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ドラマ【虎に翼】名台詞集

2024年NHK朝ドラ「虎に翼」より、心に残った台詞をまとめました。
視聴する都度、追加してアップデートしています。


●作品情報

公式サイト


●名言集

第1週

ここに自分の幸せがあるとは到底思えない

「お母さんの言う通り、結婚は悪くない、とはやっぱり思えない。なぜだろう。親友の幸せは願えても、ここに自分の幸せがあるとは到底思えない。というか、なんだ?したたかって。なんで女だけニコニコこんな周りの顔色を窺って生きなきゃいけないんだ?なんでこんなに面倒なんだ?なんでみんなスンとしてるんだ?なんでなんだ?」

「虎に翼」第1週(4) - 猪爪寅子

女は結婚するもの。それこそが女の幸せだ。
当たり前のようなその価値観にどうしても納得のいかない寅子が、女として歌を披露しながら言った心の叫びです。


先生は私の話を遮らなかった

「婚姻制度について調べれば調べるほど、心躍るどころか心がしぼんでいく。結婚がいいものだなんて思えない。吹き込まれてなんていない。けど、先生は私の話を遮らなかった。それどころか、もっと話をしろ、話を続けろって。そんな風に大人に言われたことなんて今まで一度もなかった。それだけですごく嬉しかった。」

「虎に翼」第1週(4) - 猪爪寅子

穂高先生と出会い、結婚ではなく大学に進学し法律を学びたいと決めた寅子が、母のはるに言った言葉です。
「当たり前」とされる価値観に違和感を抱きながらも、それ以外の世界を知らなかった寅子にとって、穂高に出会い、穂高が自分の話を聞いてくれたことは、とても大きな刺激となりました。

頭の悪い女のふりをするしかないの

「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかないの。」

「虎に翼」第1週(5) - 猪爪はる

進学を選ぼうとする娘に、母のはるがかけた言葉です。
結婚をして家庭に入ることが本当に幸せなのか、疑問を抱きながら生きているのは寅子だけではない。
はるも、色々な思いを飲み込みながら今の人生を選択してきた女性の1人でした。
世の中の難しさ、現実の厳しさを知っているからこその、娘の幸せを心から願う母親としての言葉でした。

無責任に娘の口を塞ごうとしないでちょうだい

「何が時期尚早ですか。泣いて逃げ出すですか。そうやって女の可能性の芽を摘んできたのはどこの誰?男達でしょう。自分にその責任はないと?そうやって無責任に娘の口を塞ごうとしないでちょうだい。」

「虎に翼」第1週(5) - 猪爪はる

女が男と肩を並べるのは無理だと寅子に言う桂場に対して、寅子の母・はるが言った言葉です。
口を塞がれてきた1人の女性として、そして娘の可能性を本心では奪いたくない1人の母親としての、とても強い言葉でした。
自分の娘の人生に責任を持つ母親として寅子を説得しようとしてきたはる。
何も知らない男が簡単に無責任に寅子の口を塞ごうとしたことが許せませんでした。

第3週

誰かをけなしていいわけじゃない

山田よね「いい加減にしてくれ。あんたの時間稼ぎにこの場所を使うな。結婚から逃れられるならなんでもいいんだろう?他にも興味本位や主婦の暇つぶしとか、私はあんたらと違って本気なんだ。本気で弁護士になって世の中を変えたいんだよ。」
桜川涼子「…ごめんあそばせ、よねさん。私が結婚から目を背けるために勉学に励んでいるのは事実。」
猪爪寅子「…はて。私もそうですよ。動機はどうであれ、今ここに残ったみんなは一生懸命勉強して次に進む道を探している。それだってよねさんと同じ本気ってことじゃないかしら。」
山田よね「お前らと一緒にするな。私の本気は…」
猪爪寅子「たとえあなたの本気が勝っているからって、誰かをけなしていいわけじゃないと思うの。本気なんて目に見えないもので、どっちが上とか下とか、それこそくだらないことじゃないかしら。」

