見出し画像

古いカメラレンズを売買する(2)

 前回は、親族からのもらいものなどのカメラレンズの次のオーナーを見つける(そして売り上げる)ために、最小限の写真の撮り方を書いてみました。


 カメラに限らないのですが、電子機器や機械製品などを売買するときに、状態を説明する表現として「ジャンク」という言葉がよく使われます。

0. ジャンクとはなにか

 ジャンクは、Wikipediaから引用すればおおよそ以下のようなものです。

そのまま使える見込みがないほど故障・損耗し、本来の製品としての利用価値を失っている場合がある物。

 たとえば秋葉原のパソコンパーツなどで無保証だけど、そのままもしくは少しの工夫で動くかもしれないので、知識や技術がある人にはお買い得かもしれないですよ、という意味かと思います。

 価値を失っている「場合」があるか、という判断できる場合にジャンクかどうかを名乗るのがよいのかもしれません

 カメラやレンズの出品でもよくジャンクと表現される場合がありますが、そこには意図に応じた、いくつかのジャンクの使い分けがあるようです。

 簡単な分類をしました。

1.本当に壊れている場合

 レンズで言えばフォーカスリングが動かない・重い、絞りが開閉しなかったりオイルなどが染み出して動作が緩慢(=ゆっくり)になってしまっている場合です。これらの不具合は技術がある人には治せるものも多いですから、多くは上でいうジャンクに相当するでしょう。
 他にはレンズいっぱいにカビが生えていたり、曇りガラスのように白かったりと、どんな素人でも分かる異常も立派な?ジャンクです。治せる人には治せますので。

2.責任を負いたくない場合

 機械的な動作もガラスの綺麗さも、概ね問題が無ければ値段次第で買い手がつくでしょう。
 しかしカメラレンズを買う人の中には想定外の人もいます(それは他の商品カテゴリーでも同じですよね)。例えば細かいところまでこだわる方は、普通の中古品で当然許容される傷にクレームをつけてきます。他には、新品のような状態を期待している中古に慣れていない人が買ってしまうかもしれません。
 これらの「想定外の人」が買わないように、あるいは買っても対処できるように、あえてジャンクと書く場合があります。私も、商品の状態欄は実際よりも低く書いておきます。

 実は先日、このパターンでジャンクと書かれたレンズを購入しました。出品者さんはジャンクだと明言していますが、よくよく説明を読んでみるとカビは見当たらず、一応動作することが説明されていて、暗に「大丈夫だよ」といわれている気がしました。商品写真も、細部の傷の状態が分かるように撮られていたので、ほぼ90%の確信で購入しました。
 たしかにレンズの傷は説明通りでしたが、機能的に全く影響のないものでした。予算があれば美品が欲しいのですがそうも言える身分ではなく、結果としてコスパのよい買い物ができました。

 ジャンクという言葉は普及していますが、実はある意味で「事情を分かっている方どうしの専門用語」でもあります。ジャンクと書かれた商品の写真や説明から、購入できる許容範囲かどうかを見極めることができます。

3.出品者が説明できない場合は「ジャンク」か?

 このnoteを読んでくださっている方は、このパターンに相当するのではないかと思っています(なのに最後に書いてすみません)。
 手元にあるカメラ・レンズの、どこをどう動かして確認すれば正常と言い切れるのかどうか分からないといったときに、苦し紛れに「ジャンクです」と言い切っているような説明があります。

 そういう(カメラに詳しくない)方で状態が説明できない場合は、ジャンクという言葉は使わず、素直に動作するかどうかは確認できません、と書いてもらったほうが、買い手にとってありがたいことがあります。
 購入希望者にとってぜひとも欲しいレアなものであれば、丁寧な人なら「この角度の写真を見せてください」といったお願いがコメントで入ることもあります。

 前回も書きましたが、わからないことは無理に説明しようとしないことです。スマホで丁寧な写真を、数多く撮ってください。

まとめ

今回はここまでです。ありがとうございます。
次は、お値段の話を少し。あなた自身がいくらくらいのものかわかっていないと、価格交渉があった場合に対応できないですよね。
私自身、いつも値付けには頭を悩ませていますので、そのお話をします。



宜しければ、サポートいただければ幸いです。 より良い記事を書くための調査に励みます。