本を手放して1ヶ月の読書家は何を感じたか
本を手放して1ヶ月以上が経過している。
その時の事は、いくつかの記事にしているので、気が向いたらこれらを見てほしい。
実に10年以上溜め込んだ本の9割以上を手放した。
理由としては、電子書籍で読書する方が便利で快適になったからである。
紙の本に余程のこだわりがない人は、一度試して見て欲しいが、きっと気に入ってくれる事だろう。
僕は、読書が好きで本を集めていたわけだが、先月までそれらを手放さなかったのは、「何か嫌な感覚がある」と感じていたからだった。
本は知識をくれる友人みたいなものだから、手放すのがなんとなく嫌だったのだ。
しかし、どれだけ大切な友人だとしても、数年間放置していた友人もいるのである。
もし、僕が数年間も放置されたら、きっと友人という認識を変えてしまうだろう。
だったら、他の人の手に渡って活躍してもらう事の方が、友人にとっても、僕にとっても幸せだ。
そう思える様になった事が、本を手放すきっかけになっていった。
では、実際に本を手放してどうだったのか。
一言で表すのなら、新鮮な気持ちと言える。
近しいのは、引っ越しをする時に、いつもの部屋を空っぽにした感覚である。
このように書くと、とても悲しいだけの風景が想像できるが、そうではない。
確かに、一抹の悲しさはある。
本の背表紙を見て、「そう言えばあの時はあんな事で悩んでいたなぁ」と言うことが無くなってしまうからだ。
それは思い出を捨ててしまう事に近しいからである。
一方では思い出したくもない事まで引き摺って、身重になってしまっている事もしばしばだった。
過去にすがると言う事である。
それは、鼻先に見たくもない卒業アルバムを突きつけられている様なものである。
思い出とか良い時の記憶などは、写真でたまたま観て思い出すぐらいがちょうど良い。
何より、本当に大切な記憶は鮮明に頭に残っているものだろう。
思い出も、情報も、積極的に身重になる必要はない。
だから、適正にそれらを手放す事も必要だ。
実際に、大切だった本は「やっぱり読み返したいな」となって、Kindleの中に戻って来ている。
手放すことで、その大切さを再確認することができるのだ。
人が遠方に旅行して、「やっぱり家が一番落ち着く」となる感覚なのではないか。
やたらに集めるぐらいなら、一度手放してみる事を勧める。
その行為が、あなたの本当に大切なものを気付かせてくれるからである。
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