記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【海のはじまり】第2話:こまかすぎる感想

海のはじまり第2話。
月曜にリアタイをした後、火曜・水曜と連続で予定を入れてしまっており、海のはじまりの余韻に浸りすぎて全く予定に集中出来ない日々を過ごしました。
この夏はなるべく放送翌2~3日は予定を入れないようにしたいと思います。
「海のはじまり」以外、何も出来ない夏になりそうです。

弥生さんを中心に、登場人物たちがより掘り下げられてきた第2話。
つらつらと心のままにひたすら感想を語ります。


番組情報

「海のはじまり」公式サイト


Tver見逃し配信はこちらから


第2話 知ってしまったことで、あふれ出す…ふたをしていた想い

海と水季 テーブルの鳩サブレー

冒頭、ランドセルの開け閉めを繰り返す海と、それを見つめる水季のシーン。
よくよく見てみると、背景に映るダイニングテーブルの上に、黄色い鳩サブレーの缶が映っています。
その隣には、夏と学生時代に食べていた動物クッキーと思われる箱が。
細かすぎる演出。さすがです。

嬉しそうにランドセルを開け閉めする海の姿を見つめる水季の表情。
「似てるなと思って見てただけ。夏くんに。」という台詞から、海の姿に夏を投影して見ていたことが分かりますが、ここでの夏に対する思いとは、どんなものだったのでしょうか。

第1話の描かれ方から、水季は夏のことを嫌いになって別れたわけではないということは明らかでしたので、夏に対してどこかまだ残っている想いのようなもの、それが恋愛感情でなかったとしても、やはり愛する人・愛した人の子を育てている中で、夏という存在が水季の中から消えることはなかったはずなので、夏に対するさまざまな想いを巡らせていたのかもしれません。
また、少し涙ぐむような、どこか寂し気な水季の表情からは、この時点で水季は自身の病気や余命のことをわかっていて、海のこれから始まっていく小学生生活、その先の未来を、ずっと見守ることが出来ないということを感じているようにも見えました。
その上で、夏を想い浮かべていたとしたら、母親として、そして妻として、もう一度夏に会うべきなのではと考えていたのかもしれない。
ほんの短いシーンでしたが、色々なことを想像させる古川琴音さんの表情でした。

ちなみに、大学を中退し、一人で子を産み育てる水季ですが、朱音がいる実家ではなく、このシーンで映っていた家に海と二人で暮らしていたように伺えます。
公式サイト相関図の朱音のプロフィールに、水季との関係について、「すれ違い」や「関係も修復し始めていたさなか」といった記載がありますので、水季が妊娠し一人での出産を決めた頃に親子でひと悶着あり、実家に甘えることが出来なかったのかもしれませんね。
朱音と水季の親子関係も、これからどう描かれるか楽しみです。

散りばめられる「選択」

海のランドセルの色は、青色。
これもきっと水季のことだから、ひとつの「選択」として、海に好きな色のランドセルを選ばせたのではないでしょうか。

そして、「夏くん、会いたい?」と水季が海に聞くと、「ママは?海とパパ会ってほしい?ママの好きでいいよ。」と言い、水季は「ほんとそっくり。」と笑ったシーン。
夏くんの声で、かつて彼がよく言っていたであろう、「水季は?」「水季の好きでいいよ。」の声が聞こえてくるようでした。

いつも自分の意思で選んできた水季と、自分で選べない夏。
この二人が付き合っている時、きっと夏は水季の横で、水季のことをにこにこと見つめながら、「水季は?」「水季の好きでいいよ。」と言っていたのでしょうね。
それは、夏に意思がなかったのではなく、「水季の好きでいいよ」という夏の意思であり優しさだったのでしょう。
夏に似ている海を見て笑った表情から、そんな夏のことを、水季は愛おしく思っていたのではないかなと感じました。

自由奔放な水季に振り回される夏。
第1話では少しそんな見え方に描かれていた二人の関係ですが、夏と一緒だったから、水季は水季らしくいられたのではないでしょうか。
今回第2話では水季の背景の詳細はまだ描かれませんでしたが、今後の展開が楽しみです。

…さて。ここまで、冒頭1分45秒ほどしかまだシーンが進んでいません。
それに対してこの文章量です。信じがたいですね。

夏のカメラ

夏の部屋で朱音の迎えを待つまでの間、海ちゃんが夏のカメラに勝手に触ってしまい、夏が慌てて取り上げるというシーンがありました。
私が散々言っているカメラです。
やっぱり何かしらの過去を紐解くキーワードですよね。
夏の部屋にもちらほらと風景写真が飾られているし、ティザー映像でもカメラで海ちゃんの姿を収めていたし。
どう繋がっていくのか楽しみです。

海と弥生の出会い

夏の部屋を訪ねてきた弥生が海と出会うシーン。
驚きつつ、夏の様子から何かしら葬儀の関係で預かっているのかと察し、その場では詳細は聞かずに、すんなりと海の相手を始めた弥生。
いつも冷静に頭を回転させ、夏のことを先読みして、受け入れて、対応していく。
そんな弥生の性格・スタンスが見えました。

