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私は旅に出た。君は好きにしろ。06

◆やるべきことなんて何もないということ。

お金が必要だから、働かなきゃいけない。明日学校だから、寝なきゃいけない。勉強しなきゃいけない。家に帰らなきゃいけない。ごはんを作らなきゃいけない。掃除しなきゃいけない。人に優しくしなきゃいけない。成果を出さなきゃいけない。

これら全部、旅に出たらしなくてもいいことになりました。

好きなときに寝て、好きなときに起きる。お腹が空いたら何か食べて、飽きたら次の街へ行く。苦手な人とは良いタイミングでさようならして、また新しい出会いを求めて旅を続ける。今の私の肩書きなんて誰も興味を持っていない。海外に出た私は、日本から来た22歳の旅人でしかありませんでした。しなきゃいけないことが何もなくなったら、自分が本当にやりたいことに素直になれました。

あなたが今重荷と感じているそれは、本当にやらなきゃいけないことですか?他の方法や、誰かに頼ることはできませんか?必要以上に自分だけで抱え込んでしまってはいませんか?

私は日本に帰国したあとも、やらなきゃいけないことでいっぱいいっぱいになってしまって、ほんとに自分がやりたいことをつい見失ってしまう時もあるけれど、そういう時はふらりと旅に出ます。

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モンゴルの首都からバスで7時間、ハラホリンという山間の集落へ行った時の話です。遊牧民のゲルを模したゲストハウスで宿泊し、昼間はなにもないモンゴルの草原を馬に乗って駆けたり、ヤギと戯れたり、毎日をのんびり過ごしました。その時の私は、なにがあった訳ではなかったけれど、旅を続ける理由を見失っていて、ただぼーっとするために田舎に来ていました。

お昼ごはんを持って歩いて登った丘が想像より何倍も高くて遠くて(ビルとかの建造物が何もなさすぎて距離感が掴めない)3時間かけて登った頂上から下を見下ろすと、地平線のずっと向こうまで山脈が連なり、合間に川が脈々と流れ、草原が広がっていました。そこで見た景色が、ずっと心に残っています。

この景色はきっと、わたしが生まれるずっとずっと前からこのままで、私が死んでからもずっとずっとこのままなんだろうなあと考えたら、自分が、自分の人生が、自分の悩みが、ものすごくちっぽけに思えて、何故か涙が出てきました。私が勝手に抱えていた謎の義務感やそれっぽい旅の目的は、この世界から見たら取るに足らないことでしかなくて、本当にやりたいことを優先しなきゃあっという間に人生が終わってしまうということを、距離も時間もすごく遠くまで見渡すことができる丘の上で、ひしひしと感じました。

ハラホリンでは夜になると、右の地平線から左の地平線まで空を180度ぐるりと天の川が流れるのが見えます。無数の星が頭上にきらめいている様子は圧巻で、自分が宇宙の中に飲み込まれた気持ちになります。トイレはその大草原のそこらへんで適当にどうぞって感じなのでそりゃもう何とも言えない開放かn.....(別にそういう趣味はないですから!)

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それからというもの、旅でやらなきゃいけないことなんて何もないし、続けたかったら続ければいい、帰りたくなったらいつでも帰ればいい。と気がついて、身軽に旅を楽しめるようになりました。別にわたしがここで続けてもやめても世界はまわりつづけるから。誰の為でもなく、ただ私は自分の為に旅をしているし、だからこそ自分の直感ややりたいことに素直にならなければ旅を続ける意味がないから。もちろん自分勝手にすればいいという意味ではないんですけど、あくまで行動するのは自分だという意味で。

それに笑顔で送り出してくれた私の大切な人たちは、わたしを信頼して、わたしの旅を一緒に楽しんでくれていたから、その時の私にできたことは、ただ心から純粋に旅を楽しんで、自分の糧にすることでした。

私も、今までたくさんお世話になってきたあなたが辛い顔はできる限り見たくないし、あなたが人生を楽しむために私にできることがあるなら喜んで手を差し伸べます。だからこそ私を信頼して欲しいし、あなたを信頼させて欲しい。

やらなきゃいけないことのうちで無駄になることはひとつもないと思います。あなたのやりたいことや達成したい夢の糧になることでしかない。毎日の行動に全く意味がないと感じたら、堂々とやめてしまった方が周りの人は笑顔になると思います。無意味に苦しんでいるだけのあなたを見て喜ぶ人間はいません。

一番良かった国は?とよく聞かれますが、わたしは迷わずモンゴルと答えます。あの時あのタイミングで、あの景色に出会えてよかった。


07につづく!


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著者:山口夏未
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