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ドラマ【虎に翼】名台詞集 (14週~)

2024年NHK朝ドラ「虎に翼」より、心に残った台詞をまとめました。
視聴する都度、追加してアップデートしています。


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▼第1週~第13週はこちら

第14週

理想は掲げ続けなきゃただのゴミくず

「現実って何ですか?理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ。」

虎に翼 第14週(67) - 佐田寅子

現実を見ろ、綺麗事だと、掲げる理想に対して散々の言われようだった状況で、寅子が怒りながら言った言葉です。


うまくいかなくて腹が立っても意味はあります

-佐田寅子「民法だけじゃない。新しくて理想的なことを行うためには、相当の工夫や努力と日時を要するもの。学生時代から心底わかっているはずなのに、うまくいかないと腹が立つ。ごめんなさい、愚痴です。忘れて。」
-星航一「悩む意味あります?言ってたでしょう、その時の自分にしか出来ない役目があるかもしれないって。だから、うまくいかなくて腹が立っても、意味はあります。必ず。」

虎に翼 第14週(68) - 星航一

本の改稿作業を終えた寅子と星の会話です。
この星の一言が、寅子をもう一度立ち上がらせました。


おかしいと声をあげた人の声は決して消えない

-猪爪直治「二人なんて、それっぽちじゃなんも変わらないよ。」
-佐田寅子「ううん。そうとは限らない。判例は残る。たとえ二人でも、判決が覆らなくても、おかしいと声をあげた人の声は決して消えない。その声が、いつか誰かの力になる日がきっとくる。私の声だって、みんなの声だって、決して消えることはないわ。何度落ち込んで腹が立ったって、私も声をあげる役目を果たし続けなきゃね。」

虎に翼 第14週(68) - 佐田寅子

とある事件の判決を巡り家族で話し合っていた際の寅子の言葉です。
寅子も、何年も声を上げ続け、くいしばってきました。
この話をした後、寅子は娘・優未の寝顔を見つめます。
もしも今、自分が報われなかったとしても、あげ続ける声はきっと、未来のためになる。
そう信じ直して、もう一度立ち上がります。


心から誇りに思う。それを伝えたかった。

「すまなかったね佐田くん。私は古い人間だ。理想を口にしながら、現実では既存の考えから抜け出すことが出来なかった。だが君は違う。君は既存の考えから飛び出して、人々を救うことが出来る人間だ。心から誇りに思う。それを伝えたかった。」

虎に翼 第14週(70) - 穂高重親

寅子と悔いを残したまま別れそうになった時、穂高が自ら寅子の元へやってきて、寅子に言った言葉です。
寅子を叱るとか、許すとか、そういった話ではなく、ただ君のことを誇りに思っているということを伝えたかった。
人として、とても素敵だと思いました。
これを受け、寅子も、穂高の教え子であることを誇りに思っていると伝えます。

君もいつかは古くなる

「よかった。最後に笑ってすっきりした顔でお別れ出来そうで。佐田くん。気を抜くな。君もいつかは古くなる。常に自分を疑い続け、時代の先を歩み、立派なでがらしになってくれたまえ。」

虎に翼 第14週(70) - 穂高重親

寅子たち次世代にバトンを託す穂高が、寅子にかけた言葉です。
時代は変わり、自分も老いる。
その中で、常に未来を見据えて、未来のための仕事をする。
穂高の言う通り、自分自身を疑い向き合い続けなければ、成し遂げられることではありませんね。

頼る大人は親である必要はない

「栄二くんが頼る大人は、親である必要はないの。」

虎に翼 第14週(70) - 佐田寅子

両親が互いに親権を押し付け合う中で、優しくしてくれた大人は浮かぶかと寅子に聞かれた栄二は、父親の姉の名をあげました。
その後、栄二は父親の姉のもとで暮らすことが出来るようになりました。
本当は、親に頼ることが出来るのが一番よい。
でもそれが叶わなかった時、親子だからとそばにいなければならない苦しみを、子どもだけが背負う必要はない。
最後、栄二が家裁を去る時に初めて見せた笑顔に、ほっとするシーンでした。

道徳は道徳、法は法である

「この度の判決は、道徳の名のもとに、国民が皆平等であることを否定していると言わざるを得ない。法で道徳を規定するなど許せば、憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳、法は法である。」

虎に翼 第14週(70) - 穂高重親

尊属殺に対する穂高の意見です。
道徳は道徳、法は法。
結局この時には穂高の意とは異なる判決になりましたが、穂高があげた声は、寅子たちには確かに聞こえ、響いている。
そして、その先の未来に繋がります。