そして、子ども慣れしていない夏に対して、子ども慣れしており子ども好きのように見えた弥生。
自然に笑顔を見せて、海が自分の名前を「さんずい」と言った時にも、「漢字わかるの?すごいね。」と答える。
この時は、「弥生は子ども好きなんだな~」とほんわか観ていましたが、後の展開で明かされる弥生の過去と紐づくと、色々と切なくなってしまいます。

弥生と夏の"心地よい"関係

海が帰った後、海のことを親戚の子かと尋ねた弥生。
夏がもごもごと「親戚っていうか…」と話し始めると、それ以上言わせないように「いいよ」と弥生は笑い、亡くなった同級生の親族の子と思った弥生は、「またこういうことあったら呼んで。月岡くん、子ども苦手だもんね。」と笑いました。

ここでの弥生にはなんの悪意も嫌味っぽさも強引さもなく、想いを言葉にすることが苦手な夏のことをよくわかっているからこその優しさであり、いつもこんな風に弥生は夏に寄り添ってきたのだということが伺えます。
また、葬儀の日にいつもと違う様子だった夏のことも気にかかっていたでしょうから、深く聞かないというのは弥生の優しさだったのだと思います。

でもこの優しさが、裏を返すと夏から言葉を奪うようなところもあって。
きっと、何事もない普通の平穏な日常においては、こういう関係性がお互い心地よかったのだと思います。
何を考えているのかわからない夏くんのことを、愛情と優しさで「まあいっか」と包んできた弥生さん。
弥生さんのペースにのまれながら、「まあいっか」と流しながら、それはそれで心地よかったであろう夏くん。
そんな二人が、これから海と向き合っていく中で、これまでのこの曖昧さを直視しなければならない場面に出くわしてしまう気がします。
そんな時に、二人のバランスが壊れてしまわないか、勝手に心配です。

打ち明けた夏 冷静でいようとする弥生

夏が海のことを弥生に打ち明けたシーン。
この場面、努めて冷静でいようとしながらもどうにも動揺は溢れてしまい、いつも以上に夏の言葉を制するように喋ってしまう弥生さんでした。
月岡くんだって混乱している、知らなかったのなら仕方ない、私が冷静でいなければ。
きっと色々なことをぐるぐると頭で考えながら、冷静に、感情的にならないようにしている弥生さんのお芝居がとてもリアルで、もうやっぱり、さすが有村架純さんだなと思いました。
何を考えているのかが、ひとつひとつちゃんと、伝わってくるお芝居。
そのキャラクターの生き方や価値観に共感や感情移入は出来なかったとしても、その人が何を想い何を考えているかが、ちゃんとひとつの解釈で伝わってくる。
そんなお芝居を、有村架純さんも、池松壮亮さんも、大竹しのぶさんもされる方なので、言葉数がそう多くなくともしっかりと届く物語になっていますよね。
そして、きっとひとつひとつ自分で解釈して組み立ててお芝居をしているであろう目黒蓮さんの引き出しが、そういう方々に引っ張られてさらに増えていくような。
3話、4話と進むたびに、目黒さんのお芝居も引っ張られてどんどん進化していきそうで、それも楽しみです。

「想像してみて、どう思ったの?」

朱音にこの7年の水季のことを想像しろと言われたと夏が話した時の、弥生の表情。
少し目を見開いて、驚いたような、なんとも言えない表情が気になりましたよね。
夏は、「水季」という言葉に反応したのだと感じたのか、元カノの名前を恐らく初めて出したのでしょう、少し慌てて説明をしました。
最初1回目をリアタイした時は、私も夏と同じように、「水季」という名前に反応したのかなと思っていたのですが、その後の展開で弥生の過去が明かされた時、弥生が自身の子を中絶したのが、水季が海を産むと決意した2016年だったことがわかり、弥生がこのシーンで引っかかる反応を示したのは、それから今までの「7年」という言葉に対してだったのだということが分かりました。
その上であらためてこのシーンを見返すと、「想像してみて、どう思ったの?」と夏に聞いた弥生は、自分自身のこれまでの7年間を重ねていたようで、また見え方が変わってきましたし、有村架純さんの細かな声色、表情が、ストンと腑に落ちた気がしました。
はあ。見返せば見返すほど味が出てくる、スルメのようなすごい脚本。そしてすごいお芝居です。スルメドラマですね。

夏が「想像しただけでわかった気になっちゃダメだと思った」と言ったところでこのシーンは終わりました。
第2話終了時点で弥生は自身の過去のことを夏には打ち明けていませんが、「わかった気になっちゃダメだ」とここで言えた夏に対してなら、弥生はいつか、自分のことを打ち明けることが出来そうな気がします。
そういう人だから、弥生は夏に惹かれたのかもしれません。

朱音さんの涙

水季の遺影に花瓶の水をこぼしてしまい、拭きながら「ごめんね」と何度も言い朱音さんが涙するシーン。
ここ、文字にしたら本当にそれだけのシーンなのに、どうしてこうも朱音さんの感情が伝わってくるのでしょうか。
目の前で輝く海という命を預かる責任の中で、必死に日常を過ごしていこうとする親としての強さと、大切な娘を若くして亡くした親としての悲しみ。
言葉にならない想いが、痛いほど伝わってきて、胸がきゅっとなる。
大竹しのぶさんのお芝居が本当に本当にすごい。
朱音さんでいつも泣いてしまいます。

溢れ出す「水」の表現

ここで登場した、水季の遺影に朱音が花瓶の水をこぼしてしまうシーン。
第1話では、夏が水季の訃報を電話で受けた直後に、夏の母・ゆき子が洗い物をする場面に切り替わった時に、ボウルから溢れ出す水のカットがありました。
動揺や悲しみが溢れ出すシーンで登場する、溢れる水の表現。
今後もおさえきれない感情、追いつかない心を表す場面で、この水にまつわる表現が使われていきそうですね。
「海」も「水」であり、生命の象徴。通じるものがある気がします。


弥生の家、食パン、silent、引き出し

海のことを打ち明けられた後、弥生が一人家で朝食を食べるシーン。
弥生の背中越しに映る部屋の棚に、かごの物入れがいくつか並んでいるのですが、似たテイストのカゴが、夏の部屋の中の弥生スペース(メイクやドライヤーなど小物を置いているところ)にも置かれていて。
こういう本当に細かいひとつひとつが、暮らしや日常、二人の関係のリアルさになっていて、とても好きです。

一人でぼーっと食パンをかじる弥生。
これ、「silent」で紬が湊斗と別れた後の朝食シーンと似ていましたね。
衝撃的な出来事が起こっても、日々は進むし、お腹は減る。食べて、生きて行く。リアルです。
そして、弥生が見つめる先には、棚の引き出し。
リアタイした時、意味ありげに映されたこの引き出しが気になって仕方ありませんが、後に伏線回収された時、もうなんて脚本なんだと頭を抱えました。(良い意味で)

並行して進む淡々とした日常

弥生の、とりあえず朝が来たから、朝食を食べるシーン。
そしてその直後の、職場に出社した夏のシーン。
自分に娘がいたり、恋人に娘がいたりという、とんでもない出来事に直面しながらも、淡々と進む日常を、日常は日常として、生きていかなければならない感じ。
こういう描き方がとてもリアルで、好きです。
朱音さんも、海ちゃんも、津野くんも、みんなそうでうすよね。
大きな喪失感を抱えながら、それでも日々は続いていくから、生きていかなければいけない。
"いつも通りの"毎日を生きているから少し救われる部分もあるし、だからといって、悲しみを忘れたり目を背けているわけじゃない。
人が生きて行く上での悲しみや喪失との向き合い方が、リアルです。

そして、夏の職場イバタ印刷で並ぶ、夏と上司?同僚?の藤井さん(中島歩さん)の2ショット。絵になりすぎる。
すみません、イバタ印刷で働きたいんですけど、オフィスはどこですか?(真顔)
ここで一緒に働くなら自分の席はどこがいいかな~なんて妄想を一瞬でもしてしまった私の目を、直後に本をばらまいた津野くんが覚ましてくれました。感謝です。
ちなみに、夏くんの向かい側に座りたいという結論です。

この、津野くんが本をばらまいてしまうシーンも、溢れる水と似た表現ですね。
「silent」でも、想くんのCDがぶちまけられる場面がありました。
生方さんの脚本における、動揺や感情の乱れを表す特徴的な表現ですね。

「くまとやまねこ」 津野回への期待

本をぶちまけてしまった津野くん。
その中に「なぐもうみ」と書かれた、海の私物の「くまとやまねこ」というタイトルの絵本が紛れていました。
少し前にあった図書館の津野くんのシーンでも、この絵本を見つめて何か想う表情をしていた津野くん。
絵本の内容もこの物語にリンクする部分がありますが、海ちゃんが大切にしていたであろう、きっと水季と読んでいたであろう本。
これにまつわるエピソードを、早く知りたいです。

また、第2話後半、津野くんが水季のスマホに電話をかけ、鳴ったスマホに気付いた朱音が応答せずに切るというシーンがありました。
水季がいないことを知っているはずなのに電話をかけた津野くん。なんだったのでしょう。

今後、「silent」の奈々回的な、涙なしには見られず全員が津野くんを好きになり津野くんの幸せを願うことになってしまう津野回が絶対にあると信じているので、今から楽しみです。


海ちゃんの様子

海ちゃんの学校でのシーン。
パパの絵を描く友達を見て何かを思うような表情。
ママがいなくなってからも、元気いっぱいな海ちゃんですが、子どもなりにやはりどこか寂しかったり、何か気になっているような様子が見受けられます。
でも、海ちゃんだって、生きていかなければならない日常があるんですよね。
そう。海ちゃんの命は、人生は、とっくに始まっていて、その周りで大人が何を想おうが、何を言おうが、関係ないんですよね。
そういう、はじまった命に対する大人の責任、責任という風にあえて口にするまでもない当たり前の責任、のようなものが、海ちゃん対まわりの大人という構造でヒシヒシと描かれているところがある作品ですよね。
大人の事情の中でのあれこれひしめくごちゃっとした感情や状況、後悔、願い、想い。
そして、そんなことを一掃してしまうくらいの、海ちゃんの無邪気さ、命の躍動のような輝き、生命力。
命に向き合うって、そういうことなんだろうな。

