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約束は破るためにあるんじゃない
こちらの気持ちなど考えていなさそうな彼に、怒ることもできない私のせいなのだろうか、本当に仕事が忙しいのか、それとも会うのが面倒になっただけなのか、疑いをかければ自分自身が惨めになる気がした
「ごめん、今日いけなくなった」という一文を5分待って既読をつけ、「わかった、仕事がんばってね」なんて返信をした私のその時の表情を、彼が知ることも理解することも、ましてや想像することさえも、これまでもこれから先
どうせ死ねないくせに死にたいとか言う
「心中しよう」
できるだけ冗談っぽく、でも完全な冗談だとは受け取られないように、
踏切の不協和音が余計に私の不安を掻き立てる、私の手を握る右手とは逆の手にぶら下がるビニール袋、彼の左手には、さっきコンビニで買ったバニラアイスがふたつ、揺れている
心が限界だった
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アラームを止めて、眠ってしまっていた
スヌーズ機能で再び、iPhoneのマリンバの音がうるさく響き、重い
謝るくらいなら最初からしないでほしい
「なにしてんだよ!!!」
突然の怒鳴り声に、固まった、身体も、思考も
きっとそれは隣に座っている姉も同様
怒鳴り声をあげたその人は、姉と私がやっていたテレビゲームを容赦なくテレビから引き抜き、その本体を地面へ叩きつけた
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カラオケボックスから外に出ると、明るかったはずの空が夕暮れと呼ばれるものに姿を変えていた、
が、渋谷のビルばかりの街並みじゃ、首を思いきり反らし
やりたいことを否定されたのは初めてかもしれない
「才能ある人は学校なんかいかなくても成功してるから」
その言葉に何か言い返そうと、頭の中をどれだけ掻き回してみても、それっぽい言葉すら出てこなかった、
応接室によく置かれるであろう1人用の焦げ茶色した皮素材のソファが4つ、2対2で向き合うように並べられている、
私は扉を背にして、入口から遠い側のソファに、少し着崩した制服を身にまとい、意識しないと丸まってしまう背中をわざと丸くして座っていた
好きに、なってしまいました
生まれて初めての告白をつかってしまうほどに、伝えたいと思った、叶わなくても、報われなくても、それでもいい、
雷のような衝撃はなく、頭蓋骨に響き渡る鐘の音が鳴るわけでもなかったけれど、これは恋だと確信した、この気持ちに気付いてほしい
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メールが届いていた
高校生になるまで携帯電話を持ってはいけないというルールをしっかりと守り、月2,000円ほどのお小遣いをコツコツ貯めて、