生懸命に考えてました。

2.購入品の自慢話ではなくて製作秘話になる
作っている過程でもそうでしたが、話題性があります。人が興味を持ってくれるから嬉しいし、褒められた気分になる。特に気づいたのはリメイクをすることで、話題が自慢話から製作秘話になるので興味をもって話を聞いてくれるし会話が自然と弾みます。どこで大変だったとか、どこをこだわったとか、自ら作ったものだから気持ちも入るし、嫌みがないのかなと思います。

3.平凡な毎日にアクセント
仕事＞＞家事＞＞掃除＞＞テレビ見る＞＞就寝＞＞仕事＞＞家事＞＞
のように毎日やることが一定化していて、どことなくつまらない。でもリメイクしている時間が、スポーツしてる時のようにマインドリセットをしてくれる存在になっていたなと感じます。それに加えて私センスがあるのでは？と少し自信が湧き出ました。それくらい心に潤いと充実感を与えてくれたんだと思います。

＞愛があればごみなんてないのかもしれない

安くて欲しい時に欲しい物が手に入る時代に入ったからこそ、オリジナリティーを求めていた私。心が潤って、充実感に満たされ、完成品の仕上がりに自信と誇りを持てる素敵な結末にとても満足してます。

過去に読んだ、あるインタビュー記事に「愛があればごみなんてないのかもしれない」と書かれててすごく心に響いたのを思い出します。

取材を受けた方は、古着に新たなデザインを加える若いファッションデザイナーでした。一見するとガラクタだけど、手を加えることで新たな価値を生み出して、また人に愛されていく。モノカルチャーの弊害で見失われつつある商品の価値を再発見できればゴミに悩まされる私達は昔話になるかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございます！