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🌀その扇風機は回してはいけない 6/5(月)

さて最近色々騒動がある実家だが、認知症の母から頼まれていた歩数計に電池を入れたので、一応持っていく。
(母は2回くらい歩数計をなくしたと言っては買い替え、その都度数日後に出てきたので歩数計は余っている)

ミニ懐中電灯

実家に行くと、母親が妙に恐ろしい顔をしてまた封筒を突きつけてきた。「あんた、これはなんね。」

あー。
これは、ゴミ出しに行くのに小さめの懐中電灯が欲しいとあんたが言ったから、通販で買っておいたドイツのレンザー社のアウトドア用ミニ懐中電灯ですね。

「これはどうするとね、あんたなんとかして!」
単四電池一本入れればいいだけなんだが。
「単四ってなんね!
あんたちょっと見て!」
と母は、電池や蝋燭を入れている引き出しあたりを指差す。
最近とみに短絡的で、発言の前にあまり考えない。

が、引き出しに単四を見つけたのはいいが、その一つ下の段を開けて驚く。

懐中電灯

写真に撮り忘れたが、懐中電灯が4、5本入っている。
これ使えばいいやんか、ぬかった。
母にそう言うと、
「全部電池が切れとうとよ!つかんと!」
と言う。
が。
目の前に適合電池あるやんか。
目の前の懐中電灯と、目の前の電池が結びつかないのもさすが認知症。

電池を入れ る

電池騒ぎがひと段落してふと横をみると、扇風機が出してある。
離れに収納していたのを持ってきたんだろう。
扇風機にこちらが言及すると、母は言った。

「これ,つまらんとよ!
安物やけん、うまく回らん!」

だが良く見て欲しい。

扇風機

この扇風機何かがおかしい。

ずれとる

いやいやいやいや!
そもそもこれ蓋がしまっとらやんか!
回ったら行かんやろ,飛んでったらどうする。

ふた正しい

蓋を嵌め直して、母に気をつけるよう言うと、母は言った。
「そうね、そらこの扇風機が安物やけん上手く嵌らんとよ!
やっぱお父さんが買ってきた安物はつまらんね!」

蓋がうまくはまらないのも扇風機のせいらしい。
認知症患者の自信は損なわれることなく、平和である。

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