インターステラテクノロジズ
みんな一度はやらかしてしまう程に難しい、そんな挑戦をするロケットエンジンチーム
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みんな一度はやらかしてしまう程に難しい、そんな挑戦をするロケットエンジンチーム

インターステラテクノロジズ

こんにちは!インターステラテクノロジズ(以下、IST)広報チームです。
今回の社員インタビューは、ロケットのエンジンを作る、推進チームの3名です。

推進チームと行っても、役割は様々。エンジンのインジェクター(推進剤の噴射装置)の設計や、エンジンの燃焼試験、新たなエンジンの共同開発をスムーズに行うための調整などなど…驚くべきなのは、今回インタビューした3名はロケットエンジンの開発経験が元々あったわけでは無いということ!

航空宇宙業界以外からの転職をお考えの方、ぜひ読んでみてくださいね!


みなさんの経歴と入社のきっかけは?

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写真中央:金井竜一朗(かない りゅういちろう)2015年入社
私は元々ロケットをやりたかったんです。北海道の大学でロケットの先生を目指して博士課程に進んだのですが、私、研究が向いてなかったんです(笑)
学生のときに一緒に共同研究していたのが植松電機さんだったので、ISTのことはよく知っていました。先輩と一緒に赤平に行ってISTの横でエンジンの実験したり、ISTが大樹で初めて実験をやる時に見に行ったりしていて。見学に行ったら見たことがある装置あり、手伝いたいとお願いして何度か手伝っていくうちに、「この人達が一番早く宇宙に行けそうだ」と思ったんです。それで、ISTに入社しました。あのときの判断は正しかったって言えますね。

写真左:遠藤瞳(えんどう ひとみ)2017年10月入社
僕は新卒で瀬戸内の方にある造船会社に入社して、護衛艦の機関(エンジン部分)のメンテナンスに携わっていましたが、とにかく出身の北海道に戻りたくてその会社を辞めることを決めました。
北海道に帰ってどうしようかな…と思っていたときに、ISTにいる知り合いの存在を思い出し「ISTがあるじゃん!」って思ったんですよね(笑)その頃はMOMO初号機が、ロール制御のスラスターが推力足りないとかでくるくる回ってしまっており、それを開発する担当として参画しました。
大学生の時に鳥人間コンテストに挑戦していたくらいなのでロケットに興味がなかったわけではないのですが…僕の場合は北海道に帰りたいが7割でしたね(笑)

写真右:高尾和幸(たかお かずゆき)2020年4月入社
元々ロケットがやりたかったので、IHIに入社後にIHIエアロスペースで飛行機のエンジンの生産技術をやっていました。希望はロケットだったのですが、なかなか叶わず、漠然と「転職もありなのかな〜」と思っていたんです。
そんなとき、たまたま社長の稲川さんの講演を見つけ、買い物ついでに見に行ったんですよね。そしたらなかなか面白そうだなと。趣味がバイクなので北海道に行ったらツーリングついでに会社を見に行けそうだなと思って実際に会社に行ってみて、そこで金井さんと話しISTに転職するのも良いなと具体的に思ってきたんです。
転職して、自分は大企業のカルチャーが合わなかったんだと実感しました。ISTであれば念願のロケットに携われますし、大樹町には縁もゆかりもなかったですが、思い切って転職しました。

遠藤
本当にバイクでブーンって来たんですよね!へんなのきたな!?って思いました(笑)

金井
まじかIHIの人じゃん!って大盛りあがりでしたよ(笑)

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「推進」と言っても3人の役割は違いますよね?それぞれどんなことをしているんですか?