海ちゃんの担任の乃木夏美先生。
「夏」が付くからいい名前だとほめた海ちゃん。
ママが好きな季節「夏」だから、ですよね。
ママが好きな季節の「夏」も、ママが大好きだった人「夏くん」も、好きなんだよね。うんうん。

これから海の様子を見守る大人たちの一人として、大切な存在になっていくであろう夏美先生。
子どもを見守り育てるのは、親だけじゃなく、教師だったり、津野くんのような身近な人だったり、すべての大人なんだなということが描かれそうです。
そんな大人同士で、頼ったり、支えたり、分担したりしながら、みんなでその命を、未来を、守っていく。
当たり前に、誰もが誰かの命に、未来に、関わっている。
そんな大人たちに囲まれながら、いきいきと育っていってほしいです。海ちゃん。

鳩サブレー

まさか鳩サブレーがこんなにも愛おしいお菓子になるとは、この時の私たちはまだ知らなかった。(何)
おうちで鳩サブレーを食べて、ママが好きなお菓子だったと知り、夏くんにもあげに行こうとする海ちゃん。
ここで朱音が海に話した、小さい頃の水季がお店の絵本を無断で持ってきてしまったという話。
この絵本が、「くまとやまねこ」ですかね。
伏線だらけの脚本。

もうなんか、この物語はあんまり考察もせずに、ただただ登場人物たちの感情や過去を受け止めたい、という気持ちですが、ひとつひとつの要素がどう繋がっていくのか、想像するだけでわくわくが止まりません。
こういうところが作品のエンタメ性というか。
毎週1話ずつじりじりと放送されていく連続ドラマを味わう、連ドラならではの醍醐味を与えてくださっている感じで、ドラマ鑑賞を生きがいにしている人間としては、本当にありがたいです。

「会いたい?」

海に、夏に会いたいかと聞いた朱音。頷いた海。
その思いを受けて、朱音は夏を喫茶店に呼び出し、会うことにしました。
前に水季から夏の存在を聞き、会いたいかと聞かれた時には、「ママの好きでいいよ」と答えた海ちゃんが、ここでは会いたいと頷いた。
海ちゃんの中で、ママを失いなおさら存在感が増している「パパ」。
そして、出来るだけ自分の中に生まれる感情に冷静でいようと努力し、海の意思を尊重しようとする朱音さん。
「会いたい?」の一言で、たくさんの想いが伝わってきます。

巻き込み事故

喫茶店で会う朱音と夏。
ぽつりぽつりと夏の仕事の話などをする二人の距離感が、リアルでした。

弥生が夏の現在の恋人だと知った朱音の、「彼女さんが巻き込み事故って感じよね」の言葉。
第1話からキーワードになっている「事故」が、ここでも登場しましたね。
これを聞いた時の夏のはっとした表情は、過去の水季を思い出したのか、弥生のことをより考えるきっかけになったのか。
今はまだ、海のこと、自分のことで手いっぱいな夏くんですが、弥生のこともきっとちゃんと考える人でしょうから、いつかこの「事故」にも向き合うでしょう。

「巻き込み事故」という言葉で、弥生が海ちゃんという命に対して当事者ではないという距離感が表現されているように思います。
弥生と海は、何の血の繋がりもないし、弥生が夏と付き合っているからといって、海まで背負う必要も義理も、別に、ない。
そういう意味で、確かに弥生は海の命に対して"部外者"であり、この「巻き込み事故」という表現も、これが現実世界であったとしても登場しうる言葉だなと思いました。
ですがこの、弥生の部外者感が、今後第3話以降で朱音と弥生が関わっていく上でも、一波乱二波乱巻き込す要素になりそうです。

第3話の予告で、海のお母さんになろうとする弥生に対して、朱音がどこかよく思っていないような様子が見えました。
水季の母親としての朱音にとっては、水季がいなくなったからといってその代わりにすっとなろうとする弥生の存在は、手放しに受け入れられるほど、まだ感情の整理もついていないはず。
「海に選ばせる」ために、朱音もそういった自分の感情と向き合っていくことになりそうですが、海とって血の繋がらない母親が出来ることだけでなく、血の繋がらない娘を育てるということを背負う弥生のことも、一人の女性として、母親の先輩として、朱音は想っていくことになると思います。

公式サイトの朱音のプロフィールに、水季は不妊治療の末にようやく授かった子だったということが書かれているのですが、もしかしたら朱音は水季を授かるまでに、たとえば子どもを望むものもなかなか授かれなかった経験や、授かっても産むことが出来なかった経験があるかもしれません。
こんな風に、フィクションとはいえ、センシティブな問題を勝手に他人が邪推するのはよくないなとは思うのですが、もしかしたらそうした経験を持つ朱音が、いつか、弥生の過去に寄り添い、包み込むようなシーンがあるかもしれませんね。
男性にはわからないと突き放す意図ではなく、やっぱり女性だからこそ理解出来ることというのは、きっとありますから。
朱音と弥生、この二人の物語からも、目が離せません。

