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ホワイト企業でのスマートワーキング

2015年12月の電通事件の頃から「働き方改革」が叫ばれ7年近く経ち、長時間労働の「ブラック企業」が減り、「ホワイト企業」が増えてきました。それと共に、「パワハラ上司」も減ってきたと思います。

また、コロナ禍で、「リモートワーク」も普及し、いわゆる働きやすい環境が整ってきたのではないでょうか。

もう昭和の高度成長期の「ハードな働き方」ではなく、令和時代の「ソフトな働き方」になったということですね。

1988年の栄養ドリンクの「24時間戦えますか?」というCMは、2014年には、「3,4時間戦えますか?」に変わりました。

しかし、働き方改革は、どちらかということ労働集約的な仕事の改革を想定していると思います。知的集約的の仕事の場合は、この働き方改革で、人が成長するのか疑問です。

実際、この働き方の変更により、特にホワイトカラーの「若手の成長」に影響がでてきているように思います。つまり、「働き方がゆるいだけで若手が成長していない」ということのようです。

なにか、「ゆとり教育」の失敗を思い出させます。

今のホワイトカラーの職種の若手に起こっている問題は、

1.修羅場がなくなった →高度成長期は、組織もどんどん大きくなっていき、より責任ある仕事やポジションがどんどん降ってきた時代は、そのリッチな現場体験(修羅場)が人を成長させてきたが、低成長時代の今は、逆にリストラの時代になり、ポジションが減っていっている状況になってきた。

2.長時間労働でスキルアップしていた方法がなくなった →急成長していた昭和の時代は、とにかく「忙しい」時代でした。しかし、それが、千本ノックのように、数をこなして(長時間労働)でスキルアップするということに通じていました。
しかし、今は、その環境はありません。長時間労働でスキルアップしてきた上司は自分の経験を通した指導ができません。よって、「時間内で仕事をして、その中でスキルアップしてください」としか言いようがないというジレンマに陥ります。
長時間労働にかわる自己成長方法を考え付かないといけないのですが、それは誰も教えてくれません。

3.自分が成長しているかどうかがわかりにくくなった →誰でも成長したいと思っていると思いますが、大事なことが「どのくらい成長したいか」です。新卒などの若い人は、仕事を覚えるだけで成長した実感を味わえるので、ほぼ全ての若い人は若干は成長していると思います。
本来、若いうちのもっと成長しなければならないのですが、その程度がわからないという問題が起きています。

最近は、社内の若手が少ない会社も多く、自分のチームの仲間が親の世代ばかりという笑えない場合もあり、そういう中では自分のレベルが同世代に比べてどうかわからないケースも多々あります。

4.ダメ出しをしてくれる上司が減った。→パワハラ問題が大きく取り上げられつようになると、「やさしいだけの上司」が増えてきます。パワハラはしないけど、厳しい指導もなくなってしまいます。よって、上司から「成長レベルが低い!」という指摘も少ないということになります。

5.「長時間労働は悪」という認識がある。→長時間労働は悪という認識があるので、家で仕事をするのはサービス残業だからやってはいけないことだと認識してしまいます。自分の仕事に関して、上司から頼まれてない仕事、たとえばある産業の市場分析をいろんなデータを入手してレポートを作成するということは、仕事に関係するから家ではやってはいけないことだと愚かにも思ってしまうことです。つまり、仕事に関する自己啓発をしないということが起こります。

ということで、このゆるい環境で、どう成長していくか、させていくかが、一番成長する時期の若手の人たちとその会社に問われていると思います。

会社としては、修羅場を作ってあげる。つまり、そういうポジションやミッションをつくるということです。海外派遣やプロジェクトリードなどですね。対象は、コストもかかるので選抜された意欲ある若手になるのでしょう。

個人としては、成長するにはどうしたらいいのか主体的に考えることが必要で、今の環境下でハードワーキングでもソフトワーキングでもない「スマートワーキング」を確立することだと思います。




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