金井
共同研究開発を進めていくために必要な調整業務がメインですね!ISTは多くの企業や大学と一緒に、共同研究・共同開発をしているんです。特にロケットのエンジンは非常に難易度が高いので、多くの人の協力を得ているんですよね。例えば、ZEROエンジンの重要な役割を担っているターボポンプは、IST社員が室蘭工業大学に常駐して、基幹ロケットエンジンの開発経験者であり、今は室蘭工業大学で航空宇宙機システム研究センター長を務める内海先生の協力を得ながら研究したり、宮城のJAXA角田宇宙センターの方と一緒にインジェクターやターボポンプ部品の研究をしたりしています。
具体的には、例えばISTから部品を持ち込んで試験をさせていただく時に、この部品はいつまでに用意しないといけなくて、そうすると設計に必要な情報はいつまでに必要かなーというのを社内外の関わる人で相談したり、協業の進め方もその都度変わってくるので、今の進め方で大丈夫そうだっけ?というのを定期的に相談したり…相談していることが多いですね(笑)もちろん自分も計算してエンジンを作るというのもやりつつです。
ISTが研究開発しているものって、どんどんレベルが高くなっているんです。だから調整と言っても自分のレベルも高めていかなきゃいけないんですね。日々勉強ですし、自分も手を動かしてますし、理想としては社外でも社内でも困っているところに助っ人に入れるようなポジションになりたいなと思っています。

IST豆知識
現在ISTが飛ばしているのは『MOMO』という高度100kmの宇宙空間を経て海に着水する、弾道飛行を行う観測ロケットです。『MOMO』の技術を応用し、高度500kmの地球周回軌道に100kgの超小型人工衛星を運ぶロケット『ZERO』も絶賛開発中です。『MOMO』を飛ばしながら『ZERO』も開発するという、とっても面白いタイミングです!

遠藤
僕のメインは、エンジン系の試験チームのリーダーです。試験を行うにあたってISTが持っている自社のロケット射場(以下、射場)の試験設備を使用します。この試験設備自体も自社で作っているんですよ!そのため、社内の設備チームや電気チームとの調整、設備の施工を監督、射場の試験設備を動かすための手順書を作ったりしています。
試験はエンジンの製造中は実施しませんが、試験期間でエンジンを燃やしているときは2日に1回くらいの頻度でやりますね。2ヶ月くらい試験がない時は設備の改良をしています。
他にも、エンジンの一部であるガスジェネレーター(GG)の設計も担当しています。MOMOでは、飛行中に機体が回転してしまうのを防ぐために搭載されています。ZEROでは、タンクから吸い込んだ推進剤の圧力を上げて燃焼器に吐き出すターボポンプを動かすために使われています。

高尾
僕はエンジンのインジェクターと燃焼室の設計です。液体酸素とエタノールをそれぞれエンジンの中で霧状に噴射し混ぜ合わせる噴射装置がインジェクターで、そのインジェクターから出た霧状の推進剤に火をつけて燃焼させるのが燃焼室です。燃やすと体積が大きくなり圧力がかかり、燃焼室から出ているノズルからガスが噴射してロケットが飛んでいく、という仕組みです。
実はISTのロケットのエンジンは、複数人が設計したものを合わせてるんです。1人がロケットのエンジンを全て設計しようとすると1年はかかるんじゃないでしょうか…ISTは2〜3ヶ月で設計します(笑)
元々前職は生産技術だったので、製品設計は初めてのチャレンジなんです。他設計者や加工者と相談しながら、納期と値段と現実的な落とし所を模索しながら設計しています。


ロケットのエンジンの難しい部分を教えてください。

金井
全部難しいんだよなぁ〜(笑)
ZEROで共同研究開発しているものが、ターボポンプ、インジェクター、再生冷却です。これらは難易度が非常に高いので、社外の組織の方々とも一緒に研究開発しています。
MOMOとZEROのエンジンはやることが全然違うんですよ。
MOMOは、液体酸素とエタノールを、ヘリウムガスで押し出してエンジンに流しているんです。それを120秒間燃やすので、その間耐えられれば良いんです。(画像参考)
ZEROは、エンジン自身が燃料を吸い込んで圧を高めて噴射し、冷やしながら燃やすやり方です。吸い込む→昇圧する→冷やす→燃やす…まさに機械工学のバーゲンセールですね!