第15週

適正は個々の特性で決められるべきで男女は関係ない

「はて。家庭裁判所の裁判官の適正は、個々の特性で決められるべきで、男女は関係ないのではないでしょうか。長官の発言は、今家裁で頑張って働く男性裁判官への配慮にも欠けますし、家裁は女の場所といった思考は、いずれ必ず間違った偏見を生みます。私は、真の女性の社会進出とは、女性用の特別枠があてがわれることではなく、男女平等に同じ機会を与えられることだと思います。」

虎に翼 第15週(72) - 佐田寅子

ラジオに出演をした際、「家裁は女性が輝ける場所」「家裁は女性裁判官にふさわしい」と長官に言われた寅子の言葉です。

職員一人の異動で痛手を負うような組織形態

「お言葉ですが、問題は職員一人の異動で痛手を負うような組織形態かと。」

虎に翼 第15週(72) - 桂場等一郎

寅子の新潟への異動が決まり、困ると騒ぐ多岐川に対して、桂場が言った言葉です。
今の世の組織形態にも、当てはまる部分がありますね。

家族に目を向けられないくらいまで頑張ってくれなんて私頼んでない

-佐田寅子「何を怒ってるの?言いたいことがあるなら言ってよ。」
-猪爪花江「言ったって仕方がないでしょう。そう思わせてきたのは寅ちゃんよ。この家の主は寅ちゃんなんだから。」
-佐田寅子「何?その言い方。」
-猪爪直明「ちょっと二人とも、落ち着こう、子どもたちも起きちゃうし。」
-佐田寅子「だってひどいじゃない。こっちは家族のために毎日必死に休まず働いてるのに。」
-猪爪花江「そういう態度よ。そんな風に家族に目を向けられないくらいまで頑張ってくれなんて、私頼んでない。優未はあなたに甘えたくても、必死に我慢していい子を頑張ってる。あなたに喜んでもらおうといい子なふりをしてる。わかる?寅ちゃんが見てるのはね、本当の優未じゃないの。」

虎に翼 第15週(72) - 佐田寅子

新潟へ優未を連れて行くと言った寅子に、花江が感情的になりながらぶつけた言葉です。
今の状況で、寅子が働きながら優未と二人きりで暮らすのは、不可能に近い。
現実に気付かぬまま進んで行こうとした寅子に、ずっとこらえていた花江が、優未のために感情を溢れさせた瞬間でした。


些細な「ん?」みたいなズレは受け流さなきゃって

-佐田寅子「私の何がダメだったのかしら。」
-猪爪直明「ダメではなかったけど、本当に些細な「ん?」みたいなズレは結構あったかな。でもお姉ちゃんいつも頑張ってるから、応援したいし支えたい。だから、些細な「ん?」みたいなズレは受け流さなきゃって、僕もみんなも思っちゃって。それで気付いた時にはもうとんでもない、おかしなことになってた。」

虎に翼 第15週(73) - 猪爪直明

優未のことで花江と寅子がぶつかった後、寅子のもとへやってきた直明の言葉です。
家族だからこそ、寅子のことを知っているからこそ、みんな言えなかった。
この直明の台詞にあるようなことって、結構日常生活の中にありますよね。
円滑に過ごすために、飲み込んでしまうこと。
それが結果的に、溝を深めて、取返しのつかないことになってしまう時がある。
その前に、繋ぎ直せますように。

手のかからないおりこうさんを求めてなかった?

-猪爪直明「1年前くらいかな。優未が算数で31点を取ってきたことがあって。でも実は31点を84点に偽装してお姉ちゃんに見せた。でもお姉ちゃんは優未に、間違えた部分を復習して次は100点だって言ったんだ。ちょっと解答用紙を見れば偽装だってすぐわかることなのに。あ、もちろん、テストの点数をごまかすのは悪い。でも優未は、お姉ちゃんの顔色を窺って、ズルしてでもいい子のふりをしてる。それをお姉ちゃんも求めて来た。」
-佐田寅子「私、そんなつもりはまったく…」
-猪爪直明「本当に心からそう言える?手のかからないおりこうさんを求めてなかった?僕はいつも仕事で理想に燃えるお姉ちゃんが好きだよ。でも、いやだからこそ、やっぱり新潟にはお姉ちゃん一人で行くべきだ。」