「なんでですかね?」

喫茶店で、海に会うかと夏に聞いた朱音さん。
海が自分に会いたがっていると知った夏が「なんで…」とつぶやいた時、いくつかの表情を経て「なんでですかね?」と言った朱音さん。
ここでの大竹しのぶさんのお芝居も、深みがありすぎてすごかったです。
朱音さんは、「お前が父親だからだろ!」とか「わからないんですか?」とか声を荒げたりせず、飲み込んで、夏に、「なんでですかね?」と言った。
夏が海に対して、父親として向き合うかどうか。
海が夏を、父親として求めるかどうか。
朱音の想いも当然あるはずで、でもそれよりも、夏自身に、海自身に、考えさせようとする。
そんな風に努める朱音さんの姿が見えたように思います。


夏と大和とゆき子と和哉

家で息子たちのことを話すゆき子と和哉のシーン。
夏は考え過ぎて言葉になるのが遅い子、大和は考える前に声が出ちゃう子、そう言って二人で笑う何気ないシーン。
映し出されたダイニングテーブルと二つの横並びの椅子。
おそらく夏と大和の椅子でしょうか。
この本当に何気ないシーンに、血のつながりはないけれどつながっている家族、親の想いというものが表現されているように思いました。

夏は、生い立ちなどから、家族や親子というものに対して何かしらの感情を抱いていそうではありますが、ゆき子と和哉は、お互いの義理の子どもも自分の子どものように、ちゃんと理解して育ててきたような感じがしますよね。
子どもは親を選べない。でも、親は、家族をつくるということ、子どもと一緒にいるということを、その逆も、選択出来る。
ゆき子と和哉は、お互い連れ子がいる状態で、家族になるという「選択」をした二人。
この月岡家の「選択」や、どのように「家族」になったのかという部分が、何をもってして親になるのか、家族になるのかという、物語のテーマに関わる大切なパートになっていきそうですね。


夏と弥生のリアル

弥生の家で夏と弥生が二人で話すシーン。
第1話、そして第2話と、二人で夕飯を食べるシーンがありましたが、すごく細かいんですけど、お惣菜的なものを買って食べるという、お互い働いている中で一緒にごはんを食べる時のリアルが詰まっているのがとても好きです。

弥生さんはすごくしっかり者でデキ女なイメージだけれど、ここでずらっと手料理を並べられたら、ちょっと一気にリアルさに欠けてしまう。
そして、夏の前では料理も頑張りすぎず、そこそこ手抜きも出来たり、ぽやんとゆるい自分でいられる弥生さん、という描写にも繋がっていて、弥生さんにとって夏といる時間が癒しの時間になっていることもわかります。

駅前で夏が弥生を待っていたシーンも、「月岡くん」と笑って弥生が駆け寄ってきて二人で歩き出す時、夏くん、さりげなく車道側に移るんですよね。
わざとらしくない、いつもの感じ。
たったこれだけで、夏くんがちゃんと弥生さんを好きで想っている感じ、ナチュラルな優しさと、二人の和やかな関係が感じられます。

夏の誠実さと残酷さ

妊娠を知り中絶に同意した過去を、弥生に伝えた夏。
一度ここを曖昧に濁してしまったからこそ、海と会う前に、まず弥生さんに話さなくてはと決心した夏。
とにかく今日はこれを話すんだと決めてきた夏、食事をする前に話し、話し終えて、ひとつ荷が下りてほっとした様子でした。
ここでちゃんとまず弥生さんに話すという選択した夏は、とても誠実だったと思います。
でもその誠実さが、実は弥生をグサグサと刺していた。
とても残酷なシーンでしたね。

「堕ろしたと思ってた」と夏が言った時の、ショックを受けたような弥生の表情。
「月岡くんが堕ろせって言ったの?」の、少しく冷たくなった弥生の声のトーン。
夏の話を聞く時の、弥生のまばたき、落ち着けようとする呼吸、虚ろな表情。
「殺したなんてことは」「珍しくない」「悪いことじゃない」。
そう続けて言った時の弥生さん、いつもだったら言葉数の少ない夏の想いを汲み取ろうと夏のことをまっすぐに見つめるのに、この時は夏と目を合わせず、目線を下に向けて、どこか虚ろで、早口になる。
この時の弥生さんの動揺や言葉は、弥生が自分自身に向けていたものだったのだと、私たちはこの後の展開で知ることになったわけですが、その上で弥生目線で見返すと、初めて海のことを打ち明けられたシーンからこのシーンに至るまで、もう、もう、、、、苦しすぎます。

自分の恋人に子どもがいた。
それは確かにショッキングだし、恋人の元恋人はもう亡くなっているということも、ショックだったと思います。
でもそれだけじゃなかった。
こんなかたちで、弥生自身の過去がえぐられることになった。

きっとその過去は、弥生にとって、そうするしかなかった出来事。
産むことを選ぶことが出来なくて、産まないという選択を意思でしたことにして、想いを引き出しに閉まって、ふたをして、過ごしてきた。

「生きててくれてほっとした」「殺した」「年齢とか関係ない」「自分の意思で同意した」。
これらの夏の言葉には1mmの悪意もなかったけれど、そのすべての言葉が弥生に刺さり、過去をえぐった。
人はいかに人のことを知らないかということ、無意識に傷つけてしまうことがあるということ、誰もが何かを背負っていること。
色々なことが詰まったとても苦しいシーンでした。