「虎に翼」第3週(12) - 猪爪寅子

自分と周囲の熱量の差を感じて苛立つ山田よねに対して、寅子がかけた言葉です。
事情や境遇は違えど、皆それぞれの想いを持ってこの場所に学びにきている。
寅子は、よねのことも、涼子のことも否定しない。
皆がここで学ぶ仲間なのだと、この地獄で闘う同士なのだということを、まっすぐによねに伝えた台詞でした。

今日があったから

「今日があったから、法廷劇に納得がいかないあなた達が正しかったって分かったわけでしょう?おまんじゅう1個にさまざまな考えを巡らせることが出来たのも、先生方の無意識に私たち女をなめている考え方も、おまんじゅう作りを楽しむことが出来たのも、今日があったからでしょう?」

「虎に翼」第3週(15) - 猪爪はる

法廷劇の題材について議論を深めようと取り組んだ時に、その題材自体が、大衆の関心を惹くように教授に脚色が加えられたものだったと知り、1日を無駄にしたと怒ったよね。
そんなよねに対して、隣で話を聞いていたはるが言った言葉です。
良いことばかりでなく、悪いことも、腹が立つことも、虚しく思うことも、"今日があったから"、経験出来たこと。
結果がどうであれ、社会がどうであれ、そのことに向き合った自分の時間を、自分の気持ちを、自分のことを、無駄だなんて言うべきではない。
そんな思いが伝わる台詞でした。

居場所になりたいの

-猪爪寅子「みんな辛いなら、私はむしろ弱音、吐くべきだと思う。」
-山田よね「弱音なんか吐いたところで何も解決しないだろう。」
-猪爪寅子「うん、しない。でも受け入れることは出来るでしょ?私、皆さんをとりまく問題に何も出来ない。でもせめて、弱音を吐く自分を、その人を、そのまま受け入れることが出来る弁護士に、居場所になりたいの。」

「虎に翼」第3週(15) - 猪爪寅子

学校での友人との出会いや、親友の結婚など、さまざまな経験をしながら、寅子の法律に対する思い、なりたい弁護士像が少しずつかたちづくられていく、その様子を感じられる台詞でした。
勝つとか負けるとか、罰を与えるとかこらしめるとか、そういうことよりも、まず苦しい思いをしている人の思いに寄り添いたい。
そんな寅子の気持ちが感じられます。

第4週

幸せならなんでもいいよ

「不純でもなんでも、父さんトラが幸せならなんでもいいよ。」

「虎に翼」第4週(16) - 猪爪直言

寅子の部屋に酔っ払って帰宅した父・直言がやってきて、寅子にかけた言葉です。
寅子の進路に対して、本音では心配していたであろうに、これまで何も言わず、穏やかに背中を後押ししてきた父。
このまま法の道を進んでも、別の選択をしても、寅子が幸せであればなんでもいい。
父親としての想いが感じられる台詞でした。
一方で、この台詞には何やら不穏な出来事の伏線のような印象もあり。
お父さんに何も起こらないと良いのですが…。
今後どうなるのか、父娘の関係にも注目です。

君とは議論はしないぞ

「君とは議論はしないぞ。今日はハイキングだからな。」

「虎に翼」第4週(18) - 轟太一

寅子や花岡たちとハイキングにやってきた轟が、よねに対して言った言葉です。
今日はハイキングだから、いつものような小言の言い合いや議論はしない。
普段は議論が白熱し言い合いのようになってしまう相手とも、嫌な空気は引きずらずに、オンとオフをしっかり切り替える。
おそらくこの後の物語でもキーになってくるであろう、轟のフラットでおおらかで男らしいところが垣間見える台詞でした。

いつ男になりたいと言いましたか

「はて、私がいつ男になりたいと言いましたか?」

「虎に翼」第4週(18) - 猪爪寅子

ハイキングで花岡と言い合いになった寅子が言った言葉です。
女性が男性と同じように学びの機会を得て、働く機会を得ようとしていく時、男性が社会の中でつくりあげてきた価値観や基準値がベースになることは、今の時代にも多い。
女性が機会を得ていくことと、男性に合わせていくこと、男性のようになることは、イコールではないはずなのに。
今の時代にも通じる台詞だったと思います。

