【物語#4】モノレールと少女とねこ

【 物語 #4 】 モノレールの少女とねこ(仮)



*自作です。冒頭です。


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空は高い。

広く、深い。


見上げた先には 光あふれ。雲が流れ。鳥が飛び交う。


人々の視力の届かぬ遥か上空に それはあった。
ずいぶんと長いこと 使われていない。


その時代には、モノレールと呼ばれていたとも聞く。


たった1両。
忘れ去られた空のレールの上で 静かに時を重ねている。

高い高い、頭上よりも、はるか上空だ。もしも見上げても、鳥のほうが先に目にはいる。何区画もある巨大な街。みな、空を見上げないわけでもない。それでも、その1両は 人々の視界から、ほとんど、消えていた。


何百年か。何千年か。そんなこと誰も気にしない。すっかり打ち捨てられた。地上には、かつて使われていた駅が まだあるけれど、街のポスターだとか、ちらしだとかを飾るオブジェとなっていて、この建物がいったい何なのかすら、人々は興味がなかった。


古くにはショッピングモールだとか、劇場だとかの入る巨大な駅で、建築としても有名だった。レールまで伸びる透明なエレベーターも、その輝く照明も、世界中から訪れた人々が列を成すほどの歓楽スポットだったのだ。


(タッタッタッ


『ねこーー!いくよーーー!!』


(ねこ。むくり起きて出る


『今日は◯◯祭りよっ(*´ロ`*)!』

(街からかすかに音楽が聴こえる
(少女、レールの上をねこと歩く。うきうき。
(カメラ、少女目線から遠くの海、空、周囲まわって、眼下の街へ。かなりの高さの柵もないレールのはるか下に、かわいらしい雰囲気の街がドーンと広がる。飾りがすごい。植物もたくさんあるので植物の香りが舞う。

『うーん!いい風!今日はいつもより よく聴こえる!』


(歩いてゆく方向に近づくたびに音が大きくなる)


◯◯◯。
街の名だ。

かつて◯◯で名を馳せた◯◯と呼ばれる女性が その身を偽り、人々の安楽の地として立ち上げたといわれる。街の遠い先祖達はよほど口が固かったようだ。いま、この街で彼女の真実の名を口にする者はいない。

祭りの夜の奇跡。

世界中に溢れる数多の奇跡に埋もれるように語り継がれた。イベントのみが伝統となり、幸せを願う祭りであると触れ込みをされている。


『街を歩くなんて、いつぶりかしら!
どこもかわいくって、わくわくしちゃう!』(*´艸`*)
猫ヌァーン

『ねぇ、ねこ。知ってる?祭りの夜には奇跡が起こるのよ!みんなは知らないの。あたしたちだけの秘密よ?』

(風。
(七色に煌めく光。
(巻き上がるスカート。(下にズボン)
(遠くから陽気な音楽が近づいてくる


『あら!おばあちゃん!今日はチャリンコなの!』


『近場だもの』

空を駆ける自転車は少女の目の前でふわりと止まった。

『◯◯は修理中なのよ』

『このあいだの配達で?』

『そ。』

『サンタ村はどうだった?!』

『クリスマスの夜を楽しみにって』

『わぁ!いこうね、ねこ!一緒に!』

◯◯(おばあちゃん)は世界中を飛び回る。
郵便屋だ。ほとんどはよろず屋である。

『それで...』

『ずいぶん育っていたわ。少し色をつけておいたわよ。冬までには、なんとかなるでしょうね』

『お部屋は?』

『幸せそうだったわよ』

『そう。よかった!』

その部屋には◯◯の親友が眠る。
時代の荒波を乗り越え、幸せな時間を手にした夫婦だ。

少女の、先祖である。

『つぎは、あなたも いらっしゃい。』

『うん』


『今日は 街に 降りるでしょう。先に行っているわよ』

『わかった!』

◯◯が自転車に手をかける。
ふわりと光った。
陽気な音楽が遠のいていく。

『いこっか、ねこ』

少女はつぶやく。


『あたしも チャリンコってやつ 欲しいわぁ』

▲しばらくあとになって判明するが、少女はこの街の住民権がない。堂々としすぎていてバレない。ふつうに買い物しているし、顔も隠していない。


▲遠くへ行くときには、空飛ぶバイク。
ほかの作品によくでてくる、あの郵便屋さん。もうすっかりおばあちゃんだが、めっちゃ元気。宇宙光石をエネルギー源としている。【水の都】に出てきた"蓄光石"のことかも。


▲少女がもっと小さい頃、一緒に【あの墓室】へ行ったことがある。郵便服は、彼らに預けた。

▲【水の都】の"呪い"が解けたあとの話。


▲モノレールのレールには、途中、壊れたところがあって、少女がまだ観たことのない街があった。お祭りの日に、何かがあって、そこに行っちゃうのかも。


三角(右)レールが壊れた真下には
いったい、なにがあるんだろうね?

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