子どもの「今」か、私の「夢」か。
「小学校変わるのはイヤだ。でもお母さんと離れたくはないし、新しい家もつくってほしい」と次男に泣かれた母です。
……これには、まいりました。
正直なところ、たぶん私が「実家の近くに家を建てるのはやめる」と言えば、すべて丸く収まるんだろうなと思いつつ……。
事の発端は、さかのぼること10年ほど。
実家が火事で全焼し、そこで祖母が亡くなりました。
その2年前の祖父の葬式にも仕事の関係で立ち会えず、「両親だけは絶対に看取りたい」という気持ちが強くなっていました。
そのため、結婚した際も「40歳くらいをめどに実家に帰る」と言っており、子どもができて仕事復帰する際もリモートワーク一択で仕事を選びました。
コロナ初期に仕事が激減して、家を建てるどころではと思ったものの、なんとか盛り返し、安定して収入を得られるようになってきたここ数年。
そして、たまたま実家近くの土地を親戚から譲ってもらい、準備は整った!動き出せる!という状況に。
旦那氏は仕事の関係でしばらくは今の家にいる形になると思うので、私と子どもたちで、もしくは私だけ移り住む形で、家づくりの計画をスタート。
子どもたちには「お母さんにはどうしてもやりたいことがあってね……」と、今回の移住の話をしました。
最初は「ふ〜ん」だったり、「僕はお母さんと行く」「僕は小学校終わるまではお父さんといる」だったり、反応はまちまち。
その後、良い工務店さんにも出会え、概算見積もりまでなんとかたどり着いた現在。
本格的に家づくりがはじまりそうな気配を感じたのか、子どもたちから移住について聞いてくることが増えました。
そのなかで言われるのが、
「新しい家ができるのはすごく楽しみ」
「新しい家でペット飼うの!」
「でも、今の学校が好きだから、そのまま通いたい」
「でも、お母さんとは離れたくない」
「でも、友だちと離れるのはイヤだ」
「でも、おばあちゃんのところにも行きたい」
という葛藤の言葉。
長男も次男も今の小学校が本当に好きで、離れるのだけがイヤだとのこと。
旦那氏は今の家に残るので、主たる保育を旦那氏に任せ、私のメインは新しい家で、月何回か戻ることはできると伝えると「お母さんと離れるのはイヤだ」の一点張り。
子どもたちの「今」を考え、「子どもの手が離れてから行く」という選択肢もあるのでしょうが……
私がやりたいことは、その選択肢では「後悔」する可能性がある。
私の一番は「もう後悔したくない」だから。
だから、子どもの手が離れてとか、老後とか、そんな先は待てない。
年数回帰っていた10年前ですら、間に合わなかった。
帰ったら、祖父は遺灰だった。
飛んで帰ったら、祖母は焼死体だった。
もうあんなツラい思いはしたくない。
子どもたちには、それも全部伝えている。
だからこそ、次男は冒頭のように泣いてくれた。
でも、次男の涙を見て「なんて自分勝手な母だろう」と私も泣いた。
「ごめん」しか言えずに、なんだか疲れて、次男に「もう家建てるのやめようか?ここにずっといたらいいんだよね」と呟いた。
そうしたら次男はブンブンと首を横に振ってくれた。
さらに泣けてきて「やっぱりやりたいことは諦めたくない」と強く思った。
だから、私も最大限の選択肢を模索して、子どもたちに提示しよう。
それで子どもたちがどんな選択をしても、お互いがちゃんと前を向いて進めるように、これからもたくさん話をしよう。
そう思った今日の夜のできごと。
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