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七澄シロ
2019年4月27日 23:45
僕の世界が終わった日、僕は僕を見失った。公園にも屋上にも桜の下にもいなかった。時計だけがお喋りする部屋で僕は僕を探してた。漏れる光を遮ろうとカーテンに手をかけたとき、窓から覗いたのは月だった。誰を照らすでもない月が僕を照らしていた。月が僕を見つけた日、世界はまだ続くのだと知った。(見つけたのは、どちらだったんだろう)■ □ ■■ □ ■■ □ ■炭酸ソーダの雨様の土曜日の電
2019年4月20日 20:00
綺麗なものを見ると涙が出る、という嘘を君はまだ信じているらしい。君と見る景色はいつだってぼやけて淡い。涙に慌てる顔も空も花も、本当は滲んでいてよくわからない。でもこれが幸せの色なんだろうと気付いた日からずっと、世界は綺麗だ。君にはどんな色が見えてるの、いつか聞くから考えておいて。■ □ ■■ □ ■■ □ ■土曜日の電球企画へ参加\(ˊᗜˋ*)/週末のいい習慣になってきま
2019年4月13日 19:41
近すぎると見えないから、と彼女は離れて行った。一歩、三歩、十歩、ゆっくりと後ずさっては僕との距離を広げていく。降り落ちる花びらが遮って視線はもう交わらない。「本当は、」生温い風が声と春を攫ってく。ぼやけた輪郭から目を逸らして、真っ白な明日を見上げた。春はもう見えなくなっていた。■ □ ■■ □ ■■ □ ■土曜日の電球様企画『霞む視界』。