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Narita
2020年12月31日 00:13
1.終焉 電車の窓から見えたあの大海原は、僕を恐怖のどん底へ陥れた。あの黒々とした荒波は、今にも私を飲み込んでしまいそうであった。 まるで、クジラが海水を飲み込むような自然さで、そして大胆に。 いつからだっただろうか。僕が海を恐れるようになったのは。気づくと僕は、海が怖かった。あの日、電車から見た海は僕の海への恐怖(いや、畏敬とでもいった方が良いのかもしれない)を増幅させて、それは僕の