それでも必死にこらえて、罪悪感背負ったままにならなくてよかったよと笑って、一人でこっそりと涙を流した弥生。
あの涙は、ここでの弥生にとっては、夏とか水季とか海とかではなくて、自分の過去、"あの日"から今までの7年間に対しての涙が溢れてしまったような涙だったと思います。

夏は、これから海とどう向かっていくか、まだ選べる。
弥生は、選べなかった過去を、選びなおせないまま背負って、生きている。

まさか第2話の段階でここまで弥生の過去が明らかにされるとは思わず、どこまでも挑んでいくような脚本に圧倒されました。

弥生の過去

前に朝食を食べながら見つめていた棚の引き出しを開けた弥生。
そこには2016年の日記帳と、それに挟まれたエコー写真。
朝食のシーンから、何かある、絶対あると思ってはいたけれど、ここでもう苦しさ大爆発。
弥生…!!!!!となりましたね。
弥生の過去の回想シーンが始まります。

2016年12月1日付けの弥生のカルテに、妊娠8週の記載。
妊娠の診断を受けエコー写真を目にした時の弥生の表情は、驚きながら、どこか芽生えた命に対してネガティブではない感情もあるように見えました。
それが一転、中絶同意書にサインをする当時の恋人と、それを見つめながら、自分の手をきゅっと握りしめる弥生。
後日、頭を下げて病院を後にし、涙をこらえながら足早に歩く弥生。
堕ろした子どもの位牌の前で、涙をこらえながら、手を合わせて供養する弥生。

弥生……(涙)

ここでの回想シーンで流れる、弥生が当時、母親に電話をした時の言葉。
弥生自身のモノローグではなく、また過去シーンの台詞はなく、母親に電話をする声と並行して過去を表現する方法が新しかったですよね。

「もしもし。お母さん?弥生。この前話したことだけど、もう大丈夫。相手も同じ考えだったから、大丈夫。お金も出してもらえたし、お互いに同意の上だから。これでよかったと思う。今仕事休んじゃうと大変だし、父親いないとか子どももかわいそうだし。私も、うん。全然、大丈夫。別にこの先妊娠出来なくなるとか、そんなことないんだって。全部、終わったから。大丈夫。お騒がせしました。ごめんね。お母さん。」

「海のはじまり」第2話 - 百瀬弥生


人の過去を勝手に詮索するのは本当によくないのだけれど

過去シーンから、弥生はかつて妊娠した子を中絶したという事実が明らかになりました。
そして、妊娠が発覚したのは2016年12月1日。
くしくも、水季と夏が中絶同意書にサインをした時期と同じ頃。
水季と弥生の病院が同じ場所では?という意見がSNSに流れていましたが、いったんそこは考察はしないことにします。

水季の7年。海の7年。夏の知らない7年。
その7年は、弥生にとっても、ずっと背負ってきた日々だった。
もしもあの時、産む選択をしていたとしたら、今頃ちょうど海と同じくらいの年齢だったはず。
なんという運命か…。すごい展開ですね。

人の過去や恋愛を勝手に詮索するって本当に無意味だし、この作品を前にするとそんなことをする自分が嫌らしいなという気持ちになってしまうのですが、この当時の弥生の恋人、恋愛って、弥生にとってはあまり、良いものではなかったかもしれませんね。

当時付き合っていた弥生の恋人ですが、中絶手術にも、その後の供養にも立ち会った様子はありませんでしたし、お相手側がもう、堕ろす一択で、サインしてお金を出して、"処理"したような冷たさと、それを前に受け入れるしか出来なかった弥生、という構図が感じられました。
「お父さんいないなんてかわいそうだし」と弥生が言っていた時点で、相手側に親になる意思がなかったこともわかりますし。

結婚や子どもということをまだ描けない状況だったのか、そもそも描くことが許されない関係だったのか、わかりませんが、いつも出来るだけ選択肢を増やしてその中からベストを選ぼうとする弥生が、この時は産まないという選択肢しか選べないような感じでしたよね。
母親に対して、「お騒がせしました」なんて言い方も、もしかしたら妊娠したということだけではなくて、相手の人との関係自体が、例えばですけれど不倫とか、わからないけれど、何か"お騒がせ"してしまった理由があって、そのことで母親との関係も少し気まずくなったり、あったのかもしれないです。

恋人に対しても、母親に対しても、ずっと自分を押し殺していたような弥生。
本当に人って、何を抱えているか、わからないもの。
みんな何かしらを抱えて、ふたをして、引き出しにしまって、生きているんですよね。

弥生が夏くんに電話をかける前、産むことを選べなかった弥生の子の位牌の周りに、お菓子やおもちゃが並ぶカットがありました。
もしかしたら、毎年ひとつずつとか、定期的に訪れては、何かその子のために残して行ったのかもしれませんね。
弥生がその子のことをずっと背負っているという描写に思えてなりません。

弥生が夏と付き合う理由

もし弥生の過去の恋愛が、その当時の恋人との関係が、さきほど私が妄想したようなものだとするならば、なんだか、なぜ弥生が夏と付き合っているのか、わかるような気がしました。