虎に翼 第15週(73) - 猪爪直明

優未のことを寅子に伝えた直明。
今事実を伝えなければ、寅子と優未がダメになる。
そう思っての優しさとしての直明の言葉が、寅子を刺したシーンでした。


君はもう昔の弱い者じゃない

-桂場等一郎「腹立たしいが君は有能だ。そして俺たちに好かれてしまっている。それが問題なんだ。キャリアを重ね、俺たちという後ろ盾がある君は、もう昔の弱い者じゃない。もう君の「はて?」は、非常に重い。周りを動かす力がある。」
-佐田寅子「それは、悪いことでしょうか。」
-桂場等一郎「悪くはない。だが今のままでは、君の土台はいずれ崩れる。君は裁判官として正しく成長する道筋を飛び越え、一躍時の人となってしまった。それに甘んじている君に、家裁は、いやどんな役職も任せられん。だから地盤をつくるんだ。」

虎に翼 第15週(74) - 桂場等一郎

新潟への異動は天狗になっていた自分の鼻をへし折るために考えてくれたことだろうと言った寅子に対して、違うと言った桂場の台詞です。
こんな風に人の成長を見守り、考えてくれる人がそばにいること、恵まれていることだと思います。
そしてそういう人との出会いを引き寄せたのは、寅子自身。
寅子が苦労して、這いつくばりながらも、懸命に歩んできたからこそ、こんな風に寅子のキャリアを一緒に考え機会を与えてくれる人や職場に巡り合えたのでしょう。

それはお前、とびきりの愛じゃないか

「おい。桂場。それはお前、とびきりの愛じゃないか。ああ。どうすりゃいいんだ。家裁の問題は山積みだ。俺の理想には佐田くんが不可欠だ。そういうことだ。快く旅立ちを見送るしかないじゃないか。」

虎に翼 第15週(74) - 多岐川幸四郎

桂場の話を聞いていた多岐川の台詞です。
もう本当に、とびきりの愛でしかない。
寅子は本当に苦労してきたけれど、必死に歩みを進めてきた一歩一歩を、女だからとこ男だからとかそういうフィルターを外して、シンプルに認めてくれる人たちがいる。
仕事も家庭も、打ちひしがれてしまった寅子ですが、こうした愛をしっかりと受け止めて、新潟へと向かいます。

俺は君が去るのが寂しい

「寂しいぞ。頭じゃわかっているが、俺は君が去るのが寂しい。寂しくて寂しくて仕方ないんだ。」

虎に翼 第15週(75) - 多岐川幸四郎

寅子の異動にあたり壮行会をした時、庭で水をかぶりながら、多岐川が泣きながら寅子に言った言葉です。
本当に、愛に溢れた人です。


第16週

知るのと受け入れるのは違う

-星航一「思い出に出来るほど、お兄さんの死を受け入れられていなかったんでしょうね。」
-杉田次郎「もう何年も前に戦死の知らせは届いてるわけですから。」
-星航一「知るのと受け入れるのは違う。事実に蓋をしなければ生きていけない人もいます。」
-佐田寅子「だから、語りたくないし、語られたくない。」
-杉田次郎「うん、わからなくはないが、皆戦争で誰かしら大事な人を亡くしてるわけですからね。いい大人ですし、そこは乗り越えていかないと。」
-星航一「なるほど。そう言われるとわかっているから、彼が乗り越えたフリをするしかなかったんでしょうね。」

虎に翼 第16週(79) - 星航一

戦争で家族を亡くした高瀬雄三郎について、星が言った言葉です。
娘の優未に亡くなった優三の話を未だに出来ずにいる寅子は、星の言葉が自分自身に重なりました。

意思で物事を受け流すのと、受け流さざるを得ないのは違う

「この仕事をしている以上、どんなにひどいことを言われても手を出してはだめ。ひどい相手と同じ次元に落ちて仕返しをしてはだめ。だから、然るべき処分を受けるべきだと思った。穏便に済ませたりして、ああいう人たちに借りなんてつくってほしくないから。あなたを確実に傷つけて、心に出来たかさぶたをことあるごとに悪気なく剥がしていくような人たちに。彼らにずっとへえこらしてほしくない。自分の意思で物事を受け流すのと、受け流さざるを得ないのは違うから。私がいなくなった後も、この件にあなたが縛られないように。したいように出来るように。怒りたい時に怒ることが出来るように。そう思って処分しました。」

虎に翼 第16週(80) - 佐田寅子

トラブルを起こした高瀬について、処分なしで穏便に済ませようとする周囲の声を押し切って、高瀬のために、処分をすることを決めた寅子。
考えを言葉にしてほしいと高瀬に言われた寅子が言った言葉です。
高瀬にも、そして視聴者にも、響いた言葉でした。




以上、ドラマ「虎に翼」の名台詞集でした。

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