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【詩】「森」

雨の日
自転車で家までの道をひたはしった

クラクションに振り返った
その次の記憶は

白いベッドの上で
泣く誰かの姿に

ドラマみたいだと
変なこと 考えたんだった

いつかの昼間に
したたかに飲んで

飛びかける意識で
僕より酔ってる人を送って

薄暗い部屋の中
グレイのベッドの上

おきまりの行為に
鳴く誰かの姿に

鳥肌立ちながら
必死でもがいていたんだった

いつからその森を彷徨いだした
抜けるような空は見えないまま
いつまでその森を彷徨うだろう

いつからその意味を探し出した
いつからその手触りを探し出した
いつからその出口を探し出した

雨の日
自転車でどこかにひた走った

暗い部屋の中
好きだった人を抱きしめた

心の行き場が見えない見つからない

いつからその森の中に棲み始めた
眩しい光を憧れ始めた?
いつまでその森の中彷徨うんだろう

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