ゆるブラック企業~残念な働き方改革の末路
2001年頃から「ブラック企業」という言葉がネット中心に広まり、2015年には、大手広告代理店で「過労自殺」事件が起こりました。それを受けるように2016年には、政府内に「働き方改革実現推進室」が発足し、2019年には、「働き方改革関連法案」が施行されました。今やどこの企業も働き方改革を実施し、残業規制、有給休暇取得推進を行っています。
働き方改革が普及し、全体的にブラック企業はなくなり、ホワイト企業へ移行しているかと思いきやそうでもない状況もあるようです。
日経ビジネス2021年11月15日号の特集は、『ゆるブラック企業 残念な働き方改革の末路』です。ようは、長時間労働はなくなったけど、手間のかかるチャレンジングな仕事もなくなり、特にスキルアップのためにいろんなチャレンジを必要とする若手にとって、「物足りない」職場環境になってしまっている。ひいては、「やりがい」もなくなってきているということです。
記事によると、「ブラック企業ほど忙しくないが、ブラック企業と同じように成長を感じられない。これはまるで”ゆるい”ブラック企業だ」ということで、そういう企業を「ゆるブラック企業」といい、残業はあるけれどやりがいのある企業に転職する若者が増えているとそうです。
企業が働き改革を推し進める時に、「残業0、有給休暇完全取得」と号令かけると「残業して、有給休暇を全部消化せずやっている今の仕事をどうやってやるのか」という現場からの反論にあり、結局、仕事の量そのものを減らしていき、あまりややこしい(チャレンジングな)仕事に挑戦しないようになっていくジレンマに会うのでしょう。
私は、長時間労働でやっていた仕事を所定時間内でやるようにできるようになるのが、生産性アップであるし、その人のスキルアップであり、成長だと思います(もちろんそうなるまでに時間は多少かかるでしょうが)。
よって、各個人がそういうふうに成長していく意識が必要ですし、そのために、空いた時間で自己啓発をし、それを活用して短時間で仕事ができるようにしてくことが重要ですし、上司は、それをアドバイスしたり、サポートすべきだと思います。
長時間労働でないホワイト企業は楽ではなく、自分で自己啓発に時間をどんどん費やさないといけないので大変だということですよね。