スイーツ•バトルロワイヤル
そこには、100人ほどが集まると聞いていた。
うろ覚えの脳内地図を頼りに閑静な住宅街を抜ける。
目的地がいよいよわからず、マップを開こうかとよぎる中、それは左手に現れた。
いかにもそれっぽい煉瓦造りの洋館は、閑静な住宅街にそぐわぬ貫禄を放っている。
某名探偵少年がいれば殺人事件でも起きそうな洋館の入り口に、ひゅと背筋が伸びる。
どぎまぎしながら、中へ入ると受付では、私たち以外の客が手続きを待っている。慣れぬ空間に、ソワソワしながら待っていると案内人らしき好青年と目が合った。