過去、妊娠し、おそらく産むということを選べなかった弥生。
産まないというその選択の決定権を、相手側に握られて、従うしかなかったような感じ。
何事においてもあらゆる選択肢を検討した中でベストを選ぼうとする弥生の性格が、この出来事を経たからこそのものだとしたら、それも苦しいし、この出来事にだけ弥生に選択権がなかったのだとしたら、それも苦しい。
どっちも苦しいけれど、今現在の弥生のそうした性格、常に自分が選ぶ側、決める側でいたいという、心の根っこにあるような願望が、きっと夏くんの前では満たされるんじゃないかな。
自分勝手に身勝手にしたいという傲慢さではなくて、もちろん夏のことも思いやるし愛情を持って接しているけれど、相手に委ねない関係、そしてどちらかというと自分がリードしていける関係。
過去の経験があったからこそ、その関係がすごく居心地が良いし、そうさせてくれる夏に、弥生は救われたり癒されたりしてきたのではないでしょうか。
もし次に誰かと恋をするなら、穏やかに過ごしたかったんじゃないかな。
そういうところの価値観やリズム感が、夏と合ったような気がします。

二人が付き合うようになったきっかけがいつか描かれる気がしますが、そこにも、過去を背負った弥生に何か夏が光を差したような、じんわりと優しさで包み込んだような、そんなきっかけから、弥生は夏に惹かれるようになったエピソードがあるのではないかなと、勝手に思いを馳せました。

あとは、「月岡くんは子ども苦手だもんね」という弥生の言葉や、弥生が同僚と話していた病院の話などから、何か弥生が身体的に抱えている問題や、弥生の人生設計における家族像、妊娠・出産というものに対する考えが今後明かされていきそうですが、そうしたところの考えや価値観が、夏となら合うかもしれないという思いもあったのかもしれませんね。

この弥生の過去を、いつか夏が知った時、夏はきっと、自分が海と向き合うことで弥生を傷つけていたこと、そして弥生に海を背負わせてしまってよいのか、とかとか、悩むんだろうな。
産むことを選べなかった弥生と、産むことを選んだ水季の対比もあるはず。
なんだこれ。私たちが思う以上に、壮大な命の物語、本気の命の物語になってしまいそうです。

ずっと溢れない弥生の「水」

夏の話を聞きながら弥生がコップに注いであげた麦茶。
過去、同意書にサインをする時に隣に置かれたコップに入っていた水。
夏の話を聞く弥生の目に、中絶手術をした弥生の目に、子どもを供養する時の弥生の目に、じんわりと浮かんだ涙。
唯一、夏の話を聞いた後にトイレでこっそり流した涙以外に、弥生の「水」って、全然溢れない。

少し前に、感情や動揺の表現に「水」が使われていると書きましたが、このずっと溢れない弥生の「水」が、必死に想いを押し殺して溢れないように閉じ込めて生きてきた、ギリギリのところで理性で保たれている弥生の感情の表現のようで。
母親との電話での口調から、なんとなく母親との距離感もあるように思いますし、一体弥生は誰に本当の感情を吐き出せるのかなと、いつか溢れてしまう時が来るのではないかと、心配になってしまいました。
溢れてしまった時、どうか夏くん、受け止めてあげてね…。

選ぼうとする弥生

改めて夏に電話をかけた弥生が、「もし月岡くんがお父さんやるってなったら、私がお母さんやれたりするのかな」と伝えた弥生。
「決めるのは海ちゃんだけど、選択肢の中に入れてもらえたらなって。」
「違うからね。誰の子でもそうするわけじゃないから。」
電話では明るく話した弥生ですが、電話を切った後、立ち止まります。
何かを決意した様子の弥生。
思ったよりも早く、海の母親になろうと動き出した印象です。

正直、弥生には海の母親になる責任はないので、そこまで背負わなくても、誰からも責められるものではないと思います。
また、実際にこういう立場になった時に、こんな風にすんなりと、自分が母親になる選択肢を考えられるか、少し引っかかります。
この引っかかりが、弥生の中にもまだ少しありながらも、とにかく進むんだ、選択肢を増やすんだ、そういう意思が感じられるシーンでした。
あの時、弥生は選べなかった。そのことが、そうさせるのでしょうか。
娘がいたからという、そのことだけを理由に、自分と別れる選択をすぐにしないでね、という、夏に対するメッセージでもあったのかもしれません。
ちょっとこの弥生のスピード感には、今後さらに深く描かれていく何かがありそうですね。

世界一愛おしい鳩サブレー

朱音宅を訪れた夏が手土産に差し出した鳩サブレー。
手土産で渡すなら包装紙で包みません?と思ったことは小声にしておいて。
もう、鳩サブレーの使い方が神がかりすぎている。さすがです。
私が知っている鳩サブレーにまつわるエピソードにおいて、世界一鳩サブレーが愛おしく見えたシーンでした。
愛の象徴。平和のシンボル。鳩サブレー。
鳩サブレーに対して、美味しいではなく、愛おしいという感情を抱く日がくるとは。
今後鳩サブレーを食べる度にこの二人を思い出してしまうじゃないですか。
なんかもう、軽い気持ちでは食べられませんし、贈れません。

学生時代、授業中にこっそり鳩サブレーを食べる水季と夏のくだり。
夏くんが水季のことを見つめる「変な子だなあ」「愛おしいなあ」「好きだなあ」の表情がもう本当に恋しちゃってる感じで可愛かったですね。
私もあんな風に見つめられながらこっそり鳩サブレーを食べたい学生時代だったな。(は?)