エンジン図解ピントル_文字あり5_2020

高尾
MOMOもZEROも、めちゃくちゃ高温なのでそれに耐えられる素材がなかなか無いんですよ。

遠藤
液体酸素を使うから、燃やすと3000度になるんですよ。そのままじゃ素材が持たないで溶けてしまうので、再生冷却という手法を使って冷やしながら燃やすんです。いま挑戦しているZEROのエンジンは、積んでいる燃料でエンジンを冷やしてから燃やすんです。

高尾
MOMOのエンジンは120秒間耐えられれば良いので、エンジンの素材を溶かし、溶けた素材で冷やしながら燃やしています。打ち水みたいなイメージです。

遠藤
ガスジェネレーターは低い温度の炎をつくるんです。酸化剤と燃料の比率をわざとずらして、素材が溶けないような温度の炎を作っているんです。少しでも噴射にムラがあったりすると、そこを起点にして溶けちゃったりする
ので、かなり気を使う部分ですね。

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ISTでのロケットのエンジンを作る仕事の面白さや、やりがいを教えてください!

高尾
自分で作れることですね!やはりどうしても大企業だと基本設計から携われないですし。自分で作ったエンジンだと堂々と言えるところが面白さだと思います。

遠藤
きれいな火炎が見られることが一番楽しいです!やった、自分が設計したエンジンで上手く燃えてくれた!って。自分が作ったり動かしたり出来るから楽しいですよね。あとはきついです(笑)

金井
膨大な時間と人とお金をかけてやっと作ったエンジンが、燃焼試験で120秒燃えて終わりなんです。それって花火とかライブとかに近いですよね。その120秒を成功させるために頑張っているんです。

遠藤
燃焼試験や本番の打上げで燃やすことが、僕たちのやってきたことの答え合わせなんです。だから…答え合わせするのがすごく怖いですよ、燃やす前はプレッシャーで吐きそうになります。

金井
そういう意味では、大学入試とか4年に1度のオリンピックみたいなイメージですよね!打上げ前の控室の空気はすごく重いですよ(笑)


他業界からの転職はどういう方が活躍できますか?

遠藤
ターボポンプだと、回転機械一般を経験された方
インジェクターは、自動車や燃焼系(ガスタービン、ボイラー)を経験された方ですね!

金井
熱、流体の気持ちが分かる人は活躍できます!つまり、理論的背景をきちんとわかっていて、実験の経験があって、更に自分で設計して失敗したことがある人、ですね。また、材料一般に詳しい人も助かります。ロケットエンジンは特殊な素材を使っていることが多いんです。

遠藤
どうしても高熱で持たない部分は耐熱材料で作るんですよね。既に詳しい人がいるともちろん助かりますが、勉強して詳しくなれる方であれば活躍できます

金井
あとは…折れない心を持っている人ですね…!

遠藤
確かに、自分が一生懸命やってきたことの答え合わせが0点だったときに、それを受け入れられる折れない心は大事ですね(笑)エンジンが動かなくて0点だったらまだよくて、設備も全て壊してマイナス点もありますからね。

高尾
ロケット打上げ時に自分の設計ミスで宇宙に到達しなかったっていうのはめちゃくちゃへこみますねw

金井
でも、この人がやらかしたと攻めることは一切ないです。協力し合って、意見出し合って、みんなで一緒にやっていくので。

遠藤
だいたいみんなやらかすんです。やらかさないと出来ないくらい難しいことに僕たちは挑戦してるんですから。


他業界からの転職に、条件はありますか?

遠藤
燃料と液体酸素を混ぜて燃やすなんてロケットくらいしか無いので、大抵みんな初めてなんです。だから各自の経験を活かしながらも、ロケットについては一から勉強するしか無いんですよね。

高尾
確かに3000度で燃焼するのは常軌を逸していますが、ソフトも、CADなどどこのメーカーで使っているようなものを使っています。なので、前向きに取り組んでくれている人なら大丈夫だと思います。

金井
そうですね!エンジン作りの経験を重視しているのではなく、チームメンバーと協力しながら、新しく勉強していくことに物怖じしなければ大丈夫です。

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他社とは違うISTの特徴はどんなところだと思いますか?

