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煙草は吸わないけど嫌いじゃない

 世間ではどんどん嫌われ者の煙草。税金は上がるわ、公共の場では全面禁煙になって吸えないようになるわで喫煙者には厳しい世情ですね。
 みなさんは煙草に対してどのようなイメージを持たれているでしょうか?私自身は煙草に悪い印象は持っておらず、どちらかというと良い印象があります。

 とは言っても、私は煙草を吸いません。煙草が似合っているハードボイルドな雰囲気を醸す人が吸っている姿を見ると良いなとは思いますが、私自身は吸いたいと思いません。
 私が煙草を吸わない理由は、親に聞いた話によれば幼少期の私の体験が元になっているようです。

 私が物心がつかないくらいの小さいころ、私は親が吸っている煙草に興味を示したそうです。子どもは興味を持ったものはなんでも口に入れたがるので、御多分にもれず私も煙草を口に入れたがったそうです。それを見た私の父は、煙草の先を少し崩してきざみを少し出して、それを私に食わせたそうです。すると口に入れた私は「ウエエェェェッ」とめちゃくちゃ苦い顔をして吐き出したそうです。
 物覚えの悪い私はそういう経験があってもまた煙草を口に入れようとしたそうですが(父曰く「お前アホやから」)、またも父が刻を私に食わせて「ウエエェェェッ」とさせたそうです。
 さすがの私も2度苦い体験(文字通り)をしたことで、その後は煙草に興味を持つことはありませんでした。
 おそらく、その幼少期の体験があるため、私が大きくなった今も煙草を吸おうという気持ちが全く起きないのだろう、というのが父の見解です。この話が本当なら、私も同意です。
 それにしても煙草ってかなりの毒物のはずなんですが、それを幼児に食わせる親とはどうなんでしょう?吐き出すと分かって食わせたんでしょうが、なかなか大胆な親です。

 ところで、私は自分が煙草を吸いたいとは思いませんが、煙草の匂いを嗅ぐのは嫌ではありません。それは、両親が煙草をよく吸っていて、煙草の匂いもよく嗅いでいたからだと思います。
 特に父はヘヴィースモーカーで、家で食事の時以外はしょっちゅう吸っていました。おかげで父が良く吸っていた居間は煙草の匂いが染みついていました。子どもの頃の私はそれが煙草の匂いと気づかず「実家の匂い」と勘違いしていたほどです。きっと副流煙は吸いまくりだったでしょう。

 そう言えばヤモリーズにいた頃、一年目に現場で一緒に作業をしていた先輩は煙草を吸っていたのですが、その煙草の匂いが父が吸っていた煙草の匂いと似ていて懐かしかった記憶があります。正確には違う煙草だったそうですが。

 ただ、母が煙草を吸っているのを初めて見たときはショックでした。
 母は父ほど煙草を頻繁に吸っていなかったので、母が煙草を吸っている姿はほとんど記憶にないのですが、私が3~4歳のころ、トイレで母が煙草を吸っているのを見たときたいへんショックを受けて固まってしまいました。母が煙草を吸っているのがとても嫌で、母に煙草を吸うのをやめるようにお願いした記憶もあります。
 なぜ嫌だったのか、今となってははっきり思い出せませんが、私にとって煙草は父が吸うもので、「煙草は男が吸うもの」的な先入観があったのかもしれません。母がそうした男性的なものに触れるのが嫌だったのでしょうか。我が事ながらよく分かりません。
 そのせいなのか、私は女性が煙草を吸っている姿はちょっと苦手です。
 
 そんな両親も今は煙草を辞めています。というのも、父が数年前に心筋梗塞で倒れ、病院に緊急搬送されたことがありました。煙草を吸っていると血管が収縮して再び心筋梗塞が起こるリスクが高くなるため、煙草をやめるように医者から言われたそうです。その結果、何十年も煙草を吸っていた父はピタッと煙草をやめました。父がやめたのに自分が吸っているのは悪いと母も煙草をやめました。父は煙草をやめるのに最初は苦労したそうですが、今は全く吸いたいと思っていないそうです。
 父は自分が決めたことをやり遂げる意志の強いところがあるので、煙草をやめるということにそれがうまく作用したのかなと思います。

 そんなわけで、今の我が家は煙草の匂いはしません。私にとっては「煙草の匂い=実家の匂い」だったので、最近は家に帰っても子どもの頃の懐かしい匂いが嗅げず残念に思う気持ちが(少し)あります。


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 最後まで読んでくださりありがとうございました!