鳩サブレーを3枚差し出して、夏が選んだ1枚を「当たり」だと笑った水季。
私、ここで号泣したんですけれど、同じ方いませんか?
どれも同じの鳩サブレー。それでも、夏が選んだ鳩サブレーを、正解にしてあげた水季。
二人が出会ったシーンから、自分で選ぶ水季と、自分で選べない夏が対比されていて、真反対の二人が惹かれ合ったように描かれてきました。
夏は、選べない自分、意思のない自分というコンプレックスを、すっと肯定してくれた水季にもう最初から恋に落ちていたような感じでしたが、水季もきっと、夏の選べないところ、その曖昧さや頼りなさや優しさ全部、まるっと、好きだったんだろうな。
選べない夏くんのことも、選んだ夏くんのことも、全部正解だよって笑う子だったんだろうな。
「夏くんに影響されて意思が変わったことなんかない」なんて言っていたけれど、それ自体が、選べない夏のことを肯定してあげる優しさにも思えるし、水季が自分の意思で選んだものに対して夏に背負わせない優しさだったとも思えます。
これから海に対して夏が選んでいくことも、水季は全部、夏くんが自分の意思で選んだならそれが当たりだよって、笑って肯定する気がして。
第1話の最初の方のシーンで、外回り中の夏くんが、分かれ道を行ったり来たりするシーン。
最初に進もうとしたのは日陰の道でしたが、戻って、もう一つの明るい陽が差す道を選んで進んで行った夏くん。
そうやってこの物語の先で夏くんが明るい道を選んで、水季が正解だよってきっと笑ってる。
その道がどうか、すべての登場人物にとって、優しい道でありますように。
たった3枚の鳩サブレーからここまで妄想して泣いてしまう自分が怖いです。

ちなみに、どうでもいいんですが、私も幼い頃から鳩サブレーが大好きで、鳩サブレーや東京バナナなど手土産系を自分のために買ったこともあるので、もう私はほぼ水季ですね。(は?)
夏くんと鳩サブレー食べてハニカミあってた子、あれ、私だったかもしれません。ごめんなさい。黙ります。

夏、海、水季 初めての3ショット

海の帰宅を待つまでの間、朱音は夏に、水季から「海に選ばせてあげて」と言われたという話をしました。
やっぱりどこまでも、自分の意思で選ぶことにこだわり、海に対してもそれを願っていた水季。
自分の意思で海を産み、父親のいない人生を海に背負わせてしまった水季が、どんな思いでそれを海に願い、朱音に伝えたのか、今後描かれる水季回が待ち遠しいですね。

帰宅して、家に夏の姿を見つけた海が、夏くんに駆け寄って抱き着いたシーン。
夏くんに嫌われてしまったかもと不安だった海ちゃん、来てくれた夏くんに抱き着くシーンは、ぐっときましたね。
その姿を見て、少し穏やかにほほ笑んだ朱音さんと、夏と海を二人にさせてあげる朱音さんと翔平さん。
翔平さん(利重剛さん)がずっと穏やかでいいんだよなあ。
きっといつかこの翔平さんと夏が対話するシーンもあると思うので、楽しみです。
朱音さん翔平さんと、ゆき子さん和哉さんという、南雲側と月岡側の親同士が対面するシーンがもしかしたらあるかもしれないと思うと、贅沢さに震えますね。

夏くんに抱き着いた海ちゃんと、戸惑い抱きしめ返せない夏くん、そしてそんな二人の後ろで、笑っている遺影の水季。
夏、海、水季の、初めての3ショット。
やっと揃ったんだなという気持ちと、水季がいないという事実。
たらればなんて言っても無意味だけれど、どうしても3人でいたかもしれない、あったかもしれない別の未来に、想いを馳せてしまうシーンでした。

夏くんに、「いてね。そこにいてね。」と言った海ちゃん。
第1話冒頭の、水季の「いるよ。いるから大丈夫。」にも繋がるし、大和くんが言っていた、「この人までいなくなったら終わり」にも繋がる。
今回は戸惑い海ちゃんを抱きしめ返せなかった夏くんが、次回予告ではしっかりと抱きしめていましたね。
いつか夏くんが、自分のことなのか、水季のことなのか、「いるよ。いるから大丈夫。」って言ったりして。壮大な回収。

…はあ。全体的に思ったより展開が早そうですが、第3話、楽しみです。
このテーマでこのスピード感で展開される「海のはじまり」。
ちゃんとメッセージもありつつ、展開にエンタメ性もあって、単に感動するだけでなく、感心してしまうような物語ですよね。
最終回、どこまで描かれるのか、楽しみでなりません。
見届けましょう。

この記事が参加している募集