遠藤
日本企業にありがちな変な同調圧力がないのは仕事がしやすいですね!仕事中イヤホンで音楽聞くなとか、コーラ飲んじゃダメとか…そういうルールはなく、迷惑かけなければ自由にやって良いという雰囲気は、すごく働きやすいです。

高尾
手を挙げれば、自分がやりたいことを任せてくれる、どんどんやってみよう!の雰囲気がすごく良いと思います。

遠藤
あと、大企業はゼロリスクを狙いたいと思うんですが、リスクを気にしすぎない意思決定も特徴だと思います。

高尾
大きな企業になると、リスクがあるものに対して、リスクを避ける策を考えるのにものすごく時間をかけるんですよね。でもISTは、みんなの意見を踏まえてリスクを認めつつメリットがあるならやってもいいんじゃない?と言った形で意思決定していけます。
結果的にとてもスピーディーに開発が進んでいると思います。


どんな人と働きたいですか?IST推進チームのアピールポイントも教えてください!

高尾さん
物事を前向きに捉え、一緒に挑戦していける方ですね!基本的な製造に携わったことのある方であればベースは十分だと思うので、難易度の高い挑戦に一緒に取り組みましょう!

金井
ロケットのエンジンを作っている会社は非常に少なく、実際に作ったことがない人の方が多いです。日本のロケットの打上げ回数から考えても作れる環境自体があまりないんですね。なので、分からないからと言って引け目に感じる必要はありません。しっかりと勉強していける方であれば活躍できるポテンシャルが十分なので、入社してから一緒に頑張りましょう!

遠藤
やっぱりエンジンを作るって、ものすごく大変な作業なんですよね。国が長い月日と膨大なお金をかけてやっていることを、自分たちの手でスピーディーに低価格で実現するって、やっぱり難しいです!だからこそ、なかなか上手くいかないことも多くて苦しいこともあって…なので何回失敗しても立ち上がれる人が良いと思いますね。

金井
あと、モチベーションもスキルもあるのに活かせてない人の新天地として、ISTはおすすめです!手を挙げればチャンスが回ってくる、そんな会社ですから。自分でやるから苦しさを感じるし、上手く言ったときの喜びもひとしおです。一緒に宇宙を目指しましょう!


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インターステラテクノロジズでは、一緒に宇宙を目指す仲間を募集しています!詳しい募集要項はこちらをご覧ください!
http://www.istellartech.com/recruit

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10月1日に、初めてのオンラインミートアップを実施します!
お酒を片手に、気軽に担当社員のクロストークをお聞きいただけます。
質疑応答のお時間も用意しておりますので、普段気になっていることなど、ざっくばらんに質問してください!

第一回のテーマは、「推進・回転機械エンジニア」
■日時:2020年10月1日(木)19:00~20:30
■定員:100名

ロケットのエンジンを開発する推進エンジニア、ターボポンプ(ロケットの推進剤を燃焼器に送り込む)を開発する回転機械エンジニアが登壇します!
自動車業界でハイブリッドエンジンを開発していたメンバーや、国の研究機関でメタンハイドレートの生産技術開発をしてきたメンバーなど、多様なチームで構成される推進・回転機械チーム。
彼らがどのようにしてイチから開発をしているのか、JAXAや大学との共同研究体制は?
開発からの学びなどを紐解いていきます。

■タイムスケジュール:
18:55-    受付開始
19:00-19:45 乾杯!・クロストーク
19:45-20:30 質疑応答

応募はこちらから!
https://ist201001.peatix.com/

皆様のご応募、お待ちしております!

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採用に関するご質問は、こちらへお願いいたします。
http://www.istellartech.com/contact

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インターステラテクノロジズ
インターステラテクノロジズ株式会社は、北海道大樹町に拠点を置くロケット開発企業です。「誰もが行ける宇宙の実現」を目指して、世界一低価格で便利なロケットを作っています。2019年5月、観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」を打上げ、国内の民間企業で初めて宇宙空間に到達。