特別扱いされたいんじゃない

-花岡悟「君たちはどこまで特別扱いを望むんだ。男と同様に勉学に励む君たちを、僕たちは最大限敬い尊重している。特別だと認めてるだろう?」
-猪爪寅子「私たちは特別扱いされたいんじゃない。特別だから見下さないでやっている?自分がどれだけ傲慢か理解出来ないの?」

「虎に翼」第4週(18) - 猪爪寅子

ハイキングで言い合いになった花岡と寅子の会話です。
花岡は、いわゆる女性蔑視の人物だとは現時点では思いません。
寅子たちが法を学ぶことを認めていないわけではないと思いますし、ある程度のリスペクトもしているように感じます。
でも花岡はきっとそれを、いつも頭で考えて意識して実践している。
例えば轟は、もっとフラットで、授業やハイキングのシーンでも表現されているように、女だからどうこうという考えをそもそも持っていない、しないように見えます。
一方花岡は、いつもあるべき自分の姿を意識して、頭で考えて寅子たちに接している。
花岡のそれが間違っているとは思いませんし、この時代にそうやって行動が出来る男性は貴重だったのだろうと思います。
それでも、根底にあるしみついた価値観が零れ落ちてしまった。
そんな台詞でした。

俺が男らしさだと思っていたもの

「花岡、俺はな、自分でも信じられないが、あの人たちのことが好きになってしまった。あの人たちは男だ。俺が男の美徳と思っていた強さ優しさを、あの人たちは持っている。俺が男らしさだと思っていたものは、そもそも男とは無縁のものだったのかもしれんな。」

「虎に翼」第4週(19) - 轟太一

退院の日に花岡に轟がかけた言葉です。
轟の中にあり貫こうとしていた男の美徳。
たとえば弱い者を守るとか、信念を貫くとか、強い意志を持ち己に負けずに進むことなのかなと思います。
轟ももしかしたら、女なんてと昔は思っていたかもしれませんが、寅子たちと接するうちに、その美徳を彼女たちが持っていることを知った。
きっと彼女たちを尊敬し、憧れるような想いが、素直に湧き上がってきたのだと思います。
これが、轟が寅子たちに対してフラットに接していた背景だったのですね。
花岡もきっと、轟にとっての男の美徳を持っていた人物だったのだと思う。
変わってしまいそうな花岡を見過ごせず、まっすぐに想いを伝えたこの轟の言葉は、今の時代にも通じるものがあり、心に残りました。


本当の自分があるなら、大切にしてね

-花岡悟「こんな人間になるはずじゃなかったのに。カフェでちやほやされたくらいで調子に乗って浮かれたり、仲間になめられたくなくてわざと女性をぞんざいに扱ったり、帝大生に引け目を感じて皆さんを尊敬してるのに無駄にかっこつけたり、将来の数少ない椅子を奪われるようで妬ましくて恐ろしく思ってしまったり、どの自分も嫌いで、どれも偽物というか…本当の俺じゃなくて…」
-大庭梅子「ううん。どれもあなたよ。人は持っている顔はひとつじゃないから。たとえ周りに強いられていても、本心じゃなくて演じているだけでも、全部花岡さんなの。」
-花岡悟「…そうですよね。この期に及んで自己弁護ばかり…」
-大庭梅子「そりゃ自分が可愛いのは当たり前。でも、花岡さんが思う本当の自分があるなら、大切にしてね。そこに近付くよう頑張ってみなさいよ。年とると本当の自分みたいなの、どんどん忘れちゃうんだからね。」

「虎に翼」第4週(19) - 大庭梅子

退院して花岡が梅子にハイキングのことを謝罪をした時の会話です。
花岡も花岡で、"男として" "男らしく"の呪いとプライドの中で、自分を演じたり、葛藤したり、迷ったりしながら過ごしていたのでしょう。
男も女もみんな、必死だったんですよね。
梅子さんの言葉は、そんな花岡を否定せずに包み込むような温かいものでした。
母親を幼い頃に無くした花岡にとって、きっとこういう言葉をかけられたことはなく、常に父親に男らしくと厳しく育てられたのかもしれません。
花岡の心が少しほぐれた会話でした。




以上、ドラマ「虎に翼」の名台詞集でした。

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