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「転機」の始まりは何かが始まるときではなく何かが終わるとき

ウィリアム・ブリッジスというアメリカの心理学者であり、コンサルタントの提唱したトランジッションの理論に、「転機とは最初に終焉があり、 ニュートラルゾーンを経て、 新たな始まりの3つのプロセスからなる」というのがあります。

ちなみに「転機」は「変化」と似ているような気がしますが、両者には違いがあります。
「変化」とは転勤、失業、離婚などの状況の変化を指し、一方の「転機」とは変化に対しての心理的なプロセスのことを指します。

「転機」の最初に終焉があり、 ニュートラルゾーンを経て、 新たな始まりの3つのプロセスからなるということは、つまり

何かが終わった時、「ああもう終わりだ~~」と叫ぶ時、私たちの転機は始まっているのです!




ではここで、転機における3つのプロセス「1.終焉」「2.ニュートラルゾーン」「3.新な始まり」についてみていきましょう。


  1. 終焉

    • このフェーズは、失われるものに対する喪失感、不安、恐れなどの感情を伴うことが多いです。例えば、職を失う、チームが解散する、就活など、これまでの状態やルーチンに終止符が打たれる時です。

  2. ニュートラルゾーン

    • 終焉と3つ目の新しい始まりの間には、「ニュートラルゾーン」があります。このフェーズでは不確実性や混乱に支配される期間を経験します。新しい価値観や自分や周囲に対する理解を模索する過程であり、しばしば混乱し、不安などのネガティブ感情を感じることがあります。しかし、この時期は新しい可能性を探る絶好のチャンスでもあります。

  3. 新しい始まり

    • このフェーズでは、過去の状態からの移行を完了し、新しい状態や状況に対する理解と受け入れが始まります。新しい活力やエネルギー、心からの納得や取り組みの決意が伴うことが多いです。




次にそれぞれのフェーズでどんなアプローチが自分にできるか、「志望校に合格できなかった場合」を例にして考えてみます。


  1. 終焉

    • 自分の感情を知り受け入れる: 入学試験に不合格になったことは大変なショックですし、強い悲しみや失望を抱くのはとても自然なことです。その感情を無理に隠さず受け入れることで、次のステップに進むための土壌を作ります。

    • 過去の経験のリフレクション: 可能であれば何がうまくいったのか、どの部分が改善の余地があったのかを振り返ります。

  2. ニュートラルゾーン 

    • 不確実性を受け入れる:これからの道はまだ明確でないかもしれませんが、これは新しい可能性を模索するチャンスでもあります。さらに、自分の真の価値観、ニーズに気づくこともあります。

    • 自己探求: 将来について深く考える時間を持つことや、スキルを磨くことができる時です。キャリアの専門家や、自分の目指したい分野で活躍している人の話を聞くのもヒントになるかもしれません。

  3. 新しい始まり

    • 新しいビジョンの提示: 志望校に進学することが一つの夢だったかもしれませんが、他にも多くの良い学校やプログラムがあり、そこでの経験や学びが将来の自分を支える武器となる可能性があります。

    • 行動の促進: 失望から立ち直ることが先決ですが、次の戦略を考え、行動することで新しい道を切り開くことができます。



「終焉」で最初に行うのは、自分の感情に気づき受け入れることです。
人間は、負の感情に飲み込まれてしまうと、視野が狭くなり他の選択肢が見えなくなることがあります。まるで八方塞がりになったように感じ、行動することさえできないかもしれません。または、自分の感情を否定してみたり、不快情動を手放そうと極端な考え方や行動をすることもあります。

そして、それはどんな人にも起こり得るものです。
人間が生き延びるために身につけてきた脳の働きによるもので、私たちが情けないからでも不甲斐ないからでもありません。

ただそこから抜け出すことに対しては責任があります。
そういう気持ちになってしまうのは仕方がない、それは私たちのせいではない、でもそこから抜け出せるかどうかは私たちの決意にかかっているのです。


今日もnoteをお読みいただきありがとうございます。




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