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ペルソナ設定とはなんぞや。

最近マーケティングやブランディングの勉強をし始めたのですが、どの本を読んでも「ペルソナをしっかり設定しましょう」という文言が基本中の基本として出てくる。

簡単に言うと「顧客ターゲットを絞り込み、適切なアプローチをしましょうね」ということである。(ざっくりとした素人見解なので違ったらごめん)

でもなんかこのペルソナって言葉ちょっと怖くないですか。
ペルソナ=仮面=オペラ座の怪人ババーーン!的なイメージを持ってしまうのは私だけだろうか。私だけでしょうね。

まあその言葉はもとより、架空の人物を設定してアプローチを考えるそれって、なんとなくぼんやりしていて、なんか意味あるのかしらねーくらいにしか刺さらないでいた。

***

オンラインで受注制作のオーダーをいただいた方に手紙を書いていた。
昨年の11月にオーダーをいただき、約4ヶ月間の制作期間を経てようやく先日全ての方への発送が完了した。
一点一点手作業による制作であることを温かく理解し、待っていてくださった方々には感謝しかない。

検品を終え、梱包し、最後に一筆メッセージを添える。
珈琲を片手に、姿勢を正して手紙を書く。
この時間がとても心落ち着いて、好きだなーと、毎回思う。

展示会に来てくれた人や、長く応援してくれている人。
毎回必ず買ってくれる人やメッセージを添えてくれる人。
もちろん初めましての人も。

この住所ってことは、もしかしてあのお店で知ってくれたのかなーと思ったり、
それとは逆に私が訪れたことのない地名も全国各地ある。

「インスタで見つけて、オーダーのタイミングを心待ちにしていました〜〜」
とか、
「前回買ったお皿がとても使いやすくて重宝してます、リピート決定です!」
とか、
「たくさんの制作大変だとは思いますが、ゆっくり待ってますのでやしろさんのペースで作陶なさってくださいね」
なんていう言葉までも。

そうした言葉を思い返したり、この人はどんな人で、どんな食卓で私の作品を使ってくれるんだろうと想像したりする。
一人暮らしかな、ペアで買ってくれたってことはカップルかな、家族かな。
これとこれの組み合わせで選んでくれたこの人は、きっとお料理が好きな人だろうな、とか。
そんなことをアレコレ考えながら手紙を綴っている。

ああそうだよね、とはっとする。

***

私は私のお客さんの顔を知っている。
言葉をもらっている。
一人一人からダイレクトに。

もちろん実際には顔を知らない人や、会ったことのない人も圧倒的に多い。
けれど、
たくさんの陶芸家や、食器をつくるブランドがある中で
何かのきっかけで私を知って、気にかけてくれて。
展示会に足を運んでくれたり、
オンラインでオーダーしてくれるこの人たちからは、
確実に、体温を感じるものをもらっている。

私が作品を届けたいのは目の前の、この人たちだ。

新作を考えたり展示会の計画を練ったり、
新しいお店からの取り扱いの話や、イベントの話がきたときも。
うん、きっとこれはみんなも好きだろうなーとか、
この空間は喜んでもらえるだろうなとか
一人一人の表情や反応を想像し、それがごく自然に私の中の指針になっている。

とはいえそれは、お客さんに媚びるとか、売れそうなものに寄せて作るということではなくて。
どちらかというと、友人とカフェでお茶しながら「最近コレにハマっててねー」とか「どこどこの新しいコスメがいいらしいよー」とか、雑談の延長の情報交換をしているような感覚だ。


ペルソナ設定、、、これか、、?

正確にいうと違うんだろうけど、私の場合はこの感覚こそが必要で、大切にしなきゃいけないものなんじゃないかなと思い至った。

「作家」と「お客様」という、なんとなくよそよそしい距離感ではなくて、私という個人が作っているものだからこそ、一対一の関係性がたくさんたくさんあるように感じてもらえたらと思っている。

だから友人とお茶するくらいの感覚で会いにきてほしいし、作品の感想、良いところもちょっとイマイチなところも雑談感覚で伝えてほしい。(でも基本的には褒められて伸びるタイプなので褒めて欲しい。全肯定してくれる人大好きです。)
私も自慢の友人になれるようにもっともっと頑張るねーと、笑って返したい。


読んでいただきありがとうございました! サポートしていただいた資金で美味しいものを食べて制作に励みます。餃子と焼肉とカオマンガイが好きです。