「わからない。もうわからないんだ。どうすればいいのか、もう。手遅れなんだ、何もかも。なぜ自分が今この立場にいて、何のために戦っているのか、もうわからなくなってしまったんだ。」
ー今は無き境界線の「向こう側」で中隊長として戦う彼は、行き場のない悲しみに襲われた子供の様な声で私に言った。
ーもう・・・こちら側に来れないの?
ーなぜ?
ー万物は流転する、ともいうじゃないか・・・グロスマンが言ったように。
ー・・・ありがとう。話してくれて。
ー海兵に質問なし(韻を踏んだ表現)。あ、いや、最後に教えてくれないか。君の名前は?
ー君はやっぱり詩人だったんだな!