10年過ごした都会を離れ、故郷に帰ってきた

18歳で田舎を離れ、高いビルが立ち並ぶ都会へ移り住んだ。
私は今、27歳になった。
もう一度、故郷へ帰ろうとしている。
看護師の中でもやりたいことを見つけたから。
何度も何度も見つめ直して選んだ道だ。

周りにはやりたいことを貫いていてすごいとか偉いとか言われがち。
もしかしたらそれは本当のことなのかもしれない。

だけど私の本当の理由は、
自分をとことん甘やかしたいからだ。

田舎よりも色んなものや情報で溢れているこの場所で、いつも孤独を感じていた。
誰かと一緒にいても、楽しんでも、1Kのマンションに帰ればいつも一人だった。寂しさを紛らわすために、たくさんの人たちと遊んだ。
でも、もう疲れたんだ。

作られた私を作り続けることに。

田舎の星を一人で眺めることが好きだ。
あの海の香りを感じることが好きだ。
あまり、目立たず、物も言わないような子だった。

都会へ出た途端に、新しい私はとことんはしゃいだ。
やりたいことはなんでもやった。
好奇心旺盛になった。それが吉になることもあれば、凶になることもたくさんあった。
だから今の自分がいる。それで結果良かったのかもしれない。
でも、本当の私と言うより、やっぱり作られた私に感じてしまう。

人生をいったんリセットする。
それが私が選んだ選択。

逃げているのか?恥はないのか?
逃げてなんかない。自分の幸せは自分で作るもの。
恥ずかしさなんてない。そう自分に言い聞かせた。

故郷に帰ってきた。正確に言えば故郷に近い場所だ。
また都会に戻らなきゃいけないのではないかと考えて実感のない日々を過ごしてた。
それをすぐに解消してくれたのが、昔ながらの友達だった。
遠く離れていても帰ってくればまた会える。
遠くにいて気づかなかったことだが、近くに帰ってその温かさをひしひしと感じた。

ーあ、私はここで暮らしていいんだ。

何にも縛られず、見栄や意地も全部捨てた。
作られた私も置いてきた。
もうありのままの本当の自分で過ごすことに決めた。

自分を甘やかして生きる方が、のんびり・穏やかな心になれて、なんでもうまくいく